Clinical snapshot

ポートラーザ点滴静注液800mg

ネシツムマブ(遺伝子組換え)注射液

添付文書改訂 2023年06月01日

【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌

用法・用量

ゲムシタビン及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはネシツムマブ(遺伝子組換え)として1回800mgをおよそ60分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

低マグネシウム血症があらわれることがあるので、投与開始前、投与中及び投与終了後は血清中電解質(マグネシウム、カルシウム、カリウム及びリン)をモニタリングすること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1血栓塞栓症又はその既往歴のある患者

心筋梗塞、脳血管障害、肺塞栓症等が悪化又は再発するおそれがある。

  1. 9.1.2間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者

間質性肺疾患が悪化又は再発するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。EGFRは着床、胎盤の発生、胚胎児期における正常な器官形成等に重要であることが報告されていることから、妊娠中の女性に対する本剤の投与は、胎児に対して有害な影響を及ぼす可能性がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。

9.7 小児等

小児を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
ざ瘡様皮膚炎 頻度不明
そう痒 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低リン酸血症 頻度不明
体重減少 頻度不明
口内炎 頻度不明
口腔内潰瘍形成 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
味覚異常 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
尿路感染 頻度不明
手掌・足底発赤知覚不全症候群等)(78.5%) 頻度不明
排尿困難 頻度不明
爪囲炎 頻度不明
発熱 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚亀裂 頻度不明
皮膚障害(発疹 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
結膜炎 頻度不明
静脈炎 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ネシツムマブは、EGFRに対する抗体であり、EGFRに結合し、EGFRを介したシグナル伝達を阻害すること等により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられる5) 。

18.2 抗腫瘍効果

ネシツムマブは、ヒト扁平上皮非小細胞肺癌由来NCI-H2170、NCI-H226及びNCI-H520細胞株を皮下移植したマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。また、NCI-H2170及びNCI-H226細胞株を皮下移植したマウスにおいて、ネシツムマブ、ゲムシタビン及びシスプラチンの併用により、ゲムシタビン及びシスプラチンの併用と比較して、腫瘍増殖抑制作用の増強が認められた5) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

日本人進行固形癌患者に本剤600mg又は800mgの週1回投与を2週連続し、3週目は休薬し、これを1コースとして投与を繰り返したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。

図1)ネシツムマブ単回及び反復投与後の血清中濃度(平均及び標準偏差、600mg 1回目及び4回目投与後:例数=3、800mg 1回目投与後:例数=6、800mg 4回目投与後:例数=5)

投与量 投与回数 例数 Cmax
(μg/mL)
Tmax注5)
(h)
AUC0-168
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
600mg 1回目 3 306
(29)
1.57
(1.55-2.60)
23000
(17)
126
(14)
4回目 3 396
(5)
8.67
(2.50-48.7)
38200
(19)
190
(36)
800mg 1回目 6 352
(20)
2.73
(1.70-6.92)
31300
(17)
146
(18)
4回目 5 629
(16)
1.73
(1.22-2.77)
65800
(12)
286
(18)

注5)中央値(最小値-最大値)

16.7 薬物相互作用

外国人における本剤とゲムシタビン及びシスプラチンとの相互作用試験の結果、本剤によるゲムシタビン又はシスプラチンの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった2) 。