Clinical snapshot

ベオビュ硝子体内注射用キット120mg/mL

ブロルシズマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2025年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2眼又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある。]

  3. 2.3活動性の眼内炎症のある患者[炎症が悪化する可能性がある。]

効能・効果

  • 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性

  • 糖尿病黄斑浮腫

  • **増殖糖尿病網膜症

用法・用量

  • 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉**

ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を導入期においては4週ごとに1回、連続3回硝子体内投与する。または、6週ごとに1回、連続2回硝子体内投与するが、症状により1回追加投与できる。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。

  • 〈糖尿病黄斑浮腫〉

ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を6週ごとに1回、通常、連続5回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。

  • 〈増殖糖尿病網膜症〉**

ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を6週ごとに1回、通常、連続3回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜増減する。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。

使用上の注意

  1. 8.1網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること。

  2. 8.2硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行うこと。

  3. 8.3硝子体内注射の際には、下記の点に注意しながら行うこと。

  4. 8.3.1硝子体内注射は、無菌条件下で行うこと。(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること。)

  5. 8.3.2本剤投与前に、適切な麻酔と眼周囲の皮膚、眼瞼及び眼表面を消毒するための広域局所抗菌薬を投与すること。

  6. 8.3.3眼内炎、網膜剥離、眼内炎症、網膜血管炎及び網膜血管閉塞等が発現することがあるので、これらの事象を示唆する症状が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導すること。

  7. 8.4硝子体内注射により眼圧が一過性に上昇することがある。また、持続性の眼圧上昇も報告されている。本剤投与後、眼圧及び視神経乳頭血流を適切に観察及び管理すること。

  8. 8.5本剤の硝子体内注射後、一時的に視覚障害があらわれることがあるため、視機能が十分に回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

  9. 8.6定期的に有効性を評価し、視力予後の改善が期待できない場合には漫然と投与を継続しないこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1緑内障、高眼圧症の患者

  2. 9.1.2脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者

  3. 9.1.3眼内炎症の既往歴のある患者

9.4 生殖能を有する者

**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は、その抗VEGF作用から潜在的に催奇形性並びに胚・胎児毒性を有する可能性が否定できない。カニクイザルを用いた拡充型出生前及び出生後の発生に関する試験(3又は6mg/眼を妊娠20日から分娩まで4週間に1回、片眼に硝子体内投与)において、ブロルシズマブの胎児への移行は確認されず、妊娠及び分娩、胚胎児発生、出生児の出生、成長、出生後発達に影響は認められなかった1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。カニクイザルを用いた拡充型出生前及び出生後の発生に関する試験において、母動物の乳汁中にブロルシズマブは検出されなかった1)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒症 1%未満
前房のフレア 1%未満
前房の炎症 1%未満
失明 1%未満
強膜炎 1%未満
流涙増加 1%未満
点状角膜炎 1%未満
発疹 1%未満
白内障 1%未満
眼の異常感 1%未満
眼圧上昇 1〜5%未満
眼痛 1〜5%未満
硝子体剥離 1〜5%未満
硝子体浮遊物 1〜5%未満
硝子体炎 1%未満
紅斑) 1%未満
結膜充血 1%未満
結膜出血 1〜5%未満
結膜炎 1%未満
網膜出血 1%未満
網膜色素上皮剥離 頻度不明
虹彩毛様体炎 1%未満
虹彩炎 1%未満
視力低下 1%未満
角膜擦過傷 1%未満
角膜浮腫 1%未満
過敏症(蕁麻疹 1%未満
霧視 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

**ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、分子量が約26kDaのヒト化一本鎖抗体フラグメントで、眼の病的血管新生や血管漏出に重要な役割を果たすVEGF-Aを阻害することで、滲出型加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、及び増殖糖尿病網膜症に対して治療効果を発揮する。

18.2 VEGF-Aに対する阻害作用

ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、VEGF-Aのアイソフォーム(VEGF110、VEGF121及びVEGF165)に対して高い結合親和性を示し、VEGF-AとVEGF受容体(VEGFR1及びVEGFR2)の結合を阻害した12),13)。ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、VEGF-Aによって誘発された血管内皮細胞の増殖を抑制した14)(in vitro)。

18.3 動物モデルにおける作用

ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、ラット酸素誘発網膜症モデル及びマウスレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおいて、病的血管新生の形成を阻害した15),16)。また、ラットVEGF 誘発網膜血管透過性亢進モデルにおいて、血管透過性の亢進を抑制した17)(in vivo)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人及び外国人加齢黄斑変性患者に本剤6mgを単回硝子体内投与したとき、血清中VEGF非結合形ブロルシズマブ濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、本剤6mgを4週ごとに3回投与したとき、血清中VEGF非結合形ブロルシズマブ濃度の累積は認められなかった2)。

(幾何平均値+標準誤差) 血清中VEGF非結合形ブロルシズマブ濃度推移

投与量 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUCinf
(hr・ng/mL)
T1/2
(hr)
6mg (n=25) 49.0
(1.21)
21.7
(5.05-73.0)
6000
(1.22)*
103
(52.5)*

Tmaxは中央値(範囲)、T1/2は調和平均値(標準偏差)、その他は幾何平均値(標準誤差)、*:n=24

16.4 代謝

ブロルシズマブはモノクローナル抗体フラグメントであり、ペプチド及びアミノ酸に分解されると考えられる3)。

16.5 排泄

ブロルシズマブは、VEGFへの結合により標的介在性の消失を示すとともに、腎排泄及び代謝により消失すると考えられる。

16.8 その他

**母集団薬物動態/薬力学モデルによるシミュレーションにおいて、滲出型加齢黄斑変性患者を対象に、本剤6mgを導入期として6週毎に2回硝子体内投与、2回投与後に疾患活動性が認められた場合注)は1回追加投与し、その後の維持期において12週又は疾患活動性が認められた場合は8週毎に投与した際の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量は、本剤6mgを導入期として4週毎に3回投与し、その後の維持期において12週又は疾患活動性が認められた場合は8週毎に投与した際と同様の推移を示すことが予測された4)。 注)疾患活動性の有無はシミュレーションされた中心サブフィールド厚に基づき評価された。