維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症
マキサカルシトール静注透析用2.5μg「トーワ」
マキサカルシトール製剤
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、透析終了直前にマキサカルシトールとして、1回2.5~10μgを週3回、透析回路静脈側に注入(静注)する。なお、血清副甲状腺ホルモン(PTH)の改善効果が得られない場合は、高カルシウム血症の発現等に注意しながら、1回20μgを上限に慎重に漸増する。
使用上の注意
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8.1本剤は従来の経口活性型ビタミンD剤により効果が十分に得られない症例に対して経口活性型ビタミンD剤から切り換えて投与すること。また、本剤により改善、維持された場合には、経口活性型ビタミンD剤への切り換えも考慮すること。
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8.2本剤の投与量については、血清PTHレベル、血清カルシウム及び無機リン値に注意しながら、減量・休薬を考慮すること。
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8.3本剤は血清カルシウム上昇作用を有するので、本剤投与中、血清カルシウム値を定期的(少なくとも2週に1回)に測定し、血清カルシウム値が11.5mg/dL(5.75mEq/L)を超えないよう投与量を調節し、超えた場合には投与を中止(休薬)すること。 また、目安として血清カルシウム値が11.0mg/dLを超えたときには、さらに測定頻度を高くし(週に1回以上)、減量あるいは中止すること。投与の再開については、血清カルシウム値が11.0mg/dL(5.5mEq/L)未満に回復したことを確認した後に投与量を減じて行うことが望ましい。 低アルブミン血症(血清アルブミン量が4.0g/dL未満)の場合には補正値を指標に用いることが望ましい。
補正カルシウム値算出方法: 補正カルシウム値(mg/dL) =血清カルシウム値(mg/dL)-血清アルブミン値(g/dL)+4.0
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8.4慢性腎不全における二次性副甲状腺機能亢進症においては、しばしば高度の高リン血症を呈し、これが増悪因子のひとつとなることがあるので、定期的に血清無機リン値を測定し、そのコントロールを行うこと。
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8.5本剤の長期投与により血清カルシウム値の上昇頻度が高くなることが認められている。これは、本剤の効果により血清PTHの低下に伴って骨代謝が正常化しやすくなることによると考えられる。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1高カルシウム血症の患者
本剤の投与によりさらに血清カルシウムを上昇させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1透析患者
本剤の投与に際しては心電図検査等の観察を十分に行うこと。心疾患の合併がみられることが多く、また、透析時には体外循環及び除水などによる心機能への影響が大きいことなどから、心電図異常を発現しやすい。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。周産期及び授乳期の静脈内投与試験(ラット)で、1.1μg/kg/日投与で出生児に体重増加抑制がみられた。また、分娩後哺乳中のラットに静脈内投与したとき、乳汁中への移行を示唆する報告がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
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9.8.1用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。
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9.8.2本剤を65歳以上の高齢者に投与したとき、副作用発現による投与中止は、96例中12例(12.5%)であり、64歳以下の成人の場合は881例中83例(9.4%)であった。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • アルファカルシドール • カルシトリオール |
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 両剤ともに血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。 |
| • PTH製剤• テリパラチド | 高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 相加作用による。 |
| • ジギタリス製剤• ジゴキシン等 | 不整脈があらわれるおそれがある。 | 本剤により高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強することが考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 頻度不明 |
| ALT上昇 | 1%未満 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| LDH上昇 | 頻度不明 |
| いらいら感 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 不穏 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 四肢不快感 | 頻度不明 |
| 好酸球等) | 頻度不明 |
| 焦躁感 | 1%未満 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球分画異常(リンパ球 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 1%未満 |
| 総蛋白減少 | 1%未満 |
| 胃・腹部不快感 | 1%未満 |
| 胸部X線異常 | 1%未満 |
| 脱毛症 | 1%未満 |
| 興奮 | 1%未満 |
| 血中アルミニウム上昇 | 1%未満 |
| 血中ミオグロビン上昇 | 頻度不明 |
| 血中リン増加 | 頻度不明 |
| 血中尿酸増加 | 1%未満 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 1%未満 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
正常ラット及び腎不全ラットにおいて、マキサカルシトールは副甲状腺pre-proPTH mRNAの発現を抑制した。また、マキサカルシトールは骨芽細胞様細胞に作用してオステオカルシン遺伝子の発現を促進した(in vitro)。15),16),17)
18.2 PTH分泌に対する作用
マキサカルシトールは、正常ウシ副甲状腺細胞及び慢性腎不全に伴う二次性副甲状腺機能亢進症患者由来副甲状腺細胞に対してPTH分泌の抑制を示したが(in vitro)、その効果はカルシトリオールと同程度であった。18) 腎不全モデル動物(5/6腎摘ラット、腎動脈結紮イヌ)において、マキサカルシトールは血清カルシウム値を上昇させない用量でPTH分泌抑制作用を示した。19),20)
18.3 骨に対する作用
柴田腎炎ラットにおいて惹起される二次性副甲状腺機能亢進症を伴う骨病変に対する効果を検討したところ、マキサカルシトールは高代謝回転骨を低下させた。また、イヌ腎不全モデルに認められた骨病変に対して、増加した線維性類骨形成を抑制した。21),22)
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男子各6例における単回静脈内投与時の薬物動態パラメータを示す。1)
| パラメータ | 3.3μg | 6.6μg |
|---|---|---|
| AUCinf(pg・h/mL) | 354±135 | 795±192 |
| t1/2(min) | 108.1±45.9 | 138.7±39.9 |
| CL(mL/h/kg) | 237±70 | 174±50 |
| Vss(mL/kg) | 259±48 | 362±32 |
平均±標準誤差
- 16.1.2反復投与
- 〈健康成人〉
健康成人男子5例にマキサカルシトールとして3.3μgを1日1回、隔日4回注1)反復静脈内投与したところ、初回と4回目投与時で血清中濃度は同様に推移した。1)
注1)承認用法は、週3回、透析回路静脈側に注入(静注)である。
- 〈二次性副甲状腺機能亢進症患者〉
維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症を伴う患者11例に、26週間にわたり透析ごとに1回投与量10~17.5μgの範囲で反復投与したところ、初回に比べ最終投与時でAUCの低下傾向、t1/2の短縮傾向がみられた。また、健康成人に比べ消失は遅延しなかった。2)
16.3 分布
- 16.3.1蛋白結合率
ヒト血漿蛋白への結合率は98.8%以上であった(in vitro)。3)
- 16.3.2胎児移行性
妊娠ラットへ[3H]マキサカルシトールを投与したときの胎児組織中の放射能濃度は母動物の血漿中濃度に比較して低く、胎児組織からの消失は母動物各組織と同様に速やかであった。4)
16.5 排泄
- 16.5.1尿中排泄
健康成人男子6例に6.6μgを単回静脈内投与した時、尿中濃度は定量限界未満であった。1)
- 16.5.2乳汁移行性
分娩後哺乳中のラットへ[3H]マキサカルシトールを投与したとき、乳汁中に放射能が認められた。5)
16.7 薬物相互作用
臨床血中濃度での蛋白結合相互作用試験(in vitro)において、マキサカルシトールと種々の蛋白、結合部位に結合する薬物との間で、互いにヒト血漿蛋白結合率に影響を与えなかった。3) ヒト肝ミクロゾームを用いた薬物代謝阻害試験(in vitro)において、マキサカルシトールは1μmol/LにおいてもP450(CYP1A2, 2A6, 2C9, 2C19, 2D6, 2E1, 3A4)による薬物代謝反応に対して阻害作用を示さなかった。6)