Clinical snapshot

ミノサイクリン塩酸塩顆粒2%「サワイ」

ミノサイクリン塩酸塩

添付文書改訂 2023年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

テトラサイクリン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

ミノサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、炭疽菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

  • 〈適応症〉

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、感染性口内炎、猩紅熱、炭疽、つつが虫病、オウム病

用法・用量

通常、小児には体重1kgあたり、本剤0.1~0.2g[ミノサイクリン塩酸塩として2~4mg(力価)]を1日量として、12あるいは24時間ごとに粉末のまま経口投与する。 なお、患者の年齢、症状などに応じて適宜増減する。 本剤は、用時水を加えてシロップ状にして用いることもできる。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2めまい感があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。

  3. 8.3自己免疫性肝炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  4. 8.4血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  5. 8.5急性腎障害、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている2)。

9.7 小児等

他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがある。

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  • 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。

  • ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ランタン又は鉄剤 本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがある。
両剤の服用間隔を2~4時間とすること。
本剤と二価又は三価の金属イオンが消化管内で難溶性のキレートを形成して、本剤の吸収を阻害する。
抗凝血剤
• ワルファリンカリウム等
血漿プロトロンビン活性を抑制することがある。 本剤による腸内細菌の減少が、ビタミンK合成を阻害し、抗凝血剤の作用を増強するほか、本剤がカルシウムイオンとキレート結合し、血漿プロトロンビン活性を抑制すると考えられている。
スルホニル尿素系血糖降下薬
• グリクロピラミド
グリベンクラミド
グリメピリド等
血糖降下作用が増強することがある。 機序は不明であるが、スルホニル尿素系薬剤の血糖降下作用がオキシテトラサイクリン及びドキシサイクリンによって増強されるという報告がある。
メトトレキサート メトトレキサートの作用が増強されることがある。 本剤は血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの作用を増強させることが考えられる。
ポルフィマーナトリウム 光線過敏症を起こすおそれがある。
直射日光、集中光等を避けること。
皮膚の光感受性を高める薬剤との併用により、本剤による光線過敏症が増強されることが考えられる。
ジゴキシン 本剤がジゴキシンの作用を増強し、中毒症状が発現することがある。
併用時はジゴキシンの中毒症状に注意すること。
本剤による腸内細菌の減少のため、腸内細菌によるジゴキシンの代謝が不活性化され、ジゴキシンの血中濃度が上昇すると考えられる。
黄体・卵胞ホルモン配合剤
• 経口避妊剤
黄体・卵胞ホルモン配合剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 本剤による腸内細菌の減少のため、黄体・卵胞ホルモン配合剤の腸肝循環による再吸収が抑制されると考えられる。
外用剤を除くビタミンA製剤、レチノイド製剤
• ビタミンA
レチノールパルミチン酸エステル
エトレチナート
トレチノイン
頭蓋内圧上昇があらわれることがある。 本剤及びこれらの薬剤はそれぞれ頭蓋内圧上昇を起こすことがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALTの上昇等肝機能検査値異常 頻度不明
AST 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
うっ血乳頭 頻度不明
しびれ感 頻度不明
ビタミンB群欠乏症状(舌炎 頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 頻度不明
めまい感 頻度不明
下痢 1%未満
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
出血傾向等) 頻度不明
口内炎 頻度不明
口内炎 1%未満
味覚異常 頻度不明
嘔吐 1%未満
大泉門膨隆等) 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
急性熱性好中球性皮膚症 頻度不明
悪心 頻度不明
歯牙着色 頻度不明
浮腫(四肢 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
神経炎等) 頻度不明
耳鳴 頻度不明
聴覚障害 頻度不明
肛門周囲炎 頻度不明
胃腸障害 頻度不明
腹痛 1%未満
舌変色 頻度不明
舌炎 1%未満
色素沈着(皮膚・爪・粘膜)a) 頻度不明
菌交代症に基づく新しい感染症 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
複視 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
頭蓋内圧上昇に伴う症状(嘔吐 頻度不明
顔面) 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細菌の蛋白合成系において、aminoacyl t-RNAがm-RNA・リボゾーム複合物と結合するのを妨げ、蛋白合成を阻止させることにより抗菌作用を発揮する。また、本剤は動物のリボゾームには作用せず、細菌のリボゾームの30Sサブユニットに特異的に作用することから、選択毒性を有すると報告されている5)。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1ブドウ球菌属、溶血性レンサ球菌、肺炎球菌などのグラム陽性菌及び大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属などのグラム陰性菌に対して広範な抗菌作用を示す6),9),7),8)(in vitro)。

  2. 18.2.2多剤耐性ブドウ球菌に強い抗菌力を示す10)(in vitro)。 また、テトラサイクリン耐性ブドウ球菌による実験的感染症に対して、優れた治療効果が認められている11)(マウス)。

  3. 18.2.3クラミジア属(クラミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ)に強い抗菌力を示す12),13),14)(in vitro)。

  4. 18.2.4リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)に強い抗菌力を示す15)(in vitro)。

  5. 18.2.5炭疽菌に強い抗菌力を示す16)(in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1ミノサイクリン塩酸塩顆粒2%を4~11歳の小児4例に、ミノサイクリン塩酸塩として4mg/kg、空腹時単回経口投与したときの平均血中濃度は、投与3時間後に最高血中濃度2.3μg/mLを示す。また、投与12時間後の平均血中濃度は1.0μg/mLである3)。

  2. 16.1.2生物学的同等性試験

ミノサイクリン塩酸塩顆粒2%「サワイ」とミノマイシン顆粒2%を健康成人男子にそれぞれ5g[ミノサイクリン塩酸塩として100mg(力価)]空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血清中ミノサイクリン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)。

Cmax
[μg(力価)/mL]
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-24hr
[μg(力価)・hr/mL]
ミノサイクリン塩酸塩顆粒2%「サワイ」 1.14±0.32 0.9±0.2 10.7±2.2 10.94±2.96
ミノマイシン顆粒2% 1.10±0.36 1.1±0.5 10.6±1.1 11.06±3.27

(Mean±S.D.)

血清中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.5 排泄

ミノサイクリン塩酸塩顆粒2%を4~11歳の小児4例に、ミノサイクリン塩酸塩として4mg/kg、空腹時単回経口投与したときの尿中への排泄率は、12時間で11.2%である3)。