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ペチジン塩酸塩注射液35mg「タケダ」

ペチジン塩酸塩

添付文書改訂 2024年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]

  2. 2.2重篤な肝機能障害のある患者

  3. 2.3慢性肺疾患に続発する心不全のある患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]

  4. 2.4痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]

  5. 2.5急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]

  6. 2.6本剤に対する過敏症の既往のある患者

  7. 2.7モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者

  8. 2.8ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者

効能・効果

  • 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙

  • 麻酔前投薬、麻酔の補助、無痛分娩

用法・用量

  • 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙には、通常、成人には、ペチジン塩酸塩として、1回35~50mgを皮下又は筋肉内に注射する。なお、必要に応じて3~4時間ごとに追加する。特に急を要する場合には、緩徐に静脈内に注射する。

  • 麻酔前投薬には、通常、麻酔前30~90分にペチジン塩酸塩として、50~100mgを皮下又は筋肉内に注射する。

  • 全身麻酔の補助には、通常、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液で、1mL当りペチジン塩酸塩として、10mgを含有するように希釈し、ペチジン塩酸塩として、10~15mgずつ間歇的に静脈内に注射する。なお、投与量は場合によりペチジン塩酸塩として50mgまで増量することもある。

  • 無痛分娩には、通常、子宮口二横指開大ないし全開時に、ペチジン塩酸塩として、70~100mgを皮下又は筋肉内に注射する。なお、必要に応じて3~4時間ごとに35~70mgずつ1~2回追加する。この場合、母体及び胎児の呼吸抑制を防ぐために、ペチジン塩酸塩100mgに対してレバロルファン酒石酸塩1mgの投与比率で混合注射するとよい。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。

  2. 8.2眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心筋梗塞、心房細動、上室性頻脈のある患者

病態が増悪するおそれがある。

  1. 9.1.2手術後の患者等の血圧保持の困難な患者

著しい血圧降下が生じることがある。

  1. 9.1.3呼吸機能障害のある患者

呼吸抑制を増強するおそれがある。

  1. 9.1.4気管支喘息発作中の患者

気管支平滑筋を収縮させる。

  1. 9.1.5頭部外傷、脳の器質的障害のある患者及び頭蓋内圧亢進のある患者

呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を増強するおそれがある。

  1. 9.1.6痙攣の既往歴のある患者

痙攣を誘発するおそれがある。

  1. 9.1.7ショック状態にある患者

循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。

  1. 9.1.8代謝性アシドーシスのある患者

呼吸抑制を起こすおそれがある。

  1. 9.1.9甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者

呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。

  1. 9.1.10副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者

呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。

  1. 9.1.11薬物依存の既往歴のある患者

依存性を生じやすい。

  1. 9.1.12衰弱者

呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。

  1. 9.1.13前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者

排尿障害を増悪することがある。

  1. 9.1.14急性腹症のある患者

急性腹症の経過及び診断を混乱させるおそれがある。

  1. 9.1.15器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者

消化管運動を抑制する。

  1. 9.1.16胆嚢障害及び胆石のある患者

胆道痙攣を起こすことがある。

  1. 9.1.17重篤な炎症性腸疾患のある患者

連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

投与しないこと。昏睡に陥ることがある。

  1. 9.3.2肝機能障害患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)

代謝が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。類似化合物(モルヒネ)の動物試験(マウス、ラット)で催奇形作用が報告されている。 分娩前に連用した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。 分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。

9.6 授乳婦

本剤投与中は授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行することがある。

9.7 小児等

新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。新生児、乳児では呼吸抑制の感受性が高い。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
モノアミン酸化酵素阻害剤 興奮、錯乱、呼吸循環不全等を起こすことがある。モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおくことが望ましい。 中枢神経系にセロトニンが蓄積することが考えられている。
ナルメフェン塩酸塩水和物
• セリンクロ
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。 μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン系薬剤バルビツール酸系薬剤等
吸入麻酔剤
三環系抗うつ剤
β-遮断剤
• プロプラノロール塩酸塩等アルコール
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。
クマリン系抗凝血剤
• ワルファリンカリウム等
抗凝血作用が増強することがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
機序は不明である。
抗コリン作動性薬剤
• アトロピン硫酸塩水和物等
麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
本剤の類似化合物(モルヒネ)には腸管神経叢でのアセチルコリン遊離抑制作用、尿路平滑筋収縮作用があり、抗コリン作動性薬剤には消化管緊張、自動運動の抑制作用並びに膀胱括約筋を収縮させる傾向がある。
相加的に作用(抗コリン作用)を増強させる。
イソニアジド イソニアジドのMAO阻害作用により呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等が起こることがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
本剤は神経系のセロトニンの取り込みを阻害する。
イソニアジド併用により中枢神経のセロトニンが蓄積する。
アンフェタミン アンフェタミンのMAO阻害作用により呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等が起こることがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
本剤は神経系のセロトニンの取り込みを阻害する。
アンフェタミン併用により中枢神経のセロトニンが蓄積する。
セロトニン作用薬
• 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
• セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)等
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行うこと。 本剤は神経系のセロトニンの取り込みを阻害する。併用によりセロトニン作用が増強するおそれがある。
尿アルカリ化剤
• 炭酸水素ナトリウム等
本剤の作用が増強することがある。 本剤の尿中排泄が減少し、作用を増強させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 頻度不明
めまい 頻度不明
不安 頻度不明
不整脈 頻度不明
不穏 頻度不明
便秘 頻度不明
動悸 頻度不明
口渇 頻度不明
嘔吐 頻度不明
多幸感 頻度不明
幻覚 頻度不明
悪心 頻度不明
振戦 頻度不明
排尿障害 頻度不明
発汗 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
興奮 頻度不明
血圧変動 頻度不明
視調節障害 頻度不明
静脈内投与による静脈炎・発赤 頻度不明
頭蓋内圧の亢進 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ペチジンはμとκオピオイド受容体に結合する1)。

18.2 鎮痙作用

副交感神経末端に対するアトロピン様の作用とパパベリン様の平滑筋に対する直接の作用により、痙攣緩解作用をあらわす。

18.3 鎮痛作用

モルヒネに類する大脳皮質の痛覚中枢に対する作用と考えられているが、その鎮痛効果はHardy及びWolffの方法によればモルヒネとコデインの中間に位するといわれている。

18.4 呼吸抑制作用、鎮静・催眠作用、便秘発現作用等

モルヒネに比べて弱い。本剤の使用量が多い場合には呼吸抑制、心拍抑制及び血圧降下をきたすが、常用量ではその影響は少なく、耐性形成速度はモルヒネより遅く、耐性は軽度である。