胃潰瘍
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはポラプレジンクとして1回75mgを1日2回朝食後及び就寝前に経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行がみられたとの報告がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど患者の状態を観察しながら投与することが望ましい。一般に消化器機能が低下していることがある。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ペニシラミン製剤 | 同時に服用することにより、併用薬剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、同時に服用させないなど注意して投与すること。 | 同時投与した場合、本剤が併用薬剤とキレートを形成し、吸収を低下させる可能性がある。 |
| レボチロキシンナトリウム | 同時に服用することにより、併用薬剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、同時に服用させないなど注意して投与すること。 | 同時投与した場合、本剤が併用薬剤とキレートを形成し、吸収を低下させる可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 1%未満 |
| ALT上昇 | 1%未満 |
| AST上昇 | 1%未満 |
| LDH上昇 | 1%未満 |
| γ-GTP上昇 | 1%未満 |
| そう痒感 | 1%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 1%未満 |
| 嘔気 | 1%未満 |
| 好酸球増多 | 1%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 白血球減少 | 1%未満 |
| 胸やけ | 1%未満 |
| 腹部膨満感 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血小板減少 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ポラプレジンクは、胃粘膜損傷部位に特異的に付着し10)、再生粘膜における増殖細胞の促進、潰瘍部位のヒドロキシプロリン量を増加させ創傷治癒促進作用を示す11),12)。また、内因性プロスタグランジンを介さず、抗酸化作用及び膜安定化作用により直接細胞保護作用を示す13)。
18.2 実験潰瘍に対する作用
ラットにおける急性潰瘍モデルである水浸拘束ストレス潰瘍、塩酸エタノール潰瘍、無水エタノール潰瘍、幽門結紮アスピリン潰瘍、低温拘束ストレス潰瘍、熱傷ストレス潰瘍及び虚血-再血流胃粘膜損傷に対し、抑制効果を示す。また、ラットにおける慢性潰瘍モデルである酢酸潰瘍、鉄-アスコルビン酸潰瘍に対して治癒促進効果を認め、ヒドロコルチゾン負荷酢酸潰瘍に対しても再発・再燃抑制作用を示す14),15),16),17),18),19),20),21)。
18.3 胃粘膜への付着性
潰瘍底及び潰瘍辺縁部粘膜に対する親和性が高く、長時間付着し、潰瘍部位を被覆し、直接保護して治癒促進効果を示す4),10)(ラット)。
18.4 胃粘膜防御能に対する作用
正常ラットの胃粘膜電位差、胃粘膜被覆粘液量及び胃粘膜血流量にはほとんど影響を及ぼさず、アスピリン胃内適応により生ずる胃粘膜電位差の低下、無水エタノール投与による胃粘膜被覆粘液量及び胃粘膜血流量の減少を抑制する14),22),23),24)。
18.5 細胞保護作用
ラットの胃粘膜プロスタグランジンE2量には影響を及ぼさず、内因性プロスタグランジンを介さない細胞保護作用を示す13)(ラット)。
18.6 膜安定化作用
胃粘膜障害によるライソゾーム酵素の遊離及び肥満細胞の脱顆粒を抑制する作用を有する19)(in vitro)。
18.7 フリーラジカルに対する作用
活性酸素の消去作用、多形核白血球からの活性酸素産生抑制作用及び過酸化脂質生成抑制作用を示す25)(in vitro)。また、フリーラジカル反応の関与する虚血-再血流胃粘膜損傷及び鉄-アスコルビン酸潰瘍において過酸化脂質量の増加を抑制する18),21),26)(ラット)。
18.8 創傷治癒促進作用
モルモット皮膚切創モデルにおいて耐創張力、ヒドロキシプロリン量及び血管新生量を増加させ、ラット酢酸潰瘍に対しても、再生粘膜における増殖細胞の促進、潰瘍部位のヒドロキシプロリン量を増加させ、創傷治癒促進作用を示す11),12)。
18.9 生物学的同等性試験
ラット塩酸エタノール胃粘膜損傷モデルを用い、ポラプレジンクOD錠75mg「サワイ」とプロマックD錠75の胃粘膜損傷抑制作用について比較検討した。その結果、両剤ともコントロール群に比して有意な胃粘膜損傷抑制作用を示し、また、両剤間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された27)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与(絶食下)
健康成人男性にポラプレジンク顆粒15% 0.5g又はポラプレジンク口腔内崩壊錠1錠(ポラプレジンクとして75mg)を単回経口投与した結果、血漿中亜鉛濃度より得られた薬物動態パラメータは以下の通りであり、顆粒と口腔内崩壊錠は生物学的に同等であることが確認されている1)。
| 顆粒15% | 口腔内崩壊錠75mg | |
|---|---|---|
| AUC0-12(μg・hr/mL) | 16.85±2.96 | 16.31±2.63 |
| Cmax(μg/mL) | 2.42±0.41 | 2.33±0.38 |
| Tmax(hr) | 1.84±0.50 | 1.47±0.61 |
(平均±S.D., n=19)
| 顆粒15% | 口腔内崩壊錠75mg | |
|---|---|---|
| AUC0-12(μg・hr/mL) | 17.20±2.33 | 16.56±2.29 |
| Cmax(μg/mL) | 2.33±0.28 | 2.19±0.29 |
| Tmax(hr) | 1.95±1.00 | 2.30±1.03 |
(平均±S.D., n=20)
- 16.1.2生物学的同等性試験
ポラプレジンクOD錠75mg「サワイ」とプロマックD錠75を健康成人男子にそれぞれ1錠(ポラプレジンクとして75mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中亜鉛濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
| Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC0-12hr (μg・hr/mL) |
||
|---|---|---|---|---|---|
| 水なし | ポラプレジンクOD錠75mg「サワイ」 | 2.17±0.26 | 2.2±0.7 | 7.7±3.8 | 15.42±1.44 |
| プロマックD錠75 | 2.12±0.21 | 2.2±0.7 | 7.1±1.4 | 15.40±1.31 | |
| 水あり | ポラプレジンクOD錠75mg「サワイ」 | 2.14±0.38 | 1.9±0.7 | 7.3±2.2 | 14.77±1.67 |
| プロマックD錠75 | 2.01±0.23 | 2.0±0.7 | 7.9±2.7 | 14.56±1.46 |
(Mean±S.D., n=20)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人男性6名に朝食後にポラプレジンク顆粒をポラプレジンクとして150mg投与すると、絶食下にポラプレジンク顆粒をポラプレジンクとして150mg投与した際に比べ、Tmaxは延長し、Cmax及びAUCが低下したことから、食事の影響が認められた3)。
16.3 分布
- 16.3.1胃粘膜への分布
ラット酢酸潰瘍においてポラプレジンク3mg/kgを単回経口投与した結果、潰瘍部位の亜鉛濃度は投与後12時間まで投与前値(内因性亜鉛濃度)に比べ高値を示した4)。
16.4 代謝
ポラプレジンクは吸収過程で亜鉛とL-カルノシンに解離し、L-カルノシンはさらにL-ヒスチジン及びβ-アラニンに代謝される。これらアミノ酸及び吸収された亜鉛は、それぞれ内因性の代謝系に従って挙動するものと考えられた3),5),6),7)。
16.5 排泄
- 16.5.1尿中排泄
健康成人男性6名にポラプレジンク顆粒を反復経口投与(1日目:ポラプレジンクとして150mgを朝食後に投与、2~6日目:ポラプレジンクとして150mgを1日3回毎食後投与、7日目:ポラプレジンクとして150mgを朝食絶食下投与)した際の亜鉛の尿中排泄率注1)は、150mg単回投与において、絶食時0.47%であった。また、1回150mg1日3回7日間連続投与において、1日の尿中亜鉛排泄率は、0.21%~0.46%であった3)。
注1)ポラプレジンク非投与時の内因性尿中亜鉛量を差し引いて算出。
- 16.5.2糞中排泄
健康成人男性6名にポラプレジンク顆粒をポラプレジンクとして1回300mg絶食下経口投与による糞中亜鉛の累積排泄率は、投与後24時間までで41.4%、投与後48時間までで58.8%であった3)。ポラプレジンク投与後24時間までの累積において、糞中に排泄された亜鉛量は、投与前の約2倍であったが、亜鉛の吸収率は低いことから、未吸収の亜鉛によるものと考えられる。