- 〈マーカイン注0.125%〉
硬膜外麻酔
- 〈マーカイン注0.25%、0.5%〉
伝達麻酔、硬膜外麻酔
2.2大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある。]
2.3注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
2.4敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
硬膜外麻酔
伝達麻酔、硬膜外麻酔
硬膜外麻酔に用いるが、その麻酔部位、年齢及び全身状態などにより適宜用量を決定する。 一般にブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)成人1回体重1kg当り2mgまでを使用する。
伝達麻酔あるいは硬膜外麻酔に用いるが、その麻酔部位、年齢及び全身状態などにより適宜用量を決定する。 一般にブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)成人1回体重1kg当り2mgまでを使用する。
8.1まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。なお、事前の静脈路確保が望ましい。
8.2本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
8.2.1患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
8.2.2できるだけ薄い濃度のものを用いること。
8.2.3できるだけ必要最少量にとどめること。
8.2.4必要に応じて血管収縮剤の併用を考慮すること。
8.2.5注射の速度はできるだけ遅くすること。
8.2.6注射針が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。
8.2.7前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。
8.3注射針又はカテーテルが適切に位置していない等により、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わないこと。
8.4本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
8.4.1試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
8.4.2麻酔範囲が予期した以上に広がることにより、過度の血圧低下、徐脈、呼吸抑制を来すことがあるので、麻酔範囲に注意すること。
8.5本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
8.5.1血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与すること。
8.6球後麻酔、眼球周囲麻酔施行時は以下の点に留意すること。
8.6.1持続性の眼筋運動障害が発現するおそれがあるので、できるだけ薄い濃度で、必要最少量を用いることとし、外眼筋内への注入は避けること。また、血管収縮剤は障害を悪化させることがあるので、必要な場合にのみ使用すること。
8.6.2視神経鞘内への誤注入により、一過性の失明、心肺停止を起こすことがあるので、注射針はできるだけ短く、先の鈍いものを使用することが望ましい。
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
症状を悪化させることがある。
硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。
やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと。出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと。脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難である。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがある。
患者の全身状態の観察を十分に行うこと。血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。
中毒症状が発現しやすくなる。
中毒症状が発現しやすくなる。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。一般に麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ジゴキシン | ブピバカインによる中毒症状が発現しやすくなる。 | ラットを用いた研究で、ジゴキシンとの併用によりブピバカインの中毒閾値が低下したとの報告がある。 |
| アミド型局所麻酔剤 | 中毒症状が相加的に起こるおそれがある。 | 他の局所麻酔剤との併用で中毒症状が相加的に起こることが考えられる。 |
| クラスⅢ抗不整脈剤 • アミオダロン等 |
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。 | 作用が増強することが考えられる。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| くも膜炎 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 尿閉 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐等 | 頻度不明 |
| 浮腫等 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 眩暈等 | 頻度不明 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹等の皮膚症状 | 頻度不明 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 複視 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
ブピバカイン塩酸塩は長時間作用性の局所麻酔薬であり、神経膜のナトリウムチャネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経及び運動神経を遮断する局所麻酔薬である。
ブピバカイン塩酸塩は、神経ブロックではメピバカイン塩酸塩の2~5倍、硬膜外麻酔では1.5~2倍の作用持続時間を示した9),10),11),12)。
伝達麻酔あるいは硬膜外麻酔による手術及び疼痛管理において、0.25%及び0.5%ブピバカイン塩酸塩の麻酔効果は、それぞれ1%及び2%メピバカイン塩酸塩と同等であった9),10),13)。
手術患者にブピバカイン塩酸塩(ブピバカインとして102mg)を硬膜外投与したとき、血漿中濃度は投与後約20分に最高濃度を示した後、7分(α相)、6時間(β相)の消失半減期で減少した1)(外国人データ)。
| パラメータ | Cmax (mg/L) |
Tmax (min) |
T1/2α (min) |
T1/2β (hr) |
|---|---|---|---|---|
| 平均値±標準偏差(n=6) | 0.73±0.25 | 18±5 | 7.0±4.6 | 6.0±2.4 |
分娩患者にブピバカイン塩酸塩を硬膜外投与後の血漿におけるブピバカイン(濃度:0.1~1.2μg/mL)の蛋白結合率は、約90%であった2)。主な結合蛋白は、α1-酸性糖蛋白と血清アルブミンである3)。
分娩患者にブピバカイン塩酸塩を硬膜外投与したときの臍帯静脈血液中濃度/母体静脈血漿中濃度比は、投与量に依存せずほぼ一定の値を示し、約0.25であった2)。
授乳中の患者の胸膜腔にブピバカイン塩酸塩を持続注入注3)したとき、乳汁中未変化体の最高濃度は血液中最高濃度の約1/8であった4)(外国人データ)。
患者の腕神経叢にブピバカイン塩酸塩を12~23mg/hrの速度で24時間持続注入したとき、血漿中代謝物として、脱ブチル体pipecolyxylidine、4位水酸化体が検出され、未変化体濃度の1/20~1/3であった5)(外国人データ)。
健康男性にブピバカイン塩酸塩を静脈内投与注3)後24時間までの尿中に検出された未変化体は投与量の6%で、脱ブチル体は5%であった6)(外国人データ)。
慢性腎不全患者の鎖骨上部神経叢周辺にブピバカイン塩酸塩(0.5%、30mL)を投与後のCmax及びAUCは、健康人に比べて有意な差を認めなかった7)(外国人データ)。
高齢者にブピバカイン塩酸塩95mgを硬膜外投与したとき、若齢者に比べて終末相半減期は1.3倍に延長し、総クリアランスは減少(40%)した8)(外国人データ)。
注3)本剤の承認された効能又は効果は、伝達麻酔(0.25%・0.5%)・硬膜外麻酔(0.125%・0.25%・0.5%)である。