-
避妊
-
過多月経
-
月経困難症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある女性
-
2.2性器癌及びその疑いのある患者[癌の悪化のおそれがある。]
-
2.3黄体ホルモン依存性腫瘍及びその疑いのある患者[ホルモン依存性腫瘍の悪化のおそれがある。]
-
2.4診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがある。出血が性器癌による場合は、悪化のおそれがある。]
-
2.5先天性、後天性の子宮の形態異常(子宮腔の変形を来しているような子宮筋腫を含む)又は著しい位置異常のある女性[本剤を正確な位置に装着することが困難である。]
-
2.6性器感染症(カンジダ症を除く)のある患者[骨盤内炎症性疾患(PID)のリスクが上昇するおそれがある。]
-
2.7過去3ヵ月以内に性感染症(細菌性腟炎、カンジダ症、再発性ヘルペスウイルス感染、B型肝炎、サイトメガロウイルス感染を除く)の既往歴のある女性[PIDのリスクが上昇するおそれがある。]
-
2.8頸管炎又は腟炎の患者[PIDを起こすおそれがある。]
-
2.9再発性又は現在PIDの患者[症状が悪化することがある。]
-
2.10過去3ヵ月以内に分娩後子宮内膜炎又は感染性流産の既往歴のある女性[子宮内膜炎を起こすおそれがある。]
-
2.11異所性妊娠の既往歴のある女性[異所性妊娠が起こるおそれがある。]
-
2.12本剤又は子宮内避妊用具(IUD)装着時又は頸管拡張時に失神、徐脈等の迷走神経反射を起こしたことのある女性[本剤の装着及び除去に際して迷走神経反射を起こすおそれがある。]
-
2.13重篤な肝障害の患者
-
2.14肝腫瘍の患者[肝臓への負担が増加し、症状が増悪するおそれがある。]
-
2.15妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
本剤1個を子宮腔内に装着する。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
-
8.1本剤の取扱いは、産婦人科医(母体保護法指定医又は日本産科婦人科学会認定医)が行うこと。
-
8.2本剤の装着前に、副作用の可能性についてよく説明すること。また、他の避妊法と同様に、本剤による避妊効果は必ずしも100%ではないことを説明すること。また、妊娠や異所性妊娠が疑われる場合の対応についても説明しておくこと。
-
8.3本剤の装着後、出血パターンが不規則になる。装着後数ヵ月間は月経中間期出血が発現することが多いが、通常は装着継続中に消失する。長期間持続する場合は、子宮内膜の疾患によるものでないことを確認するために適切な検査を考慮すること。
-
8.4装着前に骨盤内諸臓器、乳房の検査、腟内容の検査を含む診察を行うこと。妊娠していないこと、性感染症に罹患していないことを確認すること。
-
8.5本剤は、滅菌処理したディスポーザブル製品であるので、いったん装着した後、除去又は脱出した場合は再度使用しないこと。
-
8.6装着後3ヵ月以内、1年後(又は必要に応じそれ以前)に受診させ、1年以上装着する場合は、以後少なくとも1年に1度は受診するよう指導し、本剤の位置の確認及び必要に応じた諸検査を実施すること。
-
8.7次のような場合には受診するよう指導すること。
-
多量の性器出血があったとき、又は装着後数ヵ月以降に月経中間期出血が継続してみられたとき、あるいは出血量の増加など出血のパターンが変化したとき
-
前回の月経から6週間以内に月経が起こらない場合や、悪心、嘔吐、食欲不振等の妊娠を疑う兆候がみられたとき
-
月経遅延時の下腹部痛又は無月経の女性で出血が始まるなど異所性妊娠を疑う兆候がみられたとき
-
性交痛又は性交後出血があったとき
-
異常な帯下、外陰部そう痒等があったとき
-
発熱を伴う下腹部痛があったとき
-
持続性又は急性の腹部膨満感や下腹部痛(圧痛)があったとき
-
性交時にパートナーが除去糸に触れ、陰茎痛を訴えたとき
-
その他、異常を自覚した場合
-
8.8子宮穿孔の可能性が考えられたときには、本剤を除去すること。
-
8.9本剤の効果は主に子宮内膜への局所作用に基づくものであり、通常排卵周期があるが、卵胞閉鎖が遅れ、卵胞形成が継続することがある。超音波検査時に卵巣のう胞が観察された場合は、経過観察を行うこと。ほとんどは無症状であるが、骨盤痛又は性交痛を伴う場合もある。また、通常2~3ヵ月の観察期間中に消失するが、まれに、大きくなりすぎた卵巣のう胞の切除や卵巣のう胞破裂に伴う出血の処置等を必要とする場合がある。 使用者に経過観察のため来院の必要性を説明し、持続性又は急性の腹部膨満感や下腹部痛(圧痛)が起こった場合は、速やかに受診するよう指導すること。
-
8.10装着・除去に関しては次のような点に注意すること。
-
8.10.1装着の時期
-
(1)妊娠初期における装着を防止するため月経開始後7日以内に装着すること。妊娠初期の流産又は妊娠初期の人工妊娠中絶の場合は直後に装着してもよい。本剤使用者が新しいものを装着しなおす場合は、月経周期のいつでも装着が可能である。
-
(2)分娩後の装着は穿孔や脱出の可能性が高くなるので、子宮の回復(6週間以上)を待つこと。また、授乳中の女性の子宮は穿孔のリスクが高くなるので注意すること。
-
(3)骨盤内手術(帝王切開術、子宮筋腫核出術等)後の女性では、術部の回復を確認してから装着すること。
-
8.10.2装着時の注意
-
(1)本剤はエチレンオキサイドガス滅菌済みである。無菌的に包装を開封して装着すること。本剤のヒートシール包装が開封前に破損していないことを確認すること。
-
(2)装着前に子宮頸管及び子宮腔の屈曲方向と長さを測定すること。子宮腔長が比較的短い女性では挿入が困難な場合がある。
-
(3)脱出を防ぎ、効果を確実に発揮させるために、本剤を正しい位置に装着すること。
-
(4)本剤装着時に痛みと出血を伴うことがある。迷走神経反射として、失神、徐脈、またてんかんの患者は発作を起こす可能性があるので注意すること。
-
8.10.3装着後の管理
-
(1)自然脱出
自然脱出の可能性があることを説明し、脱出に気付いたら速やかに受診するよう指導すること。子宮腔長が比較的短い女性では脱出のリスクが高くなる。部分脱出の場合でも、効果が低下するおそれがある。部分脱出あるいは完全脱出の兆候として出血及び疼痛があらわれることがあるが、使用者が気付かないうちに脱出することもありうる。正しい位置にない場合は、除去して、新たな本剤を装着すること。なお、使用者自身が除去糸を確認することで脱出の有無を確かめることができる。
- (2)位置の確認
定期検診時に本剤の位置を確認すること。また、除去糸が見つからない場合は穿孔若しくは脱出の可能性も考えられるので、本剤の位置を確認すること。本剤の位置は超音波検査によって確認できるが、妊娠していないことが確認されれば単純レントゲン撮影も可能である。
-
(3)装着後数日間は、出血、下腹部痛、腰痛、帯下等の症状があらわれることがある。これらの症状が継続する場合やひどい場合は受診するよう指導すること。
-
8.10.4除去に関する注意
-
(1)除去の時期
月経期間以外に除去し、その後新たな本剤又はIUDを装着しない場合、除去前1週間以内に性交渉があれば妊娠する可能性がある。除去後妊娠を望まない場合は月経期間中に除去すること。
- (2)除去時の注意
-
本剤除去時に痛みと出血を伴うことがある。迷走神経反射として、失神、徐脈、またてんかんの患者は発作を起こす可能性があるので注意すること。なお、除去後約1週間以内に消退出血が起こることがある。
-
**本剤が破損する可能性があるので、除去時に本剤を強く引っ張らないこと。円筒部がずれて水平アーム部を包み込んだ例や円筒部が子宮内に残された例が報告されているので、除去後に本剤の外形の異常又は欠損がないかを確認すること。
-
〈月経困難症〉
- 8.11器質的疾患を伴う月経困難症患者に対する本剤の使用にあたっては、器質的疾患の増悪の有無を確認するため、不正性器出血の発現に注意し、定期的に内診及び超音波検査等による診察を行うこと。本剤装着中に腫瘤が増大するなど器質的疾患の増悪が認められる場合や、臨床症状の改善がみられない場合は、他の治療法も勘案したうえで装着継続の判断を行うこと。特に、子宮内膜症性卵巣のう胞(卵巣チョコレートのう胞)は、頻度は低いものの自然経過において悪性化を示唆する報告があるので、画像診断や腫瘍マーカー等の検査も行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 〈効能共通〉
- 9.1.1先天性心疾患又は心臓弁膜症の患者
本剤を装着又は除去するときは抗生物質を予防的に投与することが望ましい。感染性心内膜炎の危険性がある。
- 9.1.2糖尿病患者
十分コントロールを行うこと。耐糖能が低下することがある。
- 〈避妊〉
- 9.1.3未経産婦
第一選択の避妊法としないこと。IUDにおいて経産婦の装着と比較して脱出、妊娠、出血・疼痛、感染症、迷走神経反射の頻度が高いとの報告がある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝障害の患者
装着しないこと。肝臓への負担が増加し、症状が増悪するおそれがある。
- 9.3.2肝障害のある患者(重篤な肝障害の患者を除く)
肝臓への負担が増加し、症状が増悪するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
徐々に稀発月経が発現し、約20%の女性に無月経がみられる。前回の月経から6週間以内に月経が起こらない場合は妊娠の可能性も考慮すること。
9.5 妊婦
-
9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤を装着しないこと。
-
9.5.2本剤の使用中に妊娠した場合には以下のように適切な処置を行うこと。
-
(1)異所性妊娠の場合
-
(2)子宮内妊娠の場合
-
原則として、本剤を除去すること。使用者には本剤の除去や子宮ゾンデ診は自然流産に至ることがあることを説明すること。
-
黄体ホルモンの局所的曝露による胎児への影響を完全に否定することはできないため、使用者に胎児への影響の危険性について十分に説明した上、妊娠の中断も考慮すること。本剤装着中の妊娠の報告は少ないため、妊娠の転帰に関する報告は限られているが、本剤との関連性を否定できない出生児の外性器異常の報告がある。また、黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係について、いまだ確立されたものではないものの、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。
-
妊娠の継続を希望し、本剤が除去できない場合は、妊娠の経過をよく観察し、十分管理すること。また、使用者には、装着したまま妊娠を継続した場合には、流産(敗血性流産を含む)や早産の危険性が高くなること、黄体ホルモンの胎児への曝露、早産により起こり得る胎児への影響を説明し、インフルエンザ様の症状、発熱を伴う腹部仙痛、出血などの妊娠の合併症を示唆する異常がみられた場合は直ちに受診するよう指導すること。
9.6 授乳婦
-
9.6.1治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
-
9.6.2授乳中の女性には第一選択としないこと。母乳中への移行が報告されている。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 |
| ざ瘡 | 頻度不明 |
| じん麻疹 | 頻度不明 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| フェリチン上昇 | 頻度不明 |
| 乳房痛 | 頻度不明 |
| 乳房緊満 | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 卵巣のう胞 | 5%以上 |
| 卵巣疾患 | 頻度不明 |
| 外陰炎 | 頻度不明 |
| 多毛 | 頻度不明 |
| 子宮頸管炎 | 頻度不明 |
| 性欲減退 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 抑うつ | 頻度不明 |
| 月経中間期出血 | 5%以上 |
| 月経周期異常等)(78.6%) | 5%以上 |
| 月経困難症 | 頻度不明 |
| 月経異常(過長月経 | 5%以上 |
| 末梢性浮腫 | 頻度不明 |
| 本剤の脱出 | 頻度不明 |
| 気分の変化 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 無月経 | 頻度不明 |
| 片頭痛 | 頻度不明 |
| 生殖器モニリア症 | 頻度不明 |
| 生殖器感染症 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白帯下 | 頻度不明 |
| 白血球増多 | 頻度不明 |
| 神経過敏 | 頻度不明 |
| 肝機能異常 | 頻度不明 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 腟炎 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 5%以上 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 血管浮腫 | 頻度不明 |
| 装着・除去時の疼痛・出血 | 頻度不明 |
| 過多月経 | 頻度不明 |
| 除去後の消退出血 | 5%以上 |
| 陰部そう痒 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 骨盤痛 | 頻度不明 |
| 高トリグリセライド血症 | 頻度不明 |
| 鼓腸放屁 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
- 〈避妊〉
- 18.1.1本剤から放出されたレボノルゲストレルは子宮内で局所的なプロゲスチン作用を示し、子宮内膜における高濃度のレボノルゲストレルは子宮腺の萎縮や間質の脱落膜化などの形態変化をもたらす。本剤の避妊効果は主として子宮内膜への局所作用によるが、局所的な異物反応も寄与している。また、レボノルゲストレルは子宮頸管粘液の粘性を高めて精子の通過を阻止し、一部の女性では排卵が抑制される。
- 〈過多月経、月経困難症〉
- 18.1.2子宮内膜への形態学的変化をもたらす作用により、月経血量を減少させるとともに、月経困難症の症状を軽減させると考えられる。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康な日本人女性に本剤を装着したとき、レボノルゲストレルは子宮組織から速やかに吸収され全身血中へ移行し、装着後1年間の血清中濃度は290~360pg/mLであった。本剤除去後は、血清中レボノルゲストレル濃度は速やかに低下し、7日後には血清中に検出されない1)。
16.5 排泄
出産後の女性に装着した試験より、レボノルゲストレルの母体用量の約0.1%が母乳中に排泄されると考えられた(外国人データ)。
16.8 その他
*本剤のレボノルゲストレルの子宮腔への初期放出速度は20μg/日である。なお、1年後には18μg/日、5年後には10μg/日に減少し、5年間の平均放出速度は15μg/日である。