Clinical snapshot

ミグシス錠5mg

ロメリジン塩酸塩

添付文書改訂 2023年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2頭蓋内出血又はその疑いのある患者[脳血流増加作用により、症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3脳梗塞急性期の患者[急性期には、病巣部は代謝障害状態にあり、非病巣部の血流増加作用に伴い病巣部の血流低下を起こすおそれがある。]

  4. 2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

片頭痛

用法・用量

通常、成人にはロメリジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝食後及び夕食後あるいは就寝前に経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減するが、1日投与量として20mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与中は症状の経過を十分に観察し、頭痛発作発現の消失・軽減により患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること。なお、症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと。

  2. 8.2眠気等を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1QT延長の疑われる患者(心室性不整脈(torsade de pointes)、QT延長症候群、低カリウム血症、低カルシウム血症等)

  2. 9.1.2パーキンソニズムの患者

類似化合物(塩酸フルナリジン等)で錐体外路症状の発現が報告されており、本剤においても症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3うつ状態又はその既往のある患者

症状が悪化又は再発することがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

本剤は主として肝臓で代謝され、また、胆汁へ排泄されるため、高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で催奇形作用(骨格・外形異常)が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1用量に留意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の臨床試験成績において、高齢者(65歳以上)と非高齢者の副作用発現率はそれぞれ5.6%(21例/372例)、6.8%(41例/600例)であり、差は認められていない。しかし、本剤は主として肝臓で代謝されること及び高齢者では肝臓の生理機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。

  2. 9.8.2観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。類似化合物(塩酸フルナリジン等)では、高齢者で錐体外路症状や抑うつが発現しやすいとの報告がある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧剤 併用により相互の作用を増強するおそれがある。 本剤によってもまた、血圧低下があらわれることがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-Pの上昇 1%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
LDHの上昇 1〜5%未満
γ-GTP 1〜5%未満
ふらつき 1%未満
ほてり感 1%未満
めまい 1%未満
下痢 1%未満
乳頭腫大 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
動悸 頻度不明
口内炎 1%未満
口唇粘膜浮腫 1%未満
口腔粘膜浮腫 1%未満
嘔吐 頻度不明
心窩部痛 1%未満
悪寒 1%未満
悪心 1%未満
排尿障害 1%未満
気分不良 1%未満
浮腫 1%未満
発汗 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1%未満
眠気 1%未満
胃腸障害 1%未満
背部つっぱり感 1%未満
胸痛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部不快感 1%未満
血圧低下 1%未満
軟便 1%未満
頭がボーッとする 1%未満
頭痛 1%未満
頭重 1%未満
頻尿 1%未満
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  • 本剤は脳血管に対して選択的な血管収縮抑制作用を示すカルシウム拮抗薬であり、血管平滑筋及び神経細胞内へのCa2+流入を抑制し、血管収縮抑制作用及びspreading depressionに伴う脳血流量の低下及びc-fosの発現を抑制すると考えられる。

  • モルモット大脳皮質膜標品のCa2+チャネルへの3H-ニトレンジビン特異的結合を阻害した12)。

  • イヌの摘出脳動脈標本へのKCl誘発45Ca流入13)、ラット褐色細胞腫PC12細胞におけるCa2+の内向き電流を抑制した14)。

18.2 脳血流増加作用

イヌ摘出脳動脈において高濃度K+及びセロトニンによる収縮を抑制し、麻酔イヌの脳血流量を増加した。これらの作用は末梢血管よりも脳血管に対して選択的であった15),16)。

18.3 Spreading depressionに対する作用

ラットにおいてspreading depressionにより誘発される大脳皮質血流量の低下及びc-fos様免疫活性の発現に対して抑制作用を示した。ラット摘出海馬切片の低酸素負荷により誘発されるspreading depressionの発現時間を延長した17),18)。

18.4 神経原性炎症に対する作用

ラットにおいて三叉神経逆行性刺激による眼瞼及び鼻周囲の血管透過性の亢進を抑制したが、ヒスタミン、ブラジキニン及びサブスタンスPの皮内投与による皮膚の血管透過性の亢進には影響しなかった19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健常成人6名にロメリジン塩酸塩10mgを食後に単回経口投与したとき、血漿中ロメリジン濃度は投与4.8時間後に最高値に達し、投与後12時間までの消失半減期は3.4時間であった。なお、空腹時の投与では、食後の投与と比べ最高血漿中濃度到達時間は短縮したが、他の薬動力学的パラメータに影響はみられなかった1),2)。

投与量
(mg)
例数 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
T1/2(-12h)a) AUC0-12h
(ng・h/mL)
10 6 7.7±2.7 4.8±1.3 3.4±0.6 45.5±15.1

a)投与後12時間までの消失半減期

健常成人5名にロメリジン塩酸塩10mgを1日1回14日間反復経口投与したときの血漿中ロメリジン濃度は10日目前後から定常状態に達し、α相及びβ相の消失半減期はそれぞれ3.0時間、108.3時間であった1),2)。

16.2 吸収

14C-ロメリジン塩酸塩を単回経口投与した場合、消化管から速やかにかつ良好に吸収された(ラット、イヌ)3),4)。

16.3 分布

肺、肝臓、脂肪、副腎、膵臓などの組織に高濃度に分布した(ラット)。胎児及び乳汁への移行が認められた(ラット)3),5)。

16.4 代謝

健常成人6名にロメリジン塩酸塩40mg注)を単回経口投与したときの血漿中にはロメリジンのほかに、代謝物として主にトリメトキシベンジル基のO-脱メチル体及びそのグルクロン酸抱合体、ピペラジン環の4位N-脱アルキル化によるベンズヒドリルピペラジン体が認められた6)。 注)本剤の承認最大用量は20mgである。

16.5 排泄

単回投与後5日間で約10%が尿中に、約85%が糞中に排泄された(ラット、イヌ)3),4)。単回投与後48時間までの胆汁中への排泄率は約70%であり、その約80%が消化管から再吸収された(ラット)3)。