Clinical snapshot

ミリプラ用懸濁用液4mL

ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル

添付文書改訂 2022年04月01日

【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び肝細胞癌に対する局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波熱凝固療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法・肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例にのみ使用すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから実施すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1ミリプラチン、他の白金を含む薬剤又はヨード系薬剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2重篤な甲状腺疾患のある患者

  3. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

ミリプラ動注用70mgの懸濁用

用法・用量

ミリプラチン70mgに対し、本懸濁用液3.5mLを加えて使用する。

使用上の注意

  1. 8.1ミリプラチンを懸濁した液の投与により、発熱がほとんど全例にあらわれ、本剤投与直後及び投与後1週間以降に認められることがあるため、患者の状態を十分に観察し、解熱剤の投与等適切な処置を行うこと。

  2. 8.2ミリプラチンを懸濁した液の投与により、肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3ミリプラチンを懸濁した液の投与時にショック、血圧低下、徐脈等があらわれることがあるので、投与中及び投与直後は経過観察を十分に行うこと。

  4. 8.4ミリプラチンを懸濁した液の投与により、間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1ミリプラチン、他の白金を含む薬剤又はヨード系薬剤に対する過敏症の既往歴のある患者

  2. 9.1.2甲状腺疾患のある患者

本剤はヨード化合物であり、ヨード摂取量の増加により甲状腺障害を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.3血管造影で明らかな肝内シャントがある患者

ミリプラチンを懸濁した液が肝内シャントを介して正常組織に流入し、血管塞栓による重篤な副作用を起こすおそれがある。

  1. 9.1.4血管造影で明らかな門脈腫瘍栓がある患者

門脈血が遮断されているため、ミリプラチンを懸濁した液の投与により投与部位の血流が低下し、肝不全を起こすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1総ビリルビン値が3mg/dL以上の患者又は肝障害度Cの患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。肝不全を起こすことがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ミリプラチンを懸濁した液の投与10~14ヵ月後でも、Cmaxの約17%の血漿中ミリプラチン由来白金濃度が検出された。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で、ミリプラチンを懸濁した液の投与により、ミリプラチン由来白金成分の胎児への移行が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)でミリプラチンを懸濁した液の投与により、ミリプラチン由来白金成分の乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象にした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与量及び投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機能等)が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇(26.5%) 頻度不明
ALT上昇(53.1%) 頻度不明
AST上昇(58.4%) 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
CRP上昇(91.2%) 頻度不明
HbA1c増加 頻度不明
HPT値減少 頻度不明
LAP上昇 頻度不明
LDH増加(49.6%) 頻度不明
NAG上昇(76.1%) 頻度不明
γ-GTP上昇(39.8%) 頻度不明
インスリン分泌能低下 頻度不明
ウロビリン尿(18.6%) 頻度不明
カリウム 頻度不明
カルシウム 頻度不明
クロール等の電解質異常(37.2%) 頻度不明
そう痒 頻度不明
ナトリウム 頻度不明
プロトロンビン時間延長(26.5%) 頻度不明
ヘマトクリット減少 頻度不明
ヘモグロビン減少(11.5%) 頻度不明
ほてり 頻度不明
めまい 頻度不明
リパーゼ増加 頻度不明
リンパ球増多 頻度不明
リンパ球減少(42.5%) 頻度不明
下痢(13.3%) 頻度不明
不眠 頻度不明
乏尿 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感(29.2%) 頻度不明
動悸 頻度不明
単球増多(28.3%) 頻度不明
単球減少 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽頭不快感 頻度不明
唾液腺炎 頻度不明
四肢痛 頻度不明
好中球増多 頻度不明
好中球減少(37.2%) 頻度不明
好塩基球増多(18.6%) 頻度不明
好塩基球減少 頻度不明
好酸球増多(80.5%)注1) 頻度不明
好酸球減少 頻度不明
尿中クレアチニン上昇(31.9%) 頻度不明
尿中クレアチニン減少(28.3%) 頻度不明
尿中蛋白陽性(15.0%) 頻度不明
尿潜血 頻度不明
尿糖陽性 頻度不明
徐脈 頻度不明
心窩部不快感 頻度不明
心電図異常 頻度不明
悪寒(27.4%) 頻度不明
悪心・嘔吐(52.2%) 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
排尿困難 頻度不明
浮腫 頻度不明
湿性咳嗽 頻度不明
潮紅 頻度不明
疼痛(39.8%) 頻度不明
発熱(94.7%)注2) 頻度不明
発疹・湿疹 頻度不明
白血球分画異常 頻度不明
白血球増多(16.8%) 頻度不明
白血球減少(29.2%) 頻度不明
眼瞼出血 頻度不明
糖尿病 頻度不明
紅斑 頻度不明
総蛋白増加(17.7%) 頻度不明
総蛋白減少(26.5%) 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肝性脳症 頻度不明
肩部痛 頻度不明
胃潰瘍 頻度不明
胃炎 頻度不明
胃部不快感 頻度不明
背部痛(10.6%) 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱力感 頻度不明
腎盂腎炎 頻度不明
腹水 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
血中アミラーゼ増加(16.8%) 頻度不明
血中アミラーゼ減少 頻度不明
血中アルブミン減少(37.2%) 頻度不明
血中クレアチニン上昇 頻度不明
血中ビリルビン増加(48.7%) 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血圧低下 頻度不明
血小板増多 頻度不明
血小板減少(37.2%) 頻度不明
血糖上昇(23.9%) 頻度不明
血糖低下 頻度不明
赤血球減少(17.7%) 頻度不明
関節痛 頻度不明
静脈周囲炎 頻度不明
頚部痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
頭部不快感 頻度不明
顎関節症 頻度不明
食欲不振(32.7%) 頻度不明
高アンモニア血症 頻度不明
鼻咽頭炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.2 抗腫瘍作用

ラット肝臓に移植したラット肝癌株AH109A及びヒト肝癌株Li-7に対して、ミリプラチンを懸濁した液は、肝動脈内単回投与により用量依存的な抗腫瘍作用を示した3),4),5)。

薬物動態

16.1 血中濃度

肝細胞癌患者の肝動脈内にミリプラチンを懸濁した液20mg/mL(最大投与液量6mL)を1回又は2回投与したとき、血漿中ミリプラチン由来白金濃度は、1回目投与後(15例)は18~37日に6.3~22ng/mLの、2回目投与後(11例)は7~34日に8.9~54ng/mLのCmaxに達した後、緩やかに減少し、投与12~15週後、投与6~8ヵ月後、投与10~14ヵ月後に、それぞれCmaxの47.3±12.5%(13例、平均値±標準偏差)、31.0±6.4%(8例)、17.1±3.7%(5例)が検出された1)。

16.3 分布

肝細胞癌患者2例の肝動脈内にミリプラチンを懸濁した液20mg/mLを2回(1例は総投与量60mg1)、他の1例は200mg)投与したとき、肝臓中にミリプラチン由来白金が高濃度で検出され、非腫瘍部位よりも腫瘍部位がより高濃度であった。

症例 総投与量
(1回目、2回目)
2回目投与後日数 試料 総白金濃度(ng/g tissue)
腫瘍部位 非腫瘍部位
1 60mg
(40mg、20mg)
3ヵ月 250,000 29,000
2 200mg
(100mg、100mg)
172日 試料1 62,000 22,000
試料2 260,000 67,000

16.4 代謝

ヒト凍結肝細胞で、肝細胞癌患者における血漿中ミリプラチン由来白金濃度の最大値(54ng/mL)の14倍の曝露レベルにおいても、ミリプラチンを懸濁した液はCYP3A4活性に影響を及ぼさなかった(in vitro)。