- 〈適応菌種〉
ピペラシリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
- 〈適応症〉
敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2伝染性単核球症の患者[ペニシリン系抗生物質の投与で発疹が出現しやすいという報告がある]
ピペラシリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎
ピペラシリンナトリウムとして、通常、成人には、1日2~4g(力価)を2~4回に分けて静脈内に投与する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回4g(力価)を1日4回まで増量して静脈内に投与する。 通常、小児には、1日50~125mg(力価)/kgを2~4回に分けて静脈内に投与する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1日300mg(力価)/kgまで増量して3回に分けて静脈内に投与する。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4g(力価)を超えないものとする。
8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.3急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。
8.4定期的に血液検査、肝機能検査等を行うことが望ましい。
9.1.1ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
9.1.2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
十分な問診を行うこと。アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすい。
観察を十分に行うこと。食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
出血傾向を助長するおそれがある。
溶解液(生理食塩液)により水分やナトリウム貯留が生じやすく、浮腫等の症状を悪化させるおそれがある。
溶解液(生理食塩液)により高ナトリウム血症等の電解質異常を起こすおそれがある。
投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続することがある。
血中濃度が持続するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行が報告されている2)。
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| メトトレキサート3) | メトトレキサートの排泄が遅延し、メトトレキサートの毒性作用が増強される可能性がある。 血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。 |
腎尿細管分泌の阻害により、メトトレキサートの腎排泄を遅延させると考えられている。 |
| 抗凝血薬 • ワルファリン等 |
血液凝固抑制作用を増強するおそれがあるので、出血傾向等に注意すること。 | 本剤の出血傾向や腸内細菌によるビタミンK産生抑制等により相加的に血液凝固抑制作用を増強させると考えられている。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P | 頻度不明 |
| ALT | 頻度不明 |
| AST | 頻度不明 |
| LDHの上昇 | 頻度不明 |
| カンジダ症 | 1%未満 |
| しびれ | 1%未満 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| ビタミンB群欠乏症状(舌炎 | 1%未満 |
| ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 | 頻度不明 |
| リンパ節腫脹 | 1%未満 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 出血傾向等) | 頻度不明 |
| 口内炎 | 1%未満 |
| 口内炎 | 1%未満 |
| 好酸球増多 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 1%未満 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 神経炎等) | 1%未満 |
| 筋肉痛 | 1%未満 |
| 腎不全患者大量投与で痙攣等の神経症状 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 血小板減少 | 1%未満 |
| 貧血 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 顆粒球減少 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 1%未満 |
| 食欲不振 | 1%未満 |
| 黄疸 | 1%未満 |
細菌の細胞壁合成を阻害し、殺菌作用を有する17)。
ピペラシリンは緑膿菌をはじめとするグラム陰性菌、腸球菌属をはじめとするグラム陽性菌及び嫌気性菌であるバクテロイデス属に対し、幅広い抗菌スペクトルを有する。また、各種臨床分離株においても、グラム陰性のインフルエンザ菌に対するMIC90は2μg/mL、グラム陽性の肺炎球菌に対するMIC90は2μg/mLであり、フロモキセフより優れた抗菌力を示した(in vitro)18)。
健康成人にピペラシリンナトリウム1g及び2gをそれぞれ30分、1時間点滴静注にて単回投与したときの血中濃度の推移は以下のとおりであった4),5)。
| 投与量 | 例数 | t1/2 (hr) |
Cmax (μg/mL) |
AUC (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 1g | 7 | 0.780±0.145 | 60.2±4.91 | 47.9±5.41 |
| 2g | 4 | 0.79±0.11 | 85.8±1.7 | 111.6±4.3 |
(平均値±標準偏差)
成人患者にピペラシリンナトリウム4gを1日4回点滴静注したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度の実測値は以下のとおりであった。
| 投与量 [例数] |
AUCτ (μg・hr/mL) |
Cmax (μg/mL) |
t1/2α (hr) |
t1/2β (hr) |
|---|---|---|---|---|
| 4g×4回/日 [n=98] |
688.4±313.0 | 297.3±59.8 | 0.6±0.1 | 1.7±0.6 |
(平均値±標準偏差)
小児患者にピペラシリンナトリウム100mg/kgを1日3回点滴静注したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度の実測値は以下のとおりであった。
| 年齢(歳) [例数] |
AUCτ (μg・hr/mL) |
Cmax (μg/mL) |
t1/2α (hr) |
t1/2β (hr) |
|---|---|---|---|---|
| 2未満 [n=10] |
350.7±44.9 | 231.7±25.1 | 0.7±0.1 | 3.8±0.0 |
| 2以上6未満 [n=9] |
322.3±32.7 | 211.2±7.3 | 0.6±0.1 | 3.8±0.0 |
| 6以上12未満 [n=1] |
555.4 | 247.7 | 1.1 | 3.8 |
| 12以上16未満 [n=1] |
375.0 | 240.8 | 0.7 | 3.8 |
(平均値±標準偏差)
胆石症患者にピペラシリンナトリウム1回2gを30分点滴静注したとき、投与終了約2時間後の胆嚢内胆汁中濃度及び胆嚢組織内濃度は、胆嚢管開存患者(n=7)ではそれぞれ330~2,280μg/mL(平均1,042μg/mL)、9.4~203μg/g(平均60μg/g)であった。また、閉塞患者(n=8)では、それぞれ0.7~34μg/mL(平均13.9μg/mL)、2.5~33μg/g(平均16.5μg/g)であった6)。 子宮各組織(子宮内膜、子宮筋層、子宮頸部、子宮膣部、卵管、卵巣)内濃度は、ピペラシリンナトリウム1回2g点滴静注開始65~75分後に最高濃度(33.2~45.1μg/g)に達し、骨盤死腔液中濃度は点滴静注開始140分後に最高濃度(35.7μg/mL)に達した7)。 なお、臍帯血、羊水中には良好な移行が認められ、母乳中にはわずかに移行が認められた2)。 胸水、喀痰、唾液、髄液内等にも良好な移行が認められた8),9),10)。
ピペラシリンの血清蛋白との結合率は21.2%であり、結合は可逆的であった(ヒト血清、薬剤濃度:25μg/mL、遠心限外濾過法)11)。
ヒト血漿、尿中にピペラシリン(PIPC)の活性代謝物である脱エチル体(DEt-PIPC)が認められた12)。
ピペラシリンナトリウム1回1gを30分点滴静注したとき、未変化体の24時間累積尿中回収率の平均は、健康な非高齢者(20~40歳、n=7)で56.2%であり、高齢者(65歳以上、Ccr≧40mL/min、n=7)では57.7%であった4)。
腎機能障害者の血中濃度半減期は腎機能の低下とともに延長し、高度腎機能障害者(Ccr≦10)の場合4.12時間と、腎機能正常者に比べ約4倍の半減期の延長が認められた(外国人:静注、点滴静注データ)13)。
| 腎機能障害の程度 (Ccr:mL/min) |
例数 | t1/2(hr) | |
|---|---|---|---|
| 正常者 | Ccr>80 | 18 | 1.04 |
| 軽度 | 80≧Ccr>40 | 13 | 1.70 |
| 40≧Ccr>20 | 11 | 2.45 | |
| 中等度 | 20≧Ccr>10 | 7 | 2.77 |
| 高度 | Ccr≦10 | 18 | 4.12 |
血液透析中の慢性腎不全患者8例にピペラシリンナトリウム2gを投与し、投与1時間後から5時間血液透析を行ったときの血中濃度の推移は以下のとおりであった(静注データ)14)。
| t1/2(hr) | 血中濃度 (24時間後) |
血中残存率注)(%) | ||
|---|---|---|---|---|
| 6時間後 | 24時間後 | |||
| 非透析時 | 7.62 | 30.6μg/mL | 55.2 | 14.0 |
| 透析時 | 2.37 | 11.0μg/mL | 25.5 | 4.7 |
注)投与1時間後の血中濃度を100とした場合の値
高齢者(65歳以上、Ccr≧40mL/min、n=7)及び健康な非高齢者(20~40歳、n=7)にピペラシリンナトリウム1回1gを30分点滴静注したとき、高齢者では非高齢者と比較して総クリアランスが約70%に低下し、消失半減期は約0.3時間延長した4)。
| CL (mL/min) |
t1/2 (hr) |
Cmax (μg/mL) |
AUC (μg・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|
| 高齢者 | 247±37.3 | 1.10±0.155 | 65.5±8.39 | 68.9±10.4 |
| 非高齢者 | 352±36.8 | 0.780±0.145 | 60.2±4.91 | 47.9±5.41 |
(平均値±標準偏差)