Clinical snapshot

マニジピン塩酸塩錠10mg「NIG」

マニジピン塩酸塩錠

添付文書改訂 2026年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

高血圧症

用法・用量

通常、成人にはマニジピン塩酸塩として10~20mgを1日1回朝食後に経口投与する。ただし、1日5mgから投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。

使用上の注意

  1. 8.1カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。

  2. 8.2降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

本剤の代謝及び排泄が遅延するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物試験(ラット)で妊娠期間及び分娩時間が延長することが報告されている1),2),3),4)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている5)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

相互作用

  • 本剤は、CYP3A3、CYP3A4、CYP3A5、CYP2C8、CYP2E1によって代謝される(in vitro)。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他の降圧剤 相互に作用を増強するおそれがある。 相加的あるいは相乗的に作用を増強することが考えられている。
ジゴキシン 他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)がジゴキシンの血中濃度を上昇させることが報告されている。 ジゴキシンの排泄が阻害され、血中濃度が上昇することが考えられている。
シメチジン 他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)の作用が増強することが報告されている。 シメチジンがカルシウム拮抗剤の肝での代謝を抑制すること、又は、シメチジンが胃酸分泌を抑制して消化管のpHを上昇させ、カルシウム拮抗剤の吸収を増加させることが考えられている。
リファンピシン 本剤の作用が減弱することがある。 リファンピシンが肝薬物代謝酵素を誘導し、カルシウム拮抗剤の代謝を促進することが考えられている。
グレープフルーツジュース 本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。 グレープフルーツ中の成分が、本剤の肝薬物代謝酵素であるCYP3A4を阻害することが考えられている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN 1〜5%未満
CKの上昇 1〜5%未満
LDH 1〜5%未満
γ-GTP 1〜5%未満
クレアチニンの上昇 1〜5%未満
しびれ感 1〜5%未満
そう痒 1〜5%未満
トリグリセライドの上昇 1〜5%未満
パーキンソン様症状の増悪 頻度不明
ビリルビンの上昇 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 頻度不明
不眠 頻度不明
乳び腹水(腎不全患者に投与した場合) 頻度不明
便秘 1〜5%未満
光線過敏症 頻度不明
全身倦怠感 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
口内炎 頻度不明
口渇 1〜5%未満
味覚異常 1〜5%未満
頻度不明
嘔吐 1〜5%未満
女性化乳房 頻度不明
好酸球増多 1〜5%未満
尿酸 1〜5%未満
息切れ 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
歯肉肥厚 頻度不明
浮腫 1〜5%未満
熱感 1〜5%未満
発汗 頻度不明
発疹 1〜5%未満
眠気 頻度不明
立ちくらみ 1〜5%未満
筋痙攣 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
結膜充血 頻度不明
肩こり 頻度不明
胃部不快感 1〜5%未満
胸やけ 頻度不明
胸部痛 頻度不明
脱力感 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
血清カリウム低下 1〜5%未満
血清総コレステロール 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
頭重感 1〜5%未満
頻尿 1〜5%未満
頻脈 1〜5%未満
顔のほてり 1〜5%未満
顔面潮紅 1〜5%未満
顕性化 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

マニジピン塩酸塩の降圧作用は、主として血管平滑筋における膜電位依存性カルシウムチャネルに作用してCa2+流入を抑制して、血管平滑筋を弛緩し、血管を拡張することによりもたらされると考えられる。

  1. 18.1.1リセプターに対する結合性

ラット心筋膜標本において[3H]-ニトレンジピンのリセプターへの結合を著明に抑制し、その抑制作用は標本洗浄後も持続している16)(in vitro)。 このことから膜電位依存性カルシウムチャネルのリセプターに高い結合性を有するものと推定される。

  1. 18.1.2カルシウム拮抗作用

家兎肺動脈標本においてカルシウムイオン電流に対する選択的かつ持続性の抑制作用を示し、また、家兎大動脈標本における45Ca2+の細胞内への流入を抑制する17),18)(in vitro)。このことからカルシウムチャネルをブロックする作用を有することが示唆される。

  1. 18.1.3心臓及び血管に対する作用

高血圧症患者(成人)における心血行動態に対し、総末梢血管抵抗のみを有意に減少させており、これが主要な降圧機序と考えられ、一方、心機能には殆ど影響を及ぼしていない19)。

18.2 降圧作用

  1. 18.2.1高血圧症患者(成人)における血圧日内変動試験で、1日1回の経口投与によりいずれの測定時点でも有意な血圧低下が認められており、終日安定した降圧効果が得られることが示されている20)。

  2. 18.2.2高血圧症患者(成人)における24時間血圧モニター試験で、1日1回の経口投与により24時間持続する降圧効果が認められているが、夜間の降圧度は小さい21)。

18.3 腎血行動態に対する作用

高血圧症患者(成人)における腎循環に対し、腎血管抵抗を減少させ、腎灌流圧の低下にもかかわらず腎血流量及び糸球体濾過値を軽度ながら有意に増加させる22)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

腎機能正常の本態性高血圧症患者(7例)に1回20mgを朝食後に経口投与した場合、血中にはマニジピン塩酸塩の未変化体及び非活性の代謝物が検出される。未変化体の血中濃度は図のとおりである6)。

  1. 16.1.2生物学的同等性試験
  • 〈マニジピン塩酸塩錠5mg「NIG」〉
  1. (1)マニジピン塩酸塩錠5mg「NIG」とカルスロット錠5を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(マニジピン塩酸塩として10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
投与量
(mg)
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
マニジピン塩酸塩錠5mg「NIG」 10 13.02
±1.54
3.15
±1.14
2.2±0.5 4.92±2.30
カルスロット錠5 10 12.85
±1.55
3.00
±0.59
2.1±0.2 4.28±1.08

(平均±標準偏差、n=20)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈マニジピン塩酸塩錠10mg「NIG」〉
  1. (2)マニジピン塩酸塩錠10mg「NIG」とカルスロット錠10を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(マニジピン塩酸塩として20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
投与量
(mg)
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
マニジピン塩酸塩錠10mg「NIG」 20 35.08
±14.56
6.94
±2.90
1.9±1.1 7.31±2.54
カルスロット錠10 20 30.77
±10.61
6.66
±2.66
1.5±0.5 7.30±2.77

(平均±標準偏差、n=30)

血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈マニジピン塩酸塩錠20mg「NIG」〉
  1. (3)マニジピン塩酸塩錠20mg「NIG」とカルスロット錠20を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(マニジピン塩酸塩として20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
投与量
(mg)
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
マニジピン塩酸塩錠20mg「NIG」 20 30.11
±17.96
5.43
±3.53
1.6±0.8 8.06±2.06
カルスロット錠20 20 34.60
±32.91
5.78
±3.66
1.7±1.0 7.62±1.74

(平均±標準偏差、n=40)

血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.5 排泄

腎機能正常の本態性高血圧症患者(14例)及び腎機能障害患者(10例)に1日1回20mgを朝食後に8日間反復経口投与した場合、尿中にはマニジピン塩酸塩の未変化体は検出されず、すべて代謝物であり、投与後24時間までのピリジン骨格を有する代謝物の尿中排泄率は合計で2~5%である8),9)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害患者10例に1日1回20mgを朝食後に8日間反復経口投与した場合においても、血中濃度推移は腎機能正常の本態性高血圧患者の場合とほぼ同様である8)。