Clinical snapshot

マイトマイシン注用2mg

マイトマイシンC

添付文書改訂 2023年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解 慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃癌、結腸・直腸癌、肺癌、膵癌、肝癌、子宮頸癌、子宮体癌、乳癌、頭頸部腫瘍

用法・用量

  • 1)間歇投与法

マイトマイシンCとして、通常成人1日4~6mg(力価)を週1~2回静脈内に注射する。

  • 2)連日投与法

マイトマイシンCとして、通常成人1日2mg(力価)を連日静脈内に注射する。

  • 3)大量間歇投与法

マイトマイシンCとして、通常成人1日10~30mg(力価)を1~3週間以上の間隔で静脈内に注射する。

  • 4)他の抗悪性腫瘍剤との併用

マイトマイシンCとして、通常成人1日2~4mg(力価)を週1~2回他の抗悪性腫瘍剤と併用して静脈内に注射する。

  • なお、年齢、症状により適宜増減する。

(注射液の調製法) マイトマイシンC2mg(力価)当り、5mLの割合に日局生理食塩液を加えて溶解する。

使用上の注意

  1. 8.1骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

  2. 8.2感染症、出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄機能抑制のある患者

骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。

  1. 9.1.2感染症を合併している患者

骨髄機能抑制により感染症が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3水痘患者

致命的な全身障害があらわれるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で発育抑制、口蓋裂、矮小尾、小顎症、欠趾症等の催奇形作用が認められている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。

9.7 小児等

副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、特に骨髄機能抑制があらわれやすく遷延化するおそれがあり、また腎障害があらわれやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他の抗悪性腫瘍剤 骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。また、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発現することがある。 副作用が相互に増強される。
放射線照射 骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。 副作用が相互に増強される。
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
• ビンデシン硫酸塩等
息切れ及び気管支痙攣が起こることがある。 作用機序は不明。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 5%以上
口内炎 1〜5%未満
悪心・嘔吐 5%以上
浮腫 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1〜5%未満
肝障害 頻度不明
脱毛 1〜5%未満
腹部不快感 頻度不明
蛋白尿 1〜5%未満
血尿 頻度不明
食欲不振 5%以上
高血圧 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

腫瘍細胞のDNAと結合し、二重鎖DNAへの架橋形成を介してDNAの複製を阻害し抗腫瘍効果を示すと考えられている。なお、DNA合成前期(G1)後半からDNA合成期(S)前半の細胞は本剤に高い感受性を示すことが確認されている8),9)。

18.2 抗腫瘍性

マウス、ラット移植癌にMMC1~2mg/kgを腹腔内投与して検討した実験で、MMCは広い抗癌スペクトラムを示し、Ehrlich carcinoma、Sarcoma 180、Leukemia P388、吉田肉腫等に対して強い抗腫瘍効果を発揮した10),11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

癌患者にマイトマイシンC(MMC)2~30mg/bodyを静脈内投与したときの血中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。

静脈内投与したときの血中濃度推移

投与量 AUC0-∞
(μg/mL・min)
半減期(min)
t1/2α t1/2β
10mg/body 10.0 1.3 32.9
20mg/body 42.8 4.7 41.2
30mg/body 98.9 6.2 50.2
投与量
(mg/m2)
n CL(mL/min/m2) V1
(L/m2)
V2
(L/m2)
6~8 9 314.7 9.0 23.0
10~12 9 320.8 9.6 32.2
15~20 12 355.6 10.1 23.6

16.3 分布

  1. 16.3.1体組織への分布

担癌マウスにMMC 8mg/kgを静脈内投与したとき、5分後の主要組織への分布は肺>皮膚>腎臓>筋肉>心臓>小腸>脾臓>腫瘍>胃>肝臓の順であった1)。

  1. 16.3.2血漿蛋白結合率

血漿蛋白結合率は以下のとおりであった(in vitro、平衡透析法)。

添加濃度(μg/mL) 0.1 1.0 10.0
血漿蛋白結合率(%) 12.8 9.4 8.4

16.4 代謝

主として肝臓で代謝され、還元型(OH体)を経て活性化、若しくは不活性化されると推定されている3)(in vitro)。

16.5 排泄

癌患者にMMC10~30mg/bodyを静脈内投与後4時間までに尿中へ排泄された未変化体は4.3~8.8%であった4)。