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ホーネル錠0.15

ファレカルシトリオール製剤

添付文書改訂 2023年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症

  • 副甲状腺機能低下症(腎不全におけるものを除く)における低カルシウム血症とそれに伴う諸症状(テタニー、けいれん、しびれ感、知覚異常等)の改善

  • クル病・骨軟化症(腎不全におけるものを除く)に伴う諸症状(骨病変、骨痛、筋力低下)の改善

用法・用量

効能・効果 用法・用量
維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症 通常、成人には1日1回ファレカルシトリオールとして0.3µgを経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜減量する。
副甲状腺機能低下症(腎不全におけるものを除く)における低カルシウム血症とそれに伴う諸症状(テタニー、けいれん、しびれ感、知覚異常等)の改善 通常、成人には1日1回ファレカルシトリオールとして0.3~0.9µgを経口投与する。ただし、年齢、症状、病型により適宜増減する。
クル病・骨軟化症(腎不全におけるものを除く)に伴う諸症状(骨病変、骨痛、筋力低下)の改善

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤投与中にあらわれる副作用は高カルシウム血症及びそれに基づくと考えられる症状が多いので、過量投与を防ぐため、本剤投与中は、血清カルシウム値を定期的(投与初期及び増量時には少なくとも2週に1回)に測定すること。血清カルシウム値に関しては、疾患、施設の基準値等に応じた適正範囲を維持するよう、患者毎に投与量を調節すること。 低アルブミン血症(血清アルブミン値が4.0g/dL未満)の場合には補正値を指標に用いることが望ましい。
  • 補正カルシウム値算出方法:補正カルシウム値(mg/dL)=血清カルシウム値(mg/dL)-血清アルブミン値(g/dL)+4.0
  1. 8.2血清カルシウム値と血清リン値の積が高値の場合、異所性石灰化の増悪をきたすと報告1),2),3) されているので、血清カルシウム値及び血清リン値を定期的に測定し、血清カルシウム値と血清リン値の積が異常高値を認めた場合には、投与量を調節することが望ましい。
  • 〈維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症〉
  1. 8.3血清PTH値、血清Al-P値の抑制が過大に発現した場合は減量するなど、投与量を調節すること。
  • 〈副甲状腺機能低下症及びクル病・骨軟化症〉
  1. 8.4尿中カルシウム値、尿中クレアチニン値を定期的に測定し、尿中カルシウム/クレアチニン比が正常域を超えないよう投与量を調節すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1高リン血症のある患者

リン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1透析中の患者

マグネシウム含有製剤を併用する場合には注意すること。腎からのマグネシウム排泄が低下している。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットで胎盤移行、ウサギで胎児化骨遅延が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで未変化体及び代謝物の乳汁移行が認められている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児、乳児及び幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2小児に投与する場合には、血清カルシウム値等の観察を十分に行い、少量から投与を開始し、漸増投与するなど、過量投与にならないよう慎重に投与すること。

9.8 高齢者

低用量から開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。承認時までの臨床試験において、高齢者に高カルシウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められている。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• カルシウム製剤
• 〔乳酸カルシウム
• 炭酸カルシウム
• 等〕
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
• ビタミンD及びその誘導体
• 〔アルファカルシドール
• カルシトリオール 等〕
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 作用が相加的にあらわれる。
• PTH製剤
• 〔テリパラチド〕
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 作用が相加的にあらわれる。
• マグネシウム含有製剤
• 〔酸化マグネシウム
• 炭酸マグネシウム 等〕
高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。 腸管でのマグネシウムの吸収を促進させる。
• ジギタリス製剤
• 〔ジゴキシン等〕
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。 高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇γ-GTP上昇LDH上昇 1〜5%未満
AST上昇 1%未満
BUN上昇尿蛋白異常尿潜血 1%未満
そう痒感 1〜5%未満
下痢下血嘔気嘔吐胃部不快感食欲不振口渇感 1%未満
好酸球の増加 1〜5%未満
尿pH上昇尿沈渣異常 1〜5%未満
白血球数増多単球の増加桿状核球の増加好中球の増加好中球の減少リンパ球の減少 1%未満
皮下の石灰化骨痛関節痛 1%未満
肩こり女性型乳房顔面紅潮 1%未満
胸部違和感徐脈 1%未満
蕁麻疹皮疹 1%未満
関節周囲 1%未満
頭痛眠気いらいら感パーキンソニズム 1%未満
高リン血症尿酸上昇総コレステロール上昇トリグリセリド上昇総蛋白低下アルブミン低下 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、活性型ビタミンD3の誘導体であり、小腸、副甲状腺及び骨等の標的組織に分布する受容体への結合により作用を発揮する。

18.2 カルシウム代謝調節作用

  1. 18.2.1ビタミンD欠乏ラット:ファレカルシトリオールの静脈内投与によって、小腸カルシウム吸収及び骨吸収(骨カルシウム動員)の促進作用が認められた24) 。

  2. 18.2.2培養骨組織:ファレカルシトリオールはマウス頭頂骨器官培養系を用いたin vitro試験において骨吸収促進作用を示した25) 。

18.3 慢性腎不全における二次性副甲状腺機能亢進症に対する作用

腎不全病態モデルである5/6腎摘除ラットにおいて、ファレカルシトリオールの経口投与によって、血中副甲状腺ホルモン(PTH)の上昇及び副甲状腺におけるPTHのmRNA発現の亢進が抑制された。また、類骨の増加、線維性骨炎及び石灰化異常等の骨病変の改善が認められた26) 。

18.4 副甲状腺機能低下症に対する作用

副甲状腺機能低下症の病態モデルである副甲状腺摘出ラットにおいて、ファレカルシトリオールの経口投与によって、低下した血中カルシウム濃度の上昇が認められた24) 。

18.5 抗クル病作用

  1. 18.5.1ビタミンD欠乏性クル病ラット:ファレカルシトリオールの経口投与によって、ビタミンD欠乏性クル病ラットの骨灰分減少が改善され、またその発症が抑制された27) 。

  2. 18.5.2低リン血症性ビタミンD抵抗性クル病マウス:家族性低リン血症性ビタミンD抵抗性クル病のモデルと考えられるHypophosphatemicマウスにおいて、ファレカルシトリオールの皮下投与によって、低下した血中リン濃度の上昇が認められた27) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に0.3µgを単回経口投与した時、血清中濃度は投与後4時間にCmax 4.98pg/mLに達した後、半減期52.7時間で消失した4) 。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-∞
(pg・hr/mL)
単回
(n=6)
4.98±1.09 4.0±1.8 52.7 248.5±32.0

平均値±標準偏差

  1. 16.1.2反復投与

健康成人に1日1回0.3µgを14日間反復経口投与した時、最終投与日のCmaxの平均値は単回投与時の2.3倍に上昇し、11日で定常状態に達した4) 。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-24
(pg・hr/mL)
反復14日目
(n=6)
11.67±1.44 5.7±2.0 62.2 235.8±28.0

平均値±標準偏差

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人にファレカルシトリオールとして1.5µg注1) をクロスオーバー法にて朝の空腹時、又は朝食後30分に経口投与した場合、血清中濃度には食事の影響は認められなかった5) 。

注1)本剤の承認最大用量は0.9µgである。

16.3 分布

[3H]ファレカルシトリオールを1、10ng/mL濃度でヒト血清に添加した時、蛋白結合率は98.6%、99.8%であった(in vitro)6) 。

16.4 代謝

ラット7) 、イヌ8) 及びマウス9) に経口投与した時、いずれの動物種においても血清中には主に未変化体として存在した。 ラット及びイヌに経口又は静脈内投与後、標的組織である副甲状腺10) 、小腸8),11),12) 、腎臓8),11),12) 及び骨10) には未変化体と薬理活性を有する23位水酸化体が存在し、持続的な推移を示した。 ラット12) 及びイヌ8) に経口投与した時、主たる排泄経路である胆汁では、未変化体、23位水酸化体及び側鎖の酸化体をアグリコンとするグルクロン酸などの抱合体が認められた。

16.5 排泄

ラット7) 及びイヌ8) に[3H]ファレカルシトリオールを単回経口投与後168時間までの排泄バランスについて検討したところ、いずれの動物でも、投与した放射能は主として糞中に排泄され、尿中排泄は3~5%程度であり、呼気中排泄はごくわずかであった。 ラットに[3H]ファレカルシトリオールを単回静脈内投与した場合、投与した放射能の大部分は胆汁を介して糞中に排泄された11) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

慢性腎不全のため血液透析を受けている患者に1日1回0.3µgを15日間反復経口投与した時、最終投与日のCmaxの平均値は単回投与時の3.3倍に上昇し、10日で定常状態に達した13) 。透析による除去は認められなかった13) 。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
AUC
(pg・hr/mL)
単回
(n=5)
3.84±0.90 5.2±1.8 61.1 237.1±40.3
反復15日目
(n=5)
12.70±2.37 6.0±2.3 87.5 236.6±40.8

平均値±標準偏差 AUC:単回投与時 AUC0-∞ 反復投与時 AUC0-24