本態性低血圧、起立性低血圧
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症の患者は、ノルアドレナリン等と類似の作用を持つ交感神経刺激薬により過度な反応を起こす可能性が知られている。本剤は、薬理学的にこれらの薬剤と同様な反応を起こすおそれがある。]
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2.2*褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者[褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者は、カテコールアミンの過剰放出があり、本剤が病態を悪化させるおそれがある。]
効能・効果
用法・用量
成人にはミドドリン塩酸塩として、通常1日4mgを2回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減する。ただし、重症の場合は1日8mgまで増量できる。 小児にはミドドリン塩酸塩として、通常1日4mgを2回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高量は6mgとする。
使用上の注意
外国において、神経原性起立性低血圧に対する二重盲検試験が実施された。臥位血圧が過度に上昇した症例が報告されているので注意すること。動悸、頭痛などの症状は臥位血圧の上昇による場合が考えられる。臥位血圧の上昇は本剤の減量、または頭部を高くして寝ることで調節できるが、臥位高血圧が続く場合には投与を中止すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1重篤な心臓障害のある患者
本剤は静脈還流量増加作用を介した心臓への作用を有しているため、静脈還流を治療上抑制している患者等に投与する場合、病態を悪化させるおそれがある。
- 9.1.2重篤な血管障害のある患者
閉塞性動脈硬化症等の重篤な血管狭窄のある患者に投与する場合、病態を悪化させるおそれがある。
- 9.1.3高血圧の患者
基礎疾患として高血圧がある起立性低血圧患者に使用する場合、過度の血圧上昇が起こるおそれがある。
- 9.1.4前立腺肥大に伴う排尿困難のある患者
本剤が膀胱頸部のα受容体に作用するため、排尿困難を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者
投与間隔をあけて使用すること。消失半減期の延長により血中濃度が持続する。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットで胎児への移行、吸収胚の増加、胎児体重低値及び骨化遅延、ウサギで死胚胎児の増加及び骨化遅延が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中へ移行することが報告されている。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ほてり感悪寒倦怠感頻尿発汗亢進肩こり | 1%未満 |
| めまい | 1%未満 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 嘔吐口内炎腹部膨満感便秘 | 1%未満 |
| 悪心腹痛 | 1%未満 |
| 異常感覚排尿困難 | 頻度不明 |
| 発疹立毛感そう痒感蕁麻疹発赤 | 1%未満 |
| 眠気いらいら感 | 1%未満 |
| 肝機能障害ALT上昇AST上昇Al-P上昇 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 高血圧動悸心室性期外収縮 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ミドドリン塩酸塩の血圧上昇作用(ラット、ネコ)、摘出血管平滑筋収縮作用(ウサギ胸部大動脈、イヌ大腿動静脈など)はα1遮断薬で抑制されるが、α2遮断薬ではほとんど抑制されず、またβ受容体刺激作用、β遮断作用はないことから、末梢血管収縮作用は、選択的α1受容体刺激作用に基づくものと考えられた13),14),15)。
18.2 血圧に対する作用(ヒト)
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18.2.1本態性低血圧、起立性低血圧患者への1回2mg1日2回~1回2mg1日3回の2~4週間投与において、坐位、臥位、立位後1分の血圧を有意に上昇させた16)。
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18.2.2本態性低血圧、起立性低血圧患者への1回2mgを1日2回の1週間投与において、起立時の血圧低下を有意に抑制した17)。
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18.2.3健康成人男性への1回4mgを1日2回の1週間投与において、血圧に影響を及ぼさなかった2)。
18.3 血圧に対する作用(動物)
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18.3.1血圧上昇作用
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(1)イヌ、サルにおいて、骨格筋、消化管血管床の末梢血管を収縮させることにより総末梢血管抵抗を増大させて血圧を上昇させた13),18),19)。イヌにおいて、ミドドリン塩酸塩の血圧上昇作用は心臓作用によるものではないと考えられた14)。
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(2)イヌにおいて、経口投与における血圧上昇作用の発現は緩徐であり、作用時間は長かった13)。
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18.3.2起立性低血圧モデルに対する作用
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(1)ウサギにおいて、両側迷走神経、頸動脈洞神経、減圧神経を切断し、さらにhead-up 30°体軸変換させることで誘発した血圧の低下を抑制した20)。
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(2)イヌにおいて、ヘキサメトニウム投与後にhead-up 30°体軸変換させることで誘発した血圧、大脳組織血流量、心拍出量などの低下を抑制した21)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人12名にミドドリン塩酸塩として2mgを空腹時単回経口投与したときの血清中未変化体及び脱グリシン体(活性本体)の薬物動態パラメータの平均値は以下のとおりであった1)。
| Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC0-24 (ng・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|
| ミドドリン塩酸塩 (未変化体) |
2.8 | 1.1 | 1.0 | 5.2 |
| 脱グリシン体 (活性本体) |
5.3 | 1.5 | 2.4 | 19.1 |
2mgを空腹時単回経口投与すると、血清中未変化体濃度は投与後1.1時間で最高に達し、その後は急激に低下して4時間以降はほとんど検出されなかった。 一方、活性本体の濃度は1.5時間で最高に達し、最高血清中濃度は未変化体濃度を大きく上回り、その後は半減期2.4時間で減衰した。
- 16.1.2反復投与
健康成人6名にミドドリン塩酸塩として1回2mgを1日2回、1回4mgを1日2回で7日間反復経口投与時の血清中濃度は単回投与時と比較して差は認められず、蓄積性はないものと考えられた1),2)。
- 16.1.3生物学的同等性試験
ミドドリン塩酸塩錠2mg「JG」とメトリジン錠2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ミドドリン塩酸塩として2mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0-8 (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
|
| ミドドリン塩酸塩錠2mg「JG」 | 12.2±2.4 | 10.7±3.4 | 0.7±0.3 | 0.8±0.3 |
| メトリジン錠2mg | 12.7±3.5 | 11.4±2.4 | 0.7±0.3 | 0.6±0.2 |
(Mean±S.D.,n=14)
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1プロドラッグ化によるバイオアベイラビリティの改善
健康成人にミドドリン塩酸塩(2mg)と等モルの活性本体の塩酸塩(1.6mg)を単回経口投与し、活性本体のAUCを比較すると、AUCは直接活性本体の塩酸塩を投与した時よりミドドリン塩酸塩投与時の方が有意に高く、プロドラッグ化によるバイオアベイラビリティの改善が示された4)。
- 16.2.2食事の影響
健康成人にミドドリン塩酸塩として2mgを食後又は空腹時に単回経口投与したところ、未変化体及び活性本体の体内動態は食事による影響を受けなかった5)。
16.3 分布
ヒト血清蛋白結合率は未変化体では24~31%、活性本体では27~28%であった(in vitro)6)。
16.4 代謝
健康成人にミドドリン塩酸塩として4mgを単回経口投与後1~2時間の血清中代謝物は活性本体が67%、未変化体が28%であった。投与後8時間までの尿中代謝物は活性本体のO-脱メチル・酸化的脱アミノ体及びその抱合体が35%と最も多く、ついで活性本体が21%であった4)。
16.5 排泄
- 16.5.1尿中排泄
健康成人にミドドリン塩酸塩として2mgを空腹時単回経口投与すると、尿中排泄は投与後24時間までにほぼ終了した1)。 また1回2mgを1日2回、1回4mgを1日2回での7日間反復経口投与時の尿中排泄率は単回投与時と比較して差は認められなかった1),2)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1小児における尿中排泄
起立性低血圧の小児患者にミドドリン塩酸塩として2mgを単回経口投与したところ、未変化体、活性本体の尿中排泄は成人とほぼ同様であった7)。