Clinical snapshot

ミチーガ皮下注用60mgシリンジ

ネモリズマブ(遺伝子組換え)注射剤

添付文書改訂 2025年11月01日

【警告】

本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法・用量

通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回60mgを4週間の間隔で皮下投与する。

使用上の注意

  1. 8.1以下の点について患者に説明し、理解したことを確認したうえで投与すること。
  • 本剤はそう痒を治療する薬剤であることから、アトピー性皮膚炎に対する治療を継続すること。

  • そう痒が改善した場合もアトピー性皮膚炎に対する治療を怠らないこと。

  1. 8.2本剤投与中の患者に生ワクチンを接種する場合は、患者の状態を慎重に確認し、十分な注意を払うこと。

  2. 8.3本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督の下投与を行うこと。 自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下実施すること。 自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理の下慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。 使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1長期ステロイド内服療法を受けている患者

本剤投与開始後に経口ステロイド剤を急に中止しないこと。経口ステロイド剤の減量が必要な場合には、医師の管理の下徐々に行うこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(カニクイザル)において本剤の胎盤通過性を示唆する報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(カニクイザル)において本剤の乳汁移行がわずかに認められている。

9.7 小児等

13歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アトピー性皮膚炎(18.5%) 5%以上
アレルギー性結膜炎 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
上気道炎 5%以上
下痢 頻度不明
丘疹 頻度不明
中毒疹 頻度不明
二次感染等)(18.8%) 5%以上
倦怠感 頻度不明
咳嗽 頻度不明
回転性めまい 頻度不明
好酸球増加 頻度不明
尋常性疣贅 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
注射部位反応(内出血 頻度不明
湿疹 頻度不明
発熱 頻度不明
皮膚感染症(ヘルペス感染 5%以上
皮膚炎 頻度不明
紅斑 頻度不明
紅斑 頻度不明
結膜炎 頻度不明
肝機能検査値異常 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
脱毛症 頻度不明
腫脹等) 頻度不明
腹痛 頻度不明
膿痂疹 5%以上
自家感作性皮膚炎 頻度不明
落屑 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蜂巣炎 5%以上
血中CPK増加 頻度不明
血清TARC上昇 頻度不明
貨幣状湿疹 頻度不明
頭痛 頻度不明
高尿酸血症 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ネモリズマブは、ヒト化抗ヒトIL-31受容体A(IL-31RA)モノクローナル抗体であり、IL-31と競合的にIL-31RAに結合することにより、IL-31の受容体への結合及びそれに続く細胞内へのシグナル伝達を阻害する4)。

18.2 IL-31結合阻害作用

ネモリズマブは、可溶型IL-31RAに高い親和性で結合し、IL-31RAを発現させた組換え細胞へのIL-31の結合を濃度依存的に阻害した4)(in vitro)。

18.3 そう痒抑制作用

カニクイザルIL-31で全身性のそう痒を誘発させたカニクイザルモデルにおいて、ネモリズマブはそう痒抑制効果を示した4)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性を対象にネモリズマブを0.003~3mg/kg(各群6例)単回皮下投与したとき注4)の血清中ネモリズマブ濃度推移は次のとおりであった。なお、0.003及び0.01mg/kg群はすべて定量下限値未満(<0.1μg/mL)であった1)。

図 単回投与時の血清中濃度推移

また、0.03~3mg/kgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった1)。

投与量
(mg/kg)
Cmax
(μg/mL)
AUCinf
(μg・day/mL)
tmax
(day)
CL/F
(mL/day)
Vz/F
(mL)
t1/2
(day)
0.03 0.315
(0.0352)
7.01
(1.20)
6.50
(4.00 - 11.0)
274
(35.1)
4960
(1150)
12.7
(3.38)
0.1 0.782
(0.143)
19.7
(5.16)
7.00
(6.00 - 10.0)
331
(122)
6510
(1620)
14.5
(4.22)
0.3 2.33
(0.486)
75.7
(12.0)
10.0
(4.00 - 10.0)
264
(37.3)
5690
(697)
15.1
(1.71)
1 8.82
(1.23)
226
(24.5)
4.00
(4.00 - 7.00)
269
(47.7)
5840
(842)
15.2
(1.81)
3 23.9
(3.40)
634
(199)
5.00
(4.00 - 6.00)
319
(75.9)
7250
(1200)
16.4
(3.92)

平均(標準偏差)、tmaxは中央値(範囲)、n=5-6

  1. 16.1.2反復投与

既存治療を実施したにもかかわらず中等度以上のそう痒を有するアトピー性皮膚炎患者143例にネモリズマブ60mgを4週間隔で反復皮下投与したときの初回投与後の薬物動態パラメータは次のとおりであった。

Cmax
(μg/mL)
tmax
(day)
AUClast
(μg・day/mL)
5.74
(1.79)
7.0
(5 - 28)
103.57
(31.48)

平均(標準偏差)、tmaxは中央値(範囲)

血清中ネモリズマブ濃度の平均は、投与7日後に最高値に達し、その後は4週後まで緩やかに低下した。血清中トラフ濃度の平均は、16週後及び32週後で、3.65μg/mL及び3.77μg/mLであり、投与16週後には定常状態に到達した2)。

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

母集団薬物動態解析の結果、見かけの分布容積の母集団平均は8.44Lであった。

  1. 16.3.2組織移行性

雄性カニクイザルに[125I]ネモリズマブを1mg/kgの用量で単回皮下投与し、全身オートラジオルミノグラフィーにより評価した。放射能濃度は甲状腺を除くと血液で最も高く、血液以外では血液が豊富な組織(肺、肝臓、腎臓など)で比較的高かった3)。

注4)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回60mgを4週間の間隔で皮下投与する。」である。