Clinical snapshot

ベロテックエロゾル100

フェノテロール臭化水素酸塩

添付文書改訂 2022年02月01日

【警告】

  1. 1.1本剤の使用は、患者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。

  2. 1.2本剤の投与は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。

  3. 1.3小児に対しては、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合で、入院中など、医師の厳重な管理・監督下で本剤を投与する場合を除き、投与しないこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1カテコールアミン(エピネフリン、イソプロテレノール等)を投与中の患者

  2. 2.2本剤に対して過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解

  • 気管支喘息

  • 慢性気管支炎

  • 肺気腫

  • じん肺症

用法・用量

通常1回2吸入(フェノテロール臭化水素酸塩として0.2mg)する。成人には2~5分間たって効果が不十分な場合はさらに1~2吸入する。

使用上の注意

  1. 8.1過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には、使用が過度になりやすいので十分に注意すること。また、患者に対し、本剤の過度の使用による危険性があることを理解させ、7.の注意及びその他必要と考えられる注意を与えること。

  2. 8.2投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。

  3. 8.3発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう注意を与えること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1甲状腺機能亢進症の患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2高血圧症の患者

血圧が上昇することがある。

  1. 9.1.3心疾患のある患者

動悸、不整脈等があらわれることがある。

  1. 9.1.4糖尿病の患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.5低酸素血症の患者

血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児骨格異常の出現頻度の増加が認められている1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ウサギ)で母乳中へ移行することが報告されている2)。

9.7 小児等

  1. 9.7.1他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合で、入院中など、医師の厳重な管理・監督下で本剤を投与する場合を除き、投与しないこと。

  2. 9.7.2小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カテコールアミン(エピネフリン、イソプロテレノール等)
• エピネフリン製剤(エピネフリン、ボスミン注、ノルエピネフリン)
• イソプロテレノール製剤(アスプール液、メジヘラー・イソ)
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。 エピネフリン、イソプロテレノール等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。
そのため不整脈を起こすことが考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
キサンチン誘導体
• テオフィリン
• アミノフィリンステロイド剤
• ベタメタゾン
• プレドニゾロン
• コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム利尿剤
• フロセミド
血清カリウム値の低下作用を増強することがある。
血清カリウム値のモニターを行う。
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒症 頻度不明
倦怠感 頻度不明
動悸 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽喉刺激感 頻度不明
嘔気 頻度不明
振戦 頻度不明
発疹 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤の主作用は、β2アドレナリン受容体刺激による気管支平滑筋弛緩作用(気管支拡張作用)である。

18.2 気管支拡張作用

モルモットの摘出気管支平滑筋標本において、本剤はイソプロテレノール、サルブタモールよりも強い弛緩作用を示した7)。成人気管支喘息患者に吸入投与した場合、本剤はイソプロテレノールよりも強い気管支拡張作用を示すことが認められた8)。 また、イヌの生体位において、本剤はイソプロテレノール、サルブタモールに比べ、作用持続時間は長かった9)。成人気管支喘息患者に吸入投与した場合、本剤は吸入直後より効果が発現し、作用は8時間以上持続することが認められた8),10)。

18.3 β2アドレナリン受容体への選択性

モルモットの摘出標本および生体位において、本剤の気管(気管支)拡張作用(β2アドレナリン受容体刺激作用)は、心拍動数増加作用(β1アドレナリン受容体刺激作用)に比べ強く、β2アドレナリン受容体に対する選択性は高かった7),9)。

18.4 抗アレルギー作用

抗原-抗体反応による感作ヒト肺組織からSRS-Aの遊離、および気管支喘息患児白血球からのヒスタミン遊離を抑制することが認められた。なお、気管支喘息患児に経口投与した場合、ハウスダストによる皮膚反応が抑制されることが認められた11),12),13)。

18.5 実験的喘息防御作用

成人気管支喘息患者におけるヒスタミン、アセチルコリン、セロトニン誘発喘息および成人気管支喘息患者のアレルゲン誘発喘息に対し、本剤を吸入投与した場合、緩解作用を示すことが認められた14),15)。また、気管支喘息患児の運動負荷喘息に対しても、本剤を吸入投与した場合、緩解作用を示すことが認められた16)。

18.6 気道線毛運動亢進作用

ラットの摘出気管支標本において、線毛運動亢進作用を示した。成人閉塞性気管支疾患患者に本剤を吸入投与した場合、気道粘液クリアランス速度の増大が認められた17),18)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人5例に本剤0.2mgを単回吸入投与した場合、約3時間で最高血中濃度約0.6ng/mLに達した。血中濃度の半減期は約6時間であった3),5)(外国人データ)。

16.2 吸収

慢性閉塞性肺疾患患者に本剤0.2mg又は0.4mg注)を単回吸入投与した場合のバイオアベイラビリティは9~12%であった4)(外国人データ)。

16.3 分布

健康成人の血清蛋白に対する結合率は、本剤2.5μg/mLで約45%であった5)(外国人データ)。

16.4 代謝

健康成人に経口投与した場合、代謝は速やかで、主代謝産物は硫酸抱合体である6)(外国人データ)。

16.5 排泄

48時間で尿中に約19%、糞中に約63%が排泄される3)(外国人データ)。

注)本剤の承認用量は1回0.2mg吸入。