Clinical snapshot

ベクルリー点滴静注用100mg

レムデシビル・注射用凍結乾燥製剤

添付文書改訂 2026年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

SARS-CoV-2による感染症

用法・用量

通常、成人及び体重40kg以上の小児にはレムデシビルとして、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。 通常、体重3.5kg以上40kg未満の小児にはレムデシビルとして、投与初日に5mg/kgを、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。 なお、総投与期間は10日までとする。

使用上の注意

  1. 8.1肝機能障害があらわれることがあるので、投与前及び投与開始後は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.2Infusion Reaction、アナフィラキシーを含む過敏症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、これらの発現を回避できる可能性があるため、本剤の緩徐な投与を考慮すること。

  3. 8.3添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムにより腎機能障害があらわれるおそれがあるので、投与前及び投与開始後は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

9.2 腎機能障害患者

*添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムの尿細管への蓄積により、腎機能障害が悪化するおそれがある。非臨床試験でレムデシビルに腎尿細管への影響が認められている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラット及びウサギを用いた胚・胎児への影響に関する試験で、レムデシビル20mg/kgまでを静脈内投与した場合(主要血中代謝物(ヌクレオシド類似体)の全身曝露量(AUC)が国内承認用量投与時曝露量の4倍に相当)、胚・胎児発生に対する影響は認められなかった。雌ラットを用いた受胎能及び初期胚発生への影響に関する試験において、レムデシビル10mg/kgを静脈内投与した場合(主要血中代謝物(ヌクレオシド類似体)の全身曝露量(AUC)が国内承認用量投与時曝露量の1.3倍に相当)、黄体数・胚着床数・生存胚数の減少が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レムデシビル及び代謝物であるヌクレオシド類似体(GS-441524)がヒト乳汁中に移行することが報告されている1),2)。

9.7 小児等

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。28日齢未満の小児等を対象とした臨床試験結果は得られていない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多くみられる。

相互作用

  • レムデシビルは有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1の基質である。また、中間代謝物(GS-704277)はOATP1B1及びOATP1B3の基質である。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
クロロキン(国内未承認)
レムデシビルの抗ウイルス活性が低下する可能性がある。 レムデシビルの活性代謝物の生成及び抗ウイルス活性をクロロキンが阻害する可能性がある。
シクロスポリン レムデシビル及び中間代謝物(GS-704277)の血漿中濃度が上昇するおそれがある。 シクロスポリンの強力なOATP1B1/3阻害作用による。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
そう痒症 1%未満
トランスアミナーゼ上昇 1%未満
プロトロンビン時間延長 1%未満
ヘモグロビン減少 1%未満
下痢 1%未満
不眠症 1%未満
便秘 1%未満
嘔吐 1%未満
徐脈 頻度不明
悪寒 1%未満
悪心 頻度不明
斑状皮疹 1%未満
注入部位疼痛 1%未満
浮動性めまい 1%未満
疲労 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1%未満
糸球体濾過率減少 1%未満
肝機能検査値上昇 1%未満
肝酵素上昇 1%未満
血中クレアチニン増加 1%未満
血中ビリルビン増加 1%未満
貧血 1%未満
関節痛 1%未満
静脈炎 1%未満
頭痛 1%未満
高トランスアミナーゼ血症 1%未満
高トリグリセリド血症 1%未満
高ビリルビン血症 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

レムデシビルはアデノシンヌクレオシド類似体のプロドラッグである。レムデシビルは、細胞内に分布し、加水分解による代謝を経て、最終的にリン酸化されて薬理学的に活性を有するヌクレオシド三リン酸型の活性代謝物を生成する。活性代謝物はアデノシン三リン酸(ATP)の類似体として、SARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼによって新たに合成されるRNA鎖に天然基質ATPと競合して取り込まれ、ウイルスの複製におけるRNA鎖の伸長反応を取り込みから少し遅れて停止させる。活性代謝物は、ヒト由来のDNAポリメラーゼα、β及びRNAポリメラーゼⅡ、並びにミトコンドリアDNAポリメラーゼγ及びミトコンドリアRNAポリメラーゼに対する阻害作用(IC50値)はいずれも>200μMであった。

18.2 In vitro抗ウイルス活性

レムデシビルは、SARS-CoV-2の臨床分離株に対して、薬剤添加48時間後におけるヒト初代培養気道上皮細胞での50%有効濃度(EC50)は9.9nMであった。また、継代培養ヒト肺上皮細胞株Calu-3及びA549-hACE2でSARS-CoV-2の複製を阻害し、EC50は薬剤添加72時間後及び48時間後でそれぞれ280nM及び115nMであった17),18)。なお、ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼを構成するNsp12のアミノ酸置換P323Lを含むSARS-CoV-2変異体の臨床分離株(alpha株(B.1.1.7系統)、beta株(B.1.351系統)、gamma株(P.1系統)、delta株(B.1.617.2系統)、epsilon株(B.1.429系統)、kappa株(B.1.617.1系統)、lambda株(C.37系統)、iota株(B.1.526系統)、zeta株(P.2系統)及びomicron株(B.1.1.529/BA.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.2.75、BA.2.86、BA.4、BA.4.6、BA.5、BF.5、BF.7、BQ.1、BQ.1.1、CH.1.1、EG.1.2、EG.5.1、EG.5.1.4、FL.22、HK.3、HV.1、JN.1、XBB、XBB.1.5、XBB.1.5.72、XBB.1.16、XBB.2.3.2、XBC.1.6及びXBF系統))に対するNタンパク質ELISAアッセイでは、これら臨床分離株のEC50は初期のSARS-CoV-2の系統(A系統)と比較して0.15~2.3倍であった(A549-ACE2-TMPRSS2細胞株)。また、Nsp12等をコードする複数遺伝子にアミノ酸変異を導入したSARS-CoV-2レプリコンアッセイにおいて、omicron株(JN.1.7、JN.1.18、KP.2、KP.3及びLB.1系統のレプリコン並びにXBB.1.9.2系統のレプリコン)に対するレムデシビルのEC50は野生型レプリコン(B系統)と比較して、それぞれ1.1倍及び2.0倍であった(Huh7-1CN細胞株)19)。

18.3 薬剤耐性

  1. 18.3.1In vitro試験

培養細胞系では、レムデシビルに対する感受性が低下したSARS-CoV-2分離株が確認された。GS-441524(レムデシビルの代謝物であるヌクレオシド類似体)を用いた耐性発現試験において、レムデシビルに対する耐性変異としてNsp12のアミノ酸置換V166A、N198S、S759A、V792I、C799F及びC799Rが同定された。各置換を導入した組換えSARS-CoV-2では、レムデシビルに対して1.7~3.5倍の感受性低下を示した20)。Nsp12のアミノ酸置換P323Lを有するSARS-CoV-2分離株を用いたレムデシビルによる耐性発現試験では、Nsp12のアミノ酸置換V166Lが同定された。P323L単独又はP323L+V166L重複置換を導入した組換えSARS-CoV-2では、レムデシビルに対してそれぞれ1.3倍及び1.5倍の感受性変化を示した21)。げっ歯類CoVのマウス肝炎ウイルスを用いたレムデシビルのin vitro耐性解析では、RNA依存性RNAポリメラーゼで全てのCoVに保存された残基において、2カ所の変異(F476L及びV553L)が確認され、レムデシビルに対して5.6倍の感受性低下を示した。この変異体はin vitroでウイルス複製能が低下した。同様の変異(F480L及びV557L)をSARS-CoVに導入したとき、培養細胞内でレムデシビルに対して6倍の感受性低下を示し、SARS-CoV感染マウスモデルにおいてウイルスの病原性が減弱した。また、Nsp12にF480L及びV557Lの各変異を導入した組換えSARS-CoV-2では、レムデシビルに対して2倍の感受性低下を示した20)。

  1. 18.3.2臨床試験

NIAID ACTT-1試験では、ベースライン及びベースライン後におけるSARS-CoV-2のRNA依存性RNAポリメラーゼの塩基配列データが得られた本剤群31例のうち、12例で本剤投与後にアミノ酸置換が認められた。本剤群の12例で認められたアミノ酸置換は24種類であり、このうちV792I及びC799F(各1例)はin vitro耐性発現試験で既にレムデシビルに対する耐性変異として特定されており、それぞれ2.2-3.2倍及び2.5-3.5倍の感受性低下を示した20),22)。 GS-US-540-9012試験では、ベースライン及びベースライン後におけるSARS-CoV-2のRNA依存性RNAポリメラーゼの塩基配列データが得られた本剤群115例のうち、8例で本剤投与後にアミノ酸置換が認められた。本剤群の8例で認められたアミノ酸置換は7種類であり、このうちA376V(1例)は、レプリコンアッセイにおいて12.6倍の感受性低下を示した23)。

18.4 動物モデルにおける治療効果

SARS-CoV-2接種12時間後のアカゲザルSARS-CoV-2感染モデルに、投与初日はレムデシビル10mg/kgで1日1回、その後は5mg/kgで1日1回を静脈内ボーラス投与したところ、溶媒対照と比較して、呼吸器系疾患の臨床徴候が改善し、肺病理像及び肺病変所見並びに肺ウイルスRNA量が減少した。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1健康成人における薬物動態

外国人健康成人被験者に3mgから225mgの用量範囲でレムデシビルを2時間かけて単回静脈内投与したとき注5)、レムデシビルは線形の薬物動態プロファイルを示した。 外国人健康被験者に、レムデシビルを投与初日は200mg、2~5日目又は10日目に100mgを1日1回30分間かけて反復静脈内投与したときのレムデシビル、代謝物であるヌクレオシド類似体(GS-441524)及び中間代謝物(GS-704277)の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。

注5)国内承認用法・用量は、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注である。

用量
(mg)
例数 測定対象 測定日 Cmax
(ng/mL)
AUCa)
(ng・h/mL)
t1/2b)
(h)
200 28 レムデシビル 1日目 4378(23.5) 2863(18.6) 0.90
100 26c) 5日目及び10日目 2229(19.2) 1585(16.6) 0.96
200 28 ヌクレオシド類似体d) 1日目 143(21.5) 2191(19.1)
100 26 5日目及び10日目 145(19.3) 2229(18.4) 27.4
200 28 中間代謝物e) 1日目 370(29.3) 698(25.9) 1.27
100 26 5日目及び10日目 246(33.9) 462(31.4) 1.23

平均値(CV%)、-:該当なし

a)1日目:AUC0-24h、5日目及び10日目:AUCtau

b)中央値

c)AUC及びt1/2は25例

d)GS-441524

e)GS-704277

  1. 16.1.2患者における薬物動態

健康成人被験者並びに成人及び小児のSARS-CoV-2による感染症患者を対象とした試験の併合データを用いて構築した母集団薬物動態モデルにより推定した、成人患者(147例)での本剤の静脈内反復投与後のレムデシビル及びその循環血中代謝物[ヌクレオシド類似体(GS-441524)及び中間代謝物(GS-704277)]の薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人のデータ)。

レムデシビル ヌクレオシド類似体b) 中間代謝物c)
Cmax(ng/mL) 2700(2440-2990) 143(135-152) 198(180-218)
AUCtau(h*ng/mL) 1710(1480-1980) 2410(2250-2580) 392(348-442)

幾何平均値(95%信頼区間)

a)本剤を30分間かけて最長3日間静脈内投与したときの母集団薬物動態推定値(GS-US-540-9012試験)

b)GS-441524

c)GS-704277

投与初日に本剤200mgを、2及び3日目に本剤100mgを1日1回静脈内投与した。

16.3 分布

In vitro試験において、レムデシビルのヒト血漿蛋白に対する結合率は88~93%であった。ヌクレオシド類似体(GS-441524)のヒト血漿蛋白に対する結合率は低かった(2%)。 外国人健康成人に14C標識したレムデシビル150mgを単回静脈内投与したとき注6)、総放射能の血液/血漿比は投与開始15分後で約0.68であり、時間の経過とともに上昇し、投与5時間後では1.0であった。レムデシビル及び代謝物は、血漿又は血液中の細胞成分に対して異なる分布を示す。

16.4 代謝

レムデシビルは主にカルボキシルエステラーゼ1(CES1)により加水分解され、一部カテプシンA(CatA)やCYP3Aにより代謝される。加水分解により生成された中間代謝物(GS-704277)は主にヒスチジントライアドヌクレオチド結合タンパク質1(HINT1)により代謝される。中間代謝物はホスホルアミダートの分解とそれに続くリン酸化により活性型三リン酸(GS-443902)となる。一方、脱リン酸化により、効率的に再リン酸化されないヌクレオシド代謝物(GS-441524)が生成される。

16.5 排泄

外国人健康成人被験者に14C標識レムデシビル150mgを単回静脈内投与したとき注6)、投与量の平均総回収率は92%を超え、尿中及び糞中排泄率はそれぞれ約74%及び約18%であった。尿中に回収された大部分は、代謝物であるヌクレオシド類似体(GS-441524、49%)であり、10%がレムデシビルであった。

注6)国内承認用法・用量は、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注である。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1小児患者

健康成人被験者並びに成人及び小児のSARS-CoV-2による感染症患者を対象とした試験の併合データを用いて構築した母集団薬物動態モデルにより推定した、GS-US-540-5823試験における体重3.0kg以上の28日齢以上18歳未満の小児患者(50例)での本剤の静脈内反復投与後のレムデシビル及び代謝物(ヌクレオシド類似体[GS-441524]及び中間代謝物[GS-704277])の薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人のデータ)。

コホート1:12歳以上18歳未満かつ体重40kg以上(12例) コホート2:28日齢以上18歳未満かつ体重20kg以上40kg未満(12例) コホート3:28日齢以上18歳未満かつ体重12kg以上20kg未満(11例) コホート4:28日齢以上18歳未満かつ体重3kg以上12kg未満(10例) コホート8:12歳未満かつ体重40kg以上(5例)
レムデシビル
Cmax
(ng/mL)
3910(3140-4870) 5680(4660-6930) 5530(4240-7210) 4900(3790-6340) 3920(2270-6790)
AUCtau
(h*ng/mL)
2470(1940-3150) 3500(2570-4780) 3910(2140-7160) 2930(1900-4520) 2280(1200-4300)
ヌクレオシド類似体b)
Cmax
(ng/mL)
197(123-316) 181(132-248) 158(116-215) 202(171-238) 162(57.4-458)
AUCtau
(h*ng/mL)
3460(2010-5960) 2870(2020-4080) 2400(1740-3320) 2770(2230-3450) 2640(772-9030)
中間代謝物c)
Cmax
(ng/mL)
307(212-443) 423(309-578) 444(336-585) 390(305-500) 278(145-532)
AUCtau
(h*ng/mL)
815(474-1400) 754(547-1040) 734(513-1050) 691(494-966) 537(203-1420)

幾何平均値(95%信頼区間)

a)本剤を30分間かけて最長10日間静脈内投与したときの母集団薬物動態推定値(GS-US-540-5823試験)

b)GS-441524

c)GS-704277

コホート1(12歳以上18歳未満かつ体重40kg以上)及びコホート8(12歳未満かつ体重40kg以上)では、投与初日に本剤200mgを、以降最長10日目まで本剤100mgを1日1回投与した。コホート2から4では、投与初日に本剤5mg/kgを、以降最長10日目まで2.5mg/kgを1日1回投与した。

注)国内では、体重3.5kg以上の小児に対する用法・用量が承認されている。

  1. 16.6.2*腎機能障害

腎機能正常被験者に対する腎機能障害被験者(軽度、中等度、重度の腎機能障害及び末期腎不全)における単回投与時のレムデシビル及び代謝物(ヌクレオシド類似体[GS-441524]及び中間代謝物[GS-704277])の薬物動態パラメータ比は以下のとおりであった(外国人のデータ)。

eGFRb)区分(mL/min/1.73m2)
60以上90未満
(10例)
30以上60未満
(10例)
15以上30未満
(10例)
15未満
血液透析前
(6例)
血液透析後
(6例)
血液透析なし
(3例)
レムデシビル
Cmax 0.96
(0.71-1.31)
1.20
(1.01-1.42)
0.97
(0.83-1.13)
0.89
(0.67-1.18)
1.13
(0.79-1.60)
0.94
(0.65-1.35)
AUCinf 1.00
(0.75-1.32)
1.22
(0.98-1.52)
0.94
(0.83-1.07)
0.80c)
(0.59-1.08)
1.08c)
(0.72-1.63)
0.89
(0.55-1.43)
ヌクレオシド類似体d)
Cmax 1.07
(0.90-1.26)
1.44
(1.12-1.85)
1.68
(1.28-2.20)
2.26
(1.72-2.99)
3.07
(2.21-4.26)
3.00
(2.63-3.42)
AUCinf 1.19
(0.97-1.47)
2.02
(1.57-2.62)
3.26
(2.39-4.46)
4.97c)
(3.65-6.77)
6.22c)
(4.44-8.71)
7.87
(6.49-9.53)
中間代謝物e)
Cmax 2.25
(1.20-4.20)
1.83
(1.34-2.49)
1.27
(0.96-1.68)
1.43
(1.00-2.05)
1.23
(0.84-1.80)
1.76
(1.18-2.61)
AUCinf 1.39
(1.13-1.71)
2.01
(1.48-2.73)
1.78
(1.27-2.49)
2.18c)
(1.61-2.95)
2.06c)
(1.42-2.97)
2.81
(1.79-4.43)

a)腎機能正常被験者に対する腎機能障害被験者の薬物動態パラメータを比較、幾何平均値の比

b)eGFRはModification of Diet in Renal Disease式を用いて算出した。

c)AUC0-72h

d)GS-441524

e)GS-704277

腎機能障害被験者を対象とした第Ⅰ相試験(GS-US-540-9015試験)のノンコンパートメント解析を用いて曝露量を推定した。腎機能障害被験者と性別、BMI(±20%)及び年齢(±10歳)でマッチングした腎機能正常被験者(eGFR≥90mL/min/1.73m2)を組み入れ、腎機能障害被験者及び腎機能正常被験者に同量のレムデシビル(最大100mg)を単回投与した。

母集団薬物動態モデルにより推定した、本剤を国内承認用法・用量で投与した場合のスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムの曝露量(Cmax及びAUCtau)は、クレアチニン・クリアランスの低下に伴い上昇した。末期腎不全患者(クレアチニン・クリアランスが15mL/min以下)では、腎機能正常被験者と比較してAUCtauが投与初日、5日目及び10日目でそれぞれ8倍、18倍及び20倍高かった(外国人のデータ)4)。

  1. 16.6.3肝機能障害

肝機能正常被験者に対する中等度又は重度(Child-Pugh分類B又はC)肝機能障害被験者における単回投与時のレムデシビル及び代謝物(ヌクレオシド類似体[GS-441524]及び中間代謝物[GS-704277])の薬物動態パラメータ比は以下のとおりであった(外国人のデータ)5)。

中等度肝機能障害
(10例)
重度肝機能障害
(6例)
レムデシビル
Cmax 1.10(0.75-1.60) 1.03(0.70-1.51)
AUCinf 1.21(0.87-1.67) 1.56(1.20-2.03)
ヌクレオシド類似体b)
Cmax 1.09(0.86-1.38) 1.48(1.17-1.86)
AUCinf 0.90(0.69-1.17) 1.31(0.93-1.84)
中間代謝物c)
Cmax 1.29(0.54-3.08) 1.07(0.70-1.63)
AUCinf 1.38(0.92-2.07) 2.41(1.70-3.42)

a)肝機能正常被験者に対する肝機能障害被験者の薬物動態パラメータを比較、幾何平均値の比

b)GS-441524

c)GS-704277

肝機能障害被験者を対象とした第Ⅰ相試験(GS-US-540-9014試験)のノンコンパートメント解析を用いて曝露量を推定した。肝機能障害被験者と性別、BMI(±20%)及び年齢(±10歳)でマッチングした肝機能正常被験者を組み入れ、肝機能障害被験者及び肝機能正常被験者にレムデシビル100mgを単回投与した。

  1. 16.6.4妊婦

妊娠していない女性(22例)に対する妊婦(21例)でのレムデシビル及び代謝物(ヌクレオシド類似体[GS-441524]及び中間代謝物[GS-704277])の薬物動態パラメータ比は以下のとおりであった(外国人のデータ)6)。

レムデシビル ヌクレオシド類似体b) 中間代謝物c)
Cmax 1.1(0.7-1.7) 0.9(0.8-1.1) 1.0(0.9-1.2)
AUCtau 1.0(0.7-1.4) 0.9(0.7-1.1) 1.0(0.9-1.2)

a)妊娠していない女性に対する妊婦の薬物動態パラメータを比較、幾何平均値の比

b)GS-441524

c)GS-704277

妊婦及び妊娠していない女性を対象とした第Ⅳ相試験(CO-US-540-5961試験)のノンコンパートメント解析を用いて曝露量を推定した。妊婦及び妊娠可能だが妊娠していない女性に対して、投与初日にレムデシビル200mgを、投与2日目以降はレムデシビル100mgを1日1回5日間(最大10日間)投与した。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1In vitro試験成績

レムデシビルはOATP1B1及びP-gpの基質である。また、CYP3A、UGT1A1、OATP1B1、OATP1B3及びMATE1に対し阻害作用を示す。中間代謝物(GS-704277)はOATP1B1及びOATP1B3の基質である。

  1. 16.7.2臨床における薬物相互作用試験**

薬物相互作用試験の結果を以下に示す(外国人のデータ)。

併用薬 併用薬の投与量 レムデシビルの投与量 例数 レムデシビル及び代謝物の薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
Cmax AUCinf
シクロスポリン7) 400mg
単回
100mg
単回
9 レムデシビル 1.49(1.38-1.60) 1.89(1.77-2.02)
ヌクレオシド類似体a) 1.17(1.12-1.22) 1.03(0.99-1.08)
中間代謝物b) 2.51(2.26-2.78) 2.97(2.75-3.20)
カルバマゼピン7) 300mg
1日2回
100mg
単回
8 レムデシビル 0.87(0.78-0.97) 0.92(0.83-1.02)
ヌクレオシド類似体a) 0.97(0.88-1.07) 0.83(0.78-0.89)
中間代謝物b) 0.96(0.84-1.10) 0.98(0.92-1.05)

a)GS-441524

b)GS-704277

併用薬 併用薬の投与量 レムデシビルの投与量 例数 併用薬の薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
Cmax AUCinf
ミダゾラム8) 2.5mg
単回
200mg
単回
19 1.29(1.19-1.41) 1.20(1.14-1.26)
ミダゾラム9) 2.5mg
単回
200mg
単回
以降100mg
1日1回a)
14 1.45(1.23-1.70) 1.30(1.16-1.45)
ピタバスタチン8) 2mg
単回
200mg
単回
20 1.05(0.92-1.20) 1.17(1.09-1.24)

a)投与初日にレムデシビル200mg、投与2~10日目にレムデシビル100mgを1日1回投与。レムデシビルの最終投与時にミダゾラムを投与