再発又は難治性の濾胞性リンパ腫
【警告】
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
リツキシマブ(遺伝子組換え)及びレナリドミドとの併用において、通常、成人にはタファシタマブ(遺伝子組換え)として12mg/kg(体重)を1日1回点滴静注する。28日間を1サイクルとして、最初の3サイクルは1週間間隔で4回(1、8、15及び22日目)、4サイクル以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)投与する。最大12サイクルまで投与を継続する。
使用上の注意
-
8.1血球減少があらわれることがあるので本剤投与前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分観察すること。
-
8.2重篤な感染症(日和見感染症を含む)及びB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認すること。本剤投与前に適切な処置を行い、本剤投与中は感染症の発現又は悪化に十分注意すること。
-
8.3腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査等を行うなど、腫瘍崩壊症候群の徴候及び症状を十分に観察すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1肝炎ウイルスの感染又は既往を有する患者
本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルスの再活性化により肝炎があらわれるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。IgGは胎盤を通過することが知られており、本剤の作用機序から胎児のB細胞枯渇を引き起こす可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 生ワクチン又は弱毒生ワクチン | 接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。 | 本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 頻度不明 |
| AST増加 | 頻度不明 |
| γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 | 頻度不明 |
| サイトカイン放出症候群 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| リンパ球減少症 | 頻度不明 |
| 下痢 | 5%以上 |
| 低γグロブリン血症 | 頻度不明 |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 便秘 | 5%以上 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口腔咽頭痛 | 頻度不明 |
| 味覚不全 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳嗽 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 頻度不明 |
| 好酸球増加症 | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 末梢性ニューロパチー | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 無力症(16.4%) | 5%以上 |
| 甲状腺機能低下症 | 頻度不明 |
| 発熱 | 5%以上 |
| 発疹 | 5%以上 |
| 筋痙縮 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 粘膜の炎症 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 血中アルカリホスファターゼ増加 | 頻度不明 |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
タファシタマブは、CD19に対するヒト化免疫グロブリン(Ig)Gモノクローナル抗体であり、B細胞性腫瘍の細胞膜上に発現するCD19に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性並びにアポトーシスを誘導することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている5),6)。
18.2 B細胞減少作用
タファシタマブは、カニクイザルにおいて、末梢血、骨髄、鼠径リンパ節及び脾臓のB細胞数を減少させた(in vivo)7)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
再発又は難治性の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者(16例)に、本剤12mg/kgを1、4、8、15及び22日目に静脈内投与したとき注3)の、初回投与後の血清中濃度は以下のとおりであった(外国人データ)1)。
| 投与量 | Cmax (μg/mL) |
AUC0-inf (μg・day/mL) |
CL (mL/day/kg) |
t1/2 (days) |
|---|---|---|---|---|
| 12mg/kg (単剤投与) |
169.3±35.89 | 1,791±480.6 | 7.192±2.088 | 14.1±4.69 |
平均値±標準偏差
- 16.1.2反復投与
日本人非ホジキンリンパ腫患者に、28日間を1サイクルとし、1サイクルは1、4、8、15及び22日目、2及び3サイクルは、1、8、15及び22日目、4サイクル以降は1及び15日目に、本剤12mg/kgを静脈内投与したとき注3)の血清中濃度は以下のとおりであった2)。
| 投与量 | 1サイクル 1日目 Cmax (μg/mL) |
2サイクル 1日目 Ctrough (μg/mL) |
3サイクル 22日目 Ctrough (μg/mL) |
4サイクル 1日目 Ctrough (μg/mL) |
8サイクル 1日目 Ctrough (μg/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 例数 | 6 | 6 | 3 | 3 | 3 |
| 12mg/kg (単剤投与) |
265±24.2 | 281±73.4 | 393±26.9 | 370±18.0 | 210±11.5 |
平均値±標準偏差
母集団薬物動態解析により推定された、日本人非ホジキンリンパ腫患者に、28日間を1サイクルとし、本剤12mg/kgを1週間間隔で静脈内投与したときの1サイクルにおけるタファシタマブのAUC0-28daysの平均値(変動係数%)は5,310(21.1)μg・day/mLであった3)。
注3)本剤の承認された用法及び用量は以下のとおりである。 リツキシマブ(遺伝子組換え)及びレナリドミドとの併用において、通常、成人にはタファシタマブ(遺伝子組換え)として12mg/kg(体重)を1日1回点滴静注する。28日間を1サイクルとして、最初の3サイクルは1週間間隔で4回(1、8、15及び22日目)、4サイクル以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)投与する。最大12サイクルまで投与を継続する。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
母集団薬物動態解析の結果、軽度~中等度の腎機能障害(Cockcroft-Gault式により推定したクレアチニン・クリアランスが30~89mL/分)は薬物動態に臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった。重度腎不全(クレアチニン・クリアランスが30mL/分未満)がタファシタマブの薬物動態に及ぼす影響は検討していない3)。
- 16.6.2肝機能障害患者
母集団薬物動態解析の結果、軽度の肝機能障害(総ビリルビンがULN以下及びASTがULN超又は総ビリルビンがULNの1~1.5倍かつASTの値は問わない)は、タファシタマブの薬物動態に臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった。中等度~重度の肝機能障害(総ビリルビンがULNの1.5倍超かつASTの値は問わない)がタファシタマブの薬物動態に及ぼす影響は検討していない3)。