Clinical snapshot

ペマジール錠4.5mg

ペミガチニブ錠

添付文書改訂 2023年10月01日

【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌

  • *FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍

用法・用量

  • 〈がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌〉

通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを14日間経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • FGFR1*融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍〉

通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1網膜剥離があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼科検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

  2. 8.2高リン血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清リン濃度を測定し、血清リン濃度の変動に注意すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)

減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B又はC)

減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

  2. 9.4.2パートナーが妊娠している又は妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間はバリア法(コンドーム)を用いるよう指導すること。精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 ラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で胎児骨格異常の発生が報告されている1)。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は主にCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
• リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。 これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
• クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ベラパミル等
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP増加 5%以上
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
ざ瘡様皮膚炎 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ドライアイ(33.8%) 頻度不明
トランスアミナーゼ上昇 頻度不明
ビタミンD減少 5%以上
下痢(42.6%) 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低リン血症 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
口内乾燥(35.1%) 頻度不明
口内炎(45.3%) 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
味覚障害(39.2%) 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 5%以上
嚥下障害 頻度不明
四肢痛 頻度不明
好中球数減少 頻度不明
尿路感染 頻度不明
急性腎障害 頻度不明
悪心 頻度不明
手掌・足底発赤知覚不全症候群 頻度不明
排尿困難 頻度不明
末梢性ニューロパチー 5%以上
末梢性浮腫 5%以上
毛髪成長異常 頻度不明
浮動性めまい 5%以上
消化不良 頻度不明
爪の障害(49.3%) 頻度不明
爪囲炎 5%以上
爪真菌症 頻度不明
疲労(36.5%) 頻度不明
発疹 5%以上
白血球数減少 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚潰瘍 頻度不明
眼痛 頻度不明
睫毛乱生 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋肉痛 5%以上
筋骨格痛 頻度不明
紅斑 5%以上
結膜炎 頻度不明
羞明 頻度不明
胃食道逆流性疾患 頻度不明
背部痛 頻度不明
脱毛症(56.8%) 頻度不明
脱水 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中副甲状腺ホルモン減少 頻度不明
血小板数減少 頻度不明
角膜障害 頻度不明
記憶障害 頻度不明
貧血 5%以上
錯感覚 頻度不明
関節痛 頻度不明
陥入爪 頻度不明
霧視 5%以上
頭痛 5%以上
食欲減退 頻度不明
高カルシウム血症 5%以上
高ビリルビン血症 頻度不明
鼻乾燥 5%以上
鼻出血 5%以上
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ペミガチニブは、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のチロシンキナーゼ活性を阻害する低分子化合物である。ペミガチニブは、FGFR融合タンパク等のリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている16)。

18.2 *抗腫瘍効果

ペミガチニブは、FGFR融合タンパクを発現する胆管癌患者由来CTG-0997腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウス及びFGFR融合タンパクを発現するヒト急性骨髄性白血病由来KG-1細胞株を皮下移植したインターロイキン2受容体γ鎖の欠損を有する非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した17)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1*単回投与及び反復投与

日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注3)を空腹時に単回経口投与、及び1日1回14日間反復経口投与したときのペミガチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUCは18mgまでの範囲で概ね用量に比例した増加を示した。

日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注3)を単回経口投与したときの、ペミガチニブの血漿中濃度推移(平均値±標準誤差)3)

投与量
(症例数)
Cmax
(nM)
Tmax
(h)
AUC0-24
(h・nM)
9mg
(n=3)
110 (32.1) 1.90
(0.783, 3.95)
1120 (12.2)
13.5mg
(n=36)
216 (77.0) 1.43
(0.50, 6.00)
1880(41.2)
18mg
(n=5)
344(96.7) 1.02
(0.467, 6.02)
3310(33.7)

値は幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmaxは中央値(範囲)で示した。

日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注3)を1日1回14日間反復経口投与したときのペミガチニブの血漿中濃度推移(平均値±標準誤差)3)

投与量
(症例数)
Cmax,ss
(nM)
Tmax
(h)
Cmin,ss
(nM)
CLss/F
(L/h)
Vz/F
(L)
AUCss,0-24
(h・nM)
t1/2
(h)
9mg
(n=3)
127
(89.9)
0.967
(0.917, 1.00)
60.4
(92.9)
8.99
(91.0)
209
(48.1)
2050
(91.0)
16.1
(43.6)
13.5mg
(n=33)
195
(77.8)
1.02
(0.75, 24.0)
56.0
(61.0)
10.2
(55.5)
201
(76.9)
2720
(55.5)
13.6
(49.2)
18mg
(n=3)
385
(81.1)
0.83
(0.00, 1.00)
199.0
(24.7)
5.63
(43.8)
154
(116)
6560
(43.8)
18.9
(54.3)

値は幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmaxは中央値(範囲)で示した。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

進行固形癌患者12例に本剤13.5mgを食後(高脂肪食、高カロリー食)単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるペミガチニブのCmax及びAUC0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ0.817及び1.11であった(外国人データ)4)。

16.3 分布

ペミガチニブのヒト血漿タンパク結合率は88.8%であり、主にヒト血清アルブミンと結合していた(in vitro)5)。

16.4 代謝

ペミガチニブは主にCYP3A4によって代謝される(in vitro)6)。 健康成人7例に14C標識体を含む本剤13mg注3)を単回経口投与したとき、投与24時間後までの血漿中に主に未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合は、64.5%)(外国人データ)7)。

16.5 排泄

健康成人7例に14C標識体を含む本剤13mg注3)を単回経口投与したとき、投与240時間後までに投与した放射能の82.4及び12.6%が糞中及び尿中に排泄された。また、投与144時間後までに投与した放射能の1.4%が糞中に、及び投与48時間後までに投与した放射能の1.0%が尿中に、それぞれ未変化体として排泄された(外国人データ)7)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

本剤9mg注3)を単回経口投与したとき、腎機能が正常な被験者(8例)に対する重度(推算糸球体濾過量(eGFR)が30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害患者(8例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.646及び1.59であった。腎機能が正常な被験者(7例)に対する血液透析を受けている末期腎不全患者のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、本剤を血液透析の実施4時間前に投与した患者(7例)においてはそれぞれ0.775及び0.768であり、また、血液透析の実施1時間後に投与した患者(7例)においてはそれぞれ0.900及び0.913であった(外国人データ)8)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

本剤9mg注3)を単回経口投与したとき、肝機能が正常な被験者(8例)に対する中等度(Child-Pugh分類 B)の肝機能障害患者(8例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.967及び1.46であった。肝機能が正常な被験者(7例)に対する重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(7例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.942及び1.74であった(外国人データ)9)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1リファンピシン

健康成人18例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復経口投与し、本剤13.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.38及び0.149であった(外国人データ)10)。

  1. 16.7.2イトラコナゾール

健康成人18例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回8日間反復経口投与し、本剤4.5mg注3)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.17及び1.88であった(外国人データ)10)。

  1. 16.7.3エリスロマイシン、ジルチアゼム

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するエリスロマイシン(中程度のCYP3A阻害剤)(500mgを1日2回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.16及び1.66と推定された。また、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するジルチアゼム(中程度のCYP3A阻害剤)(60mgを1日3回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.13及び1.51と推定された11)。

  1. 16.7.4エファビレンツ

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するエファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.758及び0.482と推定された11)。

  1. 16.7.5その他

  2. (1)健康成人17例にエソメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgを1日1回6日間反復経口投与し、本剤13.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するエソメプラゾール併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.653及び0.921であった(外国人データ)12)。

  3. (2)健康成人18例にラニチジン(H2受容体拮抗剤)150mgを1日2回3日間反復経口投与した後ラニチジン150mgを単回経口投与し、本剤13.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するラニチジン併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.979及び1.03であった(外国人データ)12)。

  4. (3)ペミガチニブはP-gp及びBCRPの基質である(in vitro)13)。

注3)本剤の承認された用量は13.5mgである。