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ボトックス注用100単位

A型ボツリヌス毒素

添付文書改訂 2024年06月01日

【警告】

  • 〈効能共通〉
  1. **1.1本剤の有効成分は、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素であるため、使用上の注意を熟読した上で、用法及び用量を厳守し、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、重度の原発性腋窩多汗症、斜視、痙攣性発声障害、過活動膀胱、神経因性膀胱以外には使用しないこと。ミオクローヌス性ジストニーの患者で、本剤による治療中に因果関係を否定できない死亡例の報告がある。
  • 〈眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、重度の原発性腋窩多汗症〉
  1. 1.2講習を受けた医師で、本剤の安全性及び有効性を十分理解し、本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が投与を行うこと。
  • 〈痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、斜視、痙攣性発声障害〉**
  1. 1.3講習を受けた医師で、本剤の安全性及び有効性を十分理解し、高度な解剖学的知識、筋電図測定技術及び本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が投与を行うこと。 本剤による治療中に因果関係を完全に否定できない死亡例の報告がある。痙性斜頸、上肢痙縮、痙攣性発声障害患者では、特に呼吸障害、嚥下障害等頸部関連筋に関する副作用があらわれるおそれがある。
  • 〈過活動膀胱、神経因性膀胱〉
  1. 1.4講習を受けた医師で、本剤の安全性及び有効性を十分理解し、高度な解剖学的知識、膀胱鏡を用いた本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が投与を行うこと。
  • 〈痙性斜頸、痙攣性発声障害〉
  1. 1.5頸部関連筋への投与により、呼吸困難があらわれることがある。嚥下障害から嚥下性肺炎を引き起こし、また、投与部近位への拡散により呼吸機能低下に至ったとする報告がある。
  • 〈眼瞼痙攣〉
  1. 1.61回投与量として100単位を投与し、投与筋以外の遠隔筋に対する影響と考えられる呼吸困難及び筋無力症が発現したという報告がある。
  • 〈神経因性膀胱〉
  1. 1.7自律神経異常反射を来しやすい背景を有する患者には、緊急時に十分対応できる医療施設において、全身麻酔や血圧モニタリングを実施できる環境の下、本剤を投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1全身性の神経筋接合部の障害をもつ患者(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症等)[本剤は筋弛緩作用を有するため、病態を悪化させる可能性がある。]

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 〈痙性斜頸〉
  1. 2.4高度の呼吸機能障害のある患者[本剤の投与により、病態を悪化させる可能性がある。]
  • 〈過活動膀胱、神経因性膀胱〉
  1. 2.5尿路感染症を有する患者及び導尿を日常的に実施していない尿閉を有する患者[本剤の投与により、病態を悪化させる可能性がある。]

効能・効果

**○眼瞼痙攣、○片側顔面痙攣、○痙性斜頸、○上肢痙縮、○下肢痙縮、○重度の原発性腋窩多汗症、○斜視、○痙攣性発声障害、○既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁、○既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない神経因性膀胱による尿失禁

用法・用量

  • 〈眼瞼痙攣〉

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として初回1.25~2.5単位/部位を、1眼あたり眼輪筋6部位の筋肉内に注射する。また、眼輪筋切除術施行後の患者に投与する場合には、筋電計を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。効果は通常3~4ヵ月間持続するが、症状再発の場合には再投与する。ただし、投与間隔は8週以上とすること。また、再投与は初回投与量の2倍までの用量を用いることができるが、本剤の薬理作用である筋麻痺作用が予想以上に強く発現した結果とみられる閉瞼不全、眼瞼下垂等の副作用があらわれた場合には、再投与時の用量を適宜減量すること。 また、1ヵ月間に累積で45単位を超える投与は避けること。

  • 〈注射部位〉

  • 〈片側顔面痙攣〉

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として以下の用量を痙攣筋※に筋肉内注射する。痙攣筋が複数ある場合は、分割して投与する。

  • 初回投与の場合には合計で10単位を投与する。

  • 初回投与後4週間観察し、効果が不十分な場合には、さらに追加で合計20単位を上限として投与することができる。

  • 症状再発の場合には、合計で30単位を上限として再投与することができる。ただし、投与間隔は8週以上とすること。 ※痙攣筋:眼輪筋、皺眉筋、前頭筋、口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋、笑筋、広頸筋、オトガイ筋等

  • 〈痙性斜頸〉

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として以下の用量を緊張筋※に筋肉内注射する。緊張筋が複数ある場合は、分割して投与する。

  • 初回投与の場合には合計で30~60単位を投与する。

  • 初回投与後4週間観察し、効果が不十分な場合には、さらに追加で合計180単位を上限として投与することができる。

  • 症状再発の場合には、合計で240単位を上限として再投与することができる。ただし、投与間隔は8週以上とすること。 ※緊張筋:胸鎖乳突筋、僧帽筋、板状筋、斜角筋、僧帽筋前縁、肩甲挙筋、傍脊柱筋、広頸筋等

  • 〈上肢痙縮〉**

  • 成人

  • 通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計400単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの投与量は最大400単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。

  • 小児

通常、2歳以上の小児にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計3~6単位/kgを分割して筋肉内注射する。1回あたりの投与量は6単位/kgと200単位のいずれも超えないこととし、対象となる緊張筋の種類や数により、必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。 ※緊張筋:上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、母指内転筋等

  • 〈下肢痙縮〉

  • 成人

  • 通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計300単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの投与量は最大300単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。

  • 小児

通常、2歳以上の小児にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計4~8単位/kgを分割して筋肉内注射する。1回あたりの投与量は、一側下肢への投与で8単位/kgと300単位、両下肢への投与で10単位/kgと340単位のいずれも超えないこととし、対象となる緊張筋の種類や数により、必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。 ※緊張筋:腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋等

  • 〈重度の原発性腋窩多汗症〉

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として片腋窩あたり50単位を、複数の部位(10~15ヵ所)に1~2cm間隔で皮内投与する。再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は16週以上とすること。

  • 〈斜視〉

通常、成人及び12歳以上の小児にはA型ボツリヌス毒素として以下の用量を外眼筋に筋肉内注射する。

  • 初回投与

  • (1)上下斜視の場合:上直筋又は下直筋に1.25~2.5単位

  • (2)20プリズムジオプトリー未満の水平斜視の場合:内直筋又は外直筋に1.25~2.5単位

  • (3)20~50プリズムジオプトリーの水平斜視の場合:内直筋又は外直筋に2.5~5.0単位

  • (4)1ヵ月以上持続する外転神経麻痺の場合:内直筋に1.25~2.5単位

  • 初回投与後4週間観察し、効果が不十分な場合には、さらに追加で初回投与量の2倍までの用量を上限として投与することができる。

  • 前回の効果が減弱した場合には、過去に投与された1回投与量の2倍までの用量を上限として再投与することができる。ただし、投与間隔は12週以上とすること。

  • 1回の投与における1つの筋あたりの投与量は10単位を超えないこと。

  • 〈痙攣性発声障害〉

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として以下の用量を内喉頭筋に筋肉内注射する。

  • 内転型痙攣性発声障害

  • 初回投与:片側の甲状披裂筋に2.5単位を投与する。 再投与:前回の効果が減弱した場合には、片側又は両側の甲状披裂筋に再投与することができる。ただし、投与間隔は12週以上とすること。なお、症状に応じて投与量を適宜増減することができるが、片側あたり2.5単位を超えないこと。

  • 外転型痙攣性発声障害

  • 初回投与:片側の後輪状披裂筋に5.0単位を投与する。

  • 再投与:前回の効果が減弱した場合には、片側の後輪状披裂筋に再投与することができる。ただし、投与間隔は12週以上とすること。なお、症状に応じて投与量を適宜増減することができるが、5.0単位を超えないこと。

  • 〈既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁〉

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として100単位を排尿筋に分割して注射する。再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。

  • 〈既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない神経因性膀胱による尿失禁〉

通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として200単位を排尿筋に分割して注射する。再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. **8.1本剤は眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、重度の原発性腋窩多汗症、斜視、痙攣性発声障害、過活動膀胱、神経因性膀胱の適応のみに使用する製剤のため、眉間又は目尻の表情皺に対しては、ボトックスビスタ注用50単位を用いること。これら以外の適応には安全性が確立していないので絶対使用しないこと。

  2. 8.2本剤の投与に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項について文書を用いてよく説明し、文書による同意を得た後、使用する。

  3. 8.2.1本剤の有効成分は、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素である。

  4. **8.2.2本剤の投与は対症療法であり、その効果は、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、斜視、痙攣性発声障害では通常3~4ヵ月、重度の原発性腋窩多汗症では通常4~9ヵ月、過活動膀胱では通常4~8ヵ月、神経因性膀胱では通常8~11ヵ月で消失し、投与を繰り返す必要がある。

  5. 8.2.3本剤の投与を長期間繰り返した場合、中和抗体の産生により、効果が認められなくなることがある。

  6. 8.2.4他の医療施設でボツリヌス毒素の投与を受けている場合には、治療対象疾患及び投与日を必ず申し出る。

  7. **8.2.5妊娠する可能性のある女性は、本剤投与中及び最終投与後2回の月経を経るまでは適切な方法で避妊する必要がある。

  8. **8.2.6男性は、本剤投与中及び最終投与後少なくとも3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要がある。

  9. 8.2.7日常生活を制限されていた患者は、本剤投与後、過度の筋収縮を伴う労作を避け、活動を徐々に再開する。

  10. 8.2.8本剤投与後、3~4ヵ月の間に呼吸困難、脱力感等の体調の変化があらわれた場合には、直ちに医師に申し出る。

  11. 8.2.9痙性斜頸及び痙攣性発声障害に対する本剤の、特に初回及び2回目の投与後1、2週間は、嚥下障害、声質の変化、息苦しい等の発現に留意するとともに、発現が認められた場合には、直ちに専門医の診療を受ける。

  12. 8.2.10痙性斜頸に対する本剤投与後、姿勢の変化により今まで緊張していなかった筋が緊張することがある。

  13. 8.2.11上肢痙縮及び下肢痙縮患者においては、本剤投与に伴う活動性の上昇や筋力バランスの変化により、転倒等が起こりやすくなる可能性がある。

  14. 8.2.12過活動膀胱及び神経因性膀胱患者においては、本剤投与により、残尿量が増加し導尿が必要になる場合がある。また、本剤投与により尿閉及び尿路感染が発現することがある。本剤投与後に排尿困難、混濁尿、頻尿、排尿痛、発熱、悪寒、血尿等の症状があらわれた場合には、直ちに医師に申し出る。

  15. 8.2.13脊髄損傷等を有する神経因性膀胱患者においては、本剤投与により筋力低下等が発現した場合、日常生活動作の制限が増大する可能性がある。

  16. 8.3本剤投与後、抗体が産生されることにより、耐性が生じる可能性がある。効果の減弱がみられる場合には、抗体検査を実施する。抗体産生がみられない場合は、追加投与することができる。抗体が産生された場合には、投与を中止すること。

  17. 8.4ボツリヌス毒素の投与により、投与部位以外の遠隔筋に対する影響と考えられる副作用があらわれることがあり、嚥下障害、肺炎、重度の衰弱等に伴う死亡例も報告されている。

  18. 8.5本剤投与後、脱力感、筋力低下、めまい、視力低下があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  19. 8.6本剤はできるだけ少量(6. 用法及び用量の初回投与量又は承認用量の下限を参照)から投与を開始することが望ましい。なお、疾患の重症度に応じて高用量を投与しても、効果は期待できない場合がある。

  • 〈眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、斜視〉
  1. 8.7本剤を眼輪筋又は外眼筋へ投与する場合は、以下の点に注意すること。
  • 投与時ごとに視力検査を実施することが望ましい。

  • 眼科的観察を併せて実施し、特に眼球を傷害しないように眼球の保護に十分注意すること。また、経過観察を十分に行い、眼科的異常があらわれた場合には、直ちに精密検査を受けさせること。

  1. 8.8本剤の眼瞼深部への投与により、本剤が眼筋に作用することによって複視があらわれることがあるので、投与部位に十分注意し、慎重に投与すること。

  2. 8.9本剤は、低用量でも閉瞼不全等の副作用発現がみられることがあるので、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。

  • 〈斜視〉
  1. 8.10外眼筋への投与により、眼窩に針を刺入することによって球後出血が生じ、網膜循環に障害を来すおそれがあるので、適切な検査や眼窩減圧の処置を行うことが望ましい。また、眼球を針で穿通した場合には、検眼鏡による診断を行うこと。
  • 〈痙攣性発声障害〉
  1. 8.11抗血小板薬及び抗凝固薬を投与中の患者においては、喉頭への注射によって出血や血腫が生じ、誤嚥や呼吸困難につながるおそれがあることから、本剤投与前に抗血小板薬及び抗凝固薬の休薬等を行うこと。
  • 〈過活動膀胱、神経因性膀胱〉
  1. 8.12本剤を投与する場合は、尿路感染の発現に注意し、適切な感染対策を講じること。

  2. 8.13抗血小板薬及び抗凝固薬を投与中の患者においては、排尿筋への注射による出血のリスクが増大することから、本剤投与前に抗血小板薬及び抗凝固薬の休薬等を行うこと。

  3. 8.14本剤の投与手技により血尿、排尿困難、膀胱痛等が発現するおそれがある。本剤投与後は患者の状態を十分に観察し、症状があらわれた場合には適切に処置すること。

  4. 8.15導尿を実施していない患者においては、投与後2週間以内に残尿量を測定し、その後は必要に応じて投与後12週までを目安に残尿量測定を定期的に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1慢性の呼吸器障害のある患者

本剤の投与により、病態を悪化させる可能性がある。

  1. 9.1.2重篤な筋力低下あるいは萎縮がある患者

本剤の投与により、症状を悪化させる可能性がある。

  1. 9.1.3閉塞隅角緑内障のある患者又はその素因(狭隅角等)のある患者

本剤はアセチルコリンの放出抑制作用を有するため、症状を悪化させる可能性がある。

  1. 9.1.4神経学的障害のある患者

嚥下困難等を有する患者、脳性麻痺等重度の障害を有する小児患者、痙縮患者等では、投与部位以外の遠隔筋に対する影響と考えられる副作用のリスクが増加するため特に注意すること。

  • 〈神経因性膀胱〉
  1. 9.1.5自律神経異常反射を来しやすい背景を有する患者

本剤の投与手技に起因する自律神経異常反射を来すおそれがあることから、直ちに適切な処置を行えるようにしておくこと。

9.4 生殖能を有する者

  1. **9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2回の月経を経るまでは避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

  2. **9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。精子形成期間に投与されることを避けるため。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。外国において、本剤を投与された患者で胎児死亡が報告されており、また、動物実験で妊娠及び胎児への影響が認められている。

9.6 授乳婦

投与しないこと。

9.7 小児等

  1. **9.7.12歳以上の上肢痙縮・下肢痙縮、及び12歳以上の斜視を除く適応では、小児を対象とする有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2小児において本剤による治療中に死亡例が報告されており、その中には重度の神経筋疾患、嚥下困難、嚥下性肺炎、痙攣発作、心臓疾患等の危険因子を有する症例も認められた。四肢麻痺の患者、経管栄養補給を受けている患者又は嚥下性肺炎や肺疾患の既往を有する患者等、重度の障害を有する小児患者に投与する場合には、観察を十分に行うこと。

9.8 高齢者

少量(6. 用法及び用量の初回投与量又は承認用量の下限を参照)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
筋弛緩剤
• ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
ダントロレンナトリウム水和物等
閉瞼不全、頸部筋脱力等の過剰な筋弛緩があらわれるおそれがある。嚥下障害の発現が高まるおそれがある。 筋弛緩作用が増強されることがある。併用薬の抗コリン作用による口渇、嚥下困難等が出現するため、嚥下障害が増強されることがある。
筋弛緩作用を有する薬剤
• スペクチノマイシン塩酸塩水和物
アミノグリコシド系抗生物質• ゲンタマイシン硫酸塩、フラジオマイシン硫酸塩等
• ポリペプチド系抗生物質• ポリミキシンB硫酸塩等
• テトラサイクリン系抗生物質
リンコマイシン系抗生物質
抗痙縮剤• バクロフェン等
• 抗コリン剤• ブチルスコポラミン臭化物、トリヘキシフェニジル塩酸塩等
• ベンゾジアゼピン系薬剤及び類薬• ジアゼパム、エチゾラム等
• ベンザミド系薬剤• チアプリド塩酸塩、スルピリド等
閉瞼不全、頸部筋脱力等の過剰な筋弛緩があらわれるおそれがある。嚥下障害の発現が高まるおそれがある。 筋弛緩作用が増強されることがある。併用薬の抗コリン作用による口渇、嚥下困難等が出現するため、嚥下障害が増強されることがある。
他のボツリヌス毒素製剤
過剰な筋弛緩があらわれることがあり、呼吸困難、嚥下障害等を発現するリスクが高まるおそれがあるため、本剤と他のボツリヌス毒素製剤の同時投与は原則として避けること。 本剤及びこれらの薬剤は、ともに筋弛緩作用を有するため作用が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
CK上昇 頻度不明
ウイルス感染 頻度不明
そう痒感 頻度不明
ホームズ・アディー瞳孔 頻度不明
ほてり 頻度不明
めまい 頻度不明
レッチング 頻度不明
上気道性喘鳴 頻度不明
下痢 頻度不明
不器用 頻度不明
不眠症 頻度不明
乾癬様皮疹 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠(感) 頻度不明
傾眠 頻度不明
兎眼 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口角下垂等) 頻度不明
呼吸不全 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
四肢痛 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
失神 頻度不明
尿失禁 頻度不明
局所性筋力低下(頸部筋脱力 頻度不明
弾発指 頻度不明
感冒様症状 頻度不明
感覚異常 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
挫傷 頻度不明
排尿困難 頻度不明
斑状出血 頻度不明
斜視 頻度不明
構語障害 頻度不明
歩行障害 頻度不明
残尿量増加 頻度不明
気胸注2) 頻度不明
注射部ひきつり感 頻度不明
注射部不快感 頻度不明
注射部位紅斑 頻度不明
注射部位過敏反応 頻度不明
注射部出血斑注1) 頻度不明
注射部感染 頻度不明
注射部熱感 頻度不明
注射部疼痛 頻度不明
注射部腫脹 頻度不明
流涙 頻度不明
滑液包炎 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 頻度不明
発声障害 頻度不明
発汗注3) 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
皮下結節 頻度不明
皮膚の異臭 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
眼の乾燥感 頻度不明
眼の刺激 頻度不明
眼の貫通性外傷 頻度不明
眼球後出血 頻度不明
眼痛 頻度不明
眼瞼下垂 頻度不明
眼瞼内反 頻度不明
眼瞼外反 頻度不明
眼脂 頻度不明
眼運動障害 頻度不明
硝子体出血 頻度不明
神経根障害 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋痛 頻度不明
筋緊張亢進 頻度不明
細菌尿 頻度不明
結膜炎 頻度不明
羞明 頻度不明
耳感染 頻度不明
耳鳴 頻度不明
聴力低下 頻度不明
肝機能検査値異常 頻度不明
肺炎 頻度不明
脱力(感) 頻度不明
脱毛(睫毛眉毛脱落を含む) 頻度不明
脱神経性萎縮/筋肉萎縮 頻度不明
腹痛 頻度不明
膀胱憩室 頻度不明
血小板減少 頻度不明
複視 頻度不明
視力低下 頻度不明
角膜炎 頻度不明
角膜糜爛 頻度不明
誤嚥 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
転倒 頻度不明
近隣筋の疼痛及び緊張亢進 頻度不明
運動低下 頻度不明
閉瞼不全 頻度不明
関節痛 頻度不明
関節脱臼 頻度不明
霧視(感) 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 頻度不明
顔面麻痺 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

末梢の神経筋接合部における神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により神経筋伝達を阻害し、筋弛緩作用を示す。神経筋伝達を阻害された神経は、軸索側部からの神経枝の新生により数ヵ月後には再開通し、筋弛緩作用は消退する。 また、エクリン汗腺は主にコリン作動性神経により調節されていることから、本薬はコリン作動性神経及び汗腺の接合部において、神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により神経伝達を阻害し、発汗を抑制すると考えられる17)。

18.2 坐骨神経腓腹筋の収縮に対する作用

ラット大腿二頭筋に投与した試験において、坐骨神経刺激による腓腹筋収縮の抑制を認める18)。

18.3 筋弛緩作用

マウス片側腓腹筋に投与した尾懸下試験において、投与後比較的早期に、本剤の筋弛緩作用に基づく運動力の低下及び不動時間の延長を用量依存的に認める19)。

18.4 α及びγ運動ニューロンに対する機能的除神経作用

ラット大腿二頭筋に投与した試験において、錘外筋及び筋紡錘(錘内筋)で機能的除神経作用を認める20)。

18.5 神経再生による機能的除神経からの回復

ラット大腿二頭筋に投与した試験において、α及びγ運動ニューロンに対する機能的除神経惹起後、錘外筋及び筋紡錘(錘内筋)ともに終板の拡大を認める20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

ラットに125I-A型ボツリヌス毒素を単回筋肉内投与したときの血漿中濃度は、2時間後に最高値となり、投与量の3%が認められ、24時間後には1%であった4)。

16.3 分布

ラットに125I-A型ボツリヌス毒素を単回筋肉内投与したとき、投与部位の筋肉内には、投与直後に投与量の84%を認めたが、24時間後には5%に減少し、消失半減期は約10時間と推定された4)。

16.5 排泄

ラットに125I-A型ボツリヌス毒素を単回筋肉内投与したとき、投与後24時間以内に投与量の60%が尿中排泄された4)。