Clinical snapshot

マイロターグ点滴静注用5mg

ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2022年03月01日

【警告】

  1. 1.1臨床試験において本剤に関連したと考えられる死亡例が認められている。本剤の投与は、白血病患者のモニタリングと治療に対応できる十分な設備の整った医療施設及び急性白血病の治療に十分な経験をもつ医師のもとで行うこと。「2.禁忌」、「8.重要な基本的注意」及び「9.特定の背景を有する患者に関する注意」を慎重に考慮し、治療が適切と判断された患者にのみ本剤を投与すること。

  2. 1.2他の抗悪性腫瘍剤との併用下で本剤を使用した場合の安全性は確立していない。本剤は他の抗悪性腫瘍剤と併用しないこと。

  3. 1.3本剤の使用にあたっては、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

  4. 1.4本剤を投与したすべての患者に重篤な骨髄抑制があらわれることがあり、その結果、致命的な感染症及び出血等が惹起されることがあるので、本剤の使用にあたっては、感染症及び出血等に十分に注意すること。また、臨床試験において血小板数の回復が比較的遅延することが認められているので、特に注意すること。

  5. 1.5本剤の投与により、重篤な過敏症(アナフィラキシーを含む)のほか、重症肺障害を含むinfusion reactionがあらわれることがあり、致命的な過敏症及び肺障害も報告されている。ほとんどのinfusion reactionの症状は本剤投与開始後24時間以内に発現している。本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始すること。本剤投与中及び投与終了後4時間はバイタルサインをモニターすること。その後も必要に応じ、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。呼吸困難、臨床的に重大な低血圧、アナフィラキシー、肺水腫又は急性呼吸窮迫症候群があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。末梢血芽球数の多い患者は肺障害及び腫瘍崩壊症候群を発症するリスクが高いと考えられるため、本剤投与前に末梢血白血球数を30,000/μL未満に抑えるよう、白血球除去を考慮すること。

  6. 1.6本剤の投与により重篤な静脈閉塞性肝疾患(VOD)を含む肝障害が報告されている。造血幹細胞移植(HSCT)の施行前又は施行後に本剤を投与する患者及び肝障害のある患者は、VODを発症するリスクが高く、肝不全及びVODによる死亡例が報告されているため、VODを含む肝障害の症状に対して患者を注意深く観察すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

再発又は難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病

用法・用量

通常成人には、ゲムツズマブオゾガマイシン1回量9mg/m2(たん白質量として表記)を2時間かけて点滴静脈内投与する。投与回数は、少なくとも14日間の投与間隔をおいて、2回とする。

使用上の注意

  1. 8.1重篤な過敏症(アナフィラキシーを含む)のほか、重症肺障害を含むinfusion reactionがあらわれることがあるため、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始すること。本剤投与中及び投与終了後4時間はバイタルサインをモニターすること。その後も必要に応じ、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。

  2. 8.2本剤を投与したすべての患者に重篤な骨髄抑制があらわれることがあり、特に血小板数の回復が比較的遅延することが認められているので、頻回に臨床検査(血液検査)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。なお、本剤の使用にあたっては、無菌状態に近い状況下(無菌室、簡易無菌室等)で施行するなど、十分に考慮すること。

  3. 8.3感染症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  4. 8.4出血があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  5. 8.5本剤の投与により重篤な静脈閉塞性肝疾患(VOD)を含む肝障害(急激な体重増加、右上腹部痛、肝脾腫大、腹水、ビリルビン増加、肝機能検査値異常等)があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  6. 8.6腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  7. 8.7腫瘍崩壊症候群(TLS)があらわれることがあるので、血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1感染症を合併している患者

骨髄抑制により感染症が増悪することがある。

  1. 9.1.2肺疾患のある患者

肺障害が増悪することがある。また、重篤な肺障害を発症するリスクが高いと考えられる。

  1. 9.1.3末梢血白血球数が30,000/μL以上の患者

本剤投与前に末梢血白血球数を30,000/μL未満に抑えるよう、白血球除去を考慮すること。末梢血芽球数が多い患者は重篤な過敏症(アナフィラキシーを含む)のほか、重症肺障害を含むinfusion reactionの発現するリスクが高いと考えられる。

  1. 9.1.4造血幹細胞移植(HSCT)の施行前又は施行後に本剤を投与する患者

VODを含む肝障害の発現に注意し、肝機能検査を実施するなど患者の状態を十分に観察すること。VODを発症するリスクが高く、肝不全及びVODによる死亡例が報告されている。なお、海外の第Ⅱ相臨床試験の結果では、本剤投与前にHSCTを施行した患者におけるVOD発症リスク19%(5/27)及び本剤投与後にHSCTを施行した患者におけるVOD発症リスク16%(8/50)は、移植を施行していない患者におけるVOD発症リスク1%(2/200)よりも高かった。また、使用成績調査におけるVODの発現率は5.6%(42/753)であり、本剤投与前にHSCTを施行した患者においては11.6%(15/129)、本剤投与後にHSCTを施行した患者においては5.9%(2/34)、移植を施行していない患者においては3.6%(21/577)であった。

9.2 腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。なお、腎障害患者を対象とする試験は実施されていない。

9.3 肝機能障害患者

VODを含む肝障害の発現に注意し、肝機能検査を実施するなど患者の状態を十分に観察すること。VODを発症するリスクが高く、肝不全及びVODによる死亡例が報告されている。なお、総ビリルビンが2mg/dLを超す患者を対象とする試験は実施されていない。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1*性腺に対する影響を考慮すること。

  2. 9.4.2妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること。

  3. 9.4.3パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)で胎児の外表・内臓・骨格異常、胎児毒性(体重増加抑制、初期死亡胎児数の増加等)及び母体毒性(体重減少、摂餌量の低下)が報告されている。従って、妊婦に投与すると胎児に障害が生じるおそれがある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。なお、ヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

本剤はCYP3A4により代謝される可能性が示唆されているため、CYP3A4により代謝を受ける又は阻害作用を有する薬剤と相互作用を生じる可能性がある。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
副腎皮質ホルモン
• メチルプレドニゾロン等マクロライド系抗生物質
• ジョサマイシンプロピオン酸エステル等ケトライド系抗生物質
• テリスロマイシンストレプトグラミン系抗生物質
• キヌプリスチン・ダルホプリスチン抗真菌剤
• イトラコナゾール等
臨床症状については不明である。 本剤はCYP3A4により代謝される可能性が示唆されているため、これらの薬剤が本剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
BUN減少 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
しびれ(感覚鈍麻) 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
そう痒 頻度不明
ほてり 頻度不明
めまい 頻度不明
メレナ 頻度不明
ラ音 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不整脈(頻脈等) 頻度不明
不正子宮出血 頻度不明
不眠 頻度不明
低アルブミン血症 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低クロール血症 頻度不明
低コレステロール血症 頻度不明
低トリグリセリド血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
低リン酸血症 頻度不明
低蛋白血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
低血糖 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
冷感 頻度不明
凝固線溶系異常 頻度不明
出血) 頻度不明
動悸 頻度不明
口唇炎 頻度不明
口渇 頻度不明
口腔内) 頻度不明
吐血 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸音の変化 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽頭炎 頻度不明
喉頭炎 頻度不明
嗄声 頻度不明
嘔吐(48.9%) 頻度不明
四肢痛 頻度不明
尿酸増加 頻度不明
尿酸減少 頻度不明
心不全 頻度不明
心拍数減少 頻度不明
心筋虚血 頻度不明
心電図異常 頻度不明
悪寒(60.6%) 頻度不明
悪心(59.3%) 頻度不明
感染 頻度不明
抑うつ 頻度不明
投与部位反応(炎症 頻度不明
斑状出血 頻度不明
歯周炎 頻度不明
歯肉出血 頻度不明
毛包炎 頻度不明
浮腫 頻度不明
浮遊感(異常感) 頻度不明
消化不良 頻度不明
点状出血 頻度不明
爪囲炎 頻度不明
疼痛(耳痛 頻度不明
発熱(77.0%) 頻度不明
発疹 頻度不明
皮下出血 頻度不明
筋痛 頻度不明
紫斑 頻度不明
肛門周囲痛) 頻度不明
胃炎 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱力感 頻度不明
腟出血 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
血腫(口唇 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
顔面腫脹 頻度不明
食欲不振 頻度不明
高カリウム血症 頻度不明
高カルシウム血症 頻度不明
高クロール血症 頻度不明
高コレステロール血症 頻度不明
高トリグリセリド血症 頻度不明
高ナトリウム血症 頻度不明
高リン酸塩血症 頻度不明
高血圧 頻度不明
高血糖 頻度不明
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤はヒト化抗CD33抗体hP67.6と抗腫瘍性抗生物質であるカリケアマイシンの誘導体を結合した抗悪性腫瘍薬で、CD33抗原を発現した白血病細胞に結合し細胞内に取り込まれた後に、遊離したカリケアマイシン誘導体が殺細胞活性を発揮して抗腫瘍作用を示す。

18.2 抗腫瘍作用

  1. 18.2.1in vitro試験

CD33陽性のヒト急性前骨髄球性白血病HL‒60細胞に対して、殺細胞活性が認められている。また、CD33を発現しているその他のヒト白血病細胞であるNOMO‒1、NB4、NKM‒1細胞に対しても殺細胞活性が認められている4),5)。

  1. 18.2.2in vivo試験

HL‒60細胞をヌードマウスに皮下移植した異種移植モデルにおいて静脈内投与により抗腫瘍効果を示した。

薬物動態

16.1 血中濃度

CD33陽性の再発又は難治急性骨髄性白血病患者11例に本剤9mg/m2を2時間静脈内持続投与したときの総カリケアマイシン誘導体、非結合カリケアマイシン誘導体及びhP67.6濃度を測定した。血漿中hP67.6濃度推移及びその薬物動態パラメータを以下に示す1)。

投与回数 Cmax
(mg/L)
tmax
(hr)
AUC0〜∞
(mg・hr/L)
t1/2
(hr)
1回目 3.248±1.195 2.02(中央値) 133.4±94.0 51±25
2回目 3.640±0.859 3.02(中央値) 223.1±135.9 59±36

平均±標準偏差(1回目:n=11,2回目:n=6)

16.4 代謝

CD33陽性の初回再発急性骨髄性白血病患者4例について本剤9mg/m2の2時間静脈内持続投与後の尿中代謝物を調査した結果、主要尿中代謝物は不活性なカリケアマイシンの誘導体であった2)(海外データ)。