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ヘルベッサーRカプセル200mg

ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル

添付文書改訂 2025年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤なうっ血性心不全の患者〔心不全症状を悪化させるおそれがある。〕

  2. 2.22度以上の房室ブロック、洞不全症候群(持続性の洞性徐脈(50拍/分未満)、洞停止、洞房ブロック等)のある患者〔本剤の心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。〕

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  4. 2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  5. 2.5アスナプレビルを含有する製剤、イバブラジン塩酸塩、ロミタピドメシル酸塩を投与中の患者

効能・効果

  • 狭心症、異型狭心症

  • 本態性高血圧症(軽症~中等症)

用法・用量

  • 〈狭心症、異型狭心症〉

通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1日1回100mgを経口投与する。 効果不十分な場合には、1日1回200mgまで増量することができる。

  • 〈本態性高血圧症(軽症~中等症)〉

通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1日1回100~200mgを経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1Ca拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。 また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。

  2. 8.2降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1うっ血性心不全の患者(重篤なうっ血性心不全の患者を除く)

心不全症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2高度の徐脈(50拍/分未満)又は1度の房室ブロックのある患者

心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.3過度に血圧の低い患者

血圧を更に低下させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者

薬物の排泄が遅延し、作用が増強するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形作用(マウス:骨格異常、外形異常)及び胎児毒性(マウス、ラット:致死)が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するなど患者の状態を十分観察しながら慎重に投与することが望ましい。一般に高齢者では過度の降圧は好ましくないとされている。

相互作用

  • 本剤は主として代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アスナプレビル(スンベプラ)
ダクラタスビル塩酸塩/アスナプレビル/ベクラブビル塩酸塩(ジメンシー)
アスナプレビルの血中濃度が上昇する。
肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。
本剤がCYP3Aを阻害することにより、左記薬剤の代謝が阻害される。
イバブラジン塩酸塩(コララン) 過度の徐脈があらわれることがある。 本剤がCYP3Aを阻害することにより、左記薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する。
左記薬剤の心拍数減少作用を相加的に増強する。
ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド) ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 本剤がCYP3Aを阻害することにより、左記薬剤の代謝が阻害される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧作用を有する薬剤(降圧剤、硝酸剤等) 定期的に血圧を測定し、用量を調節する。 相加的に作用(降圧作用)を増強させると考えられる。
β遮断剤(ビソプロロールフマル酸塩、プロプラノロール塩酸塩、アテノロール等) 徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがある。
定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させると考えられる。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する。
ラウオルフィア製剤(レセルピン等) 徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがある。
定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させると考えられる。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する。
ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン) 徐脈、房室ブロック等があらわれることがある。また、これらの不整脈を含めジギタリス製剤の血中濃度上昇による中毒症状(悪心・嘔吐、頭痛、めまい、視覚異常等)があらわれることがある。
定期的にジギタリス中毒の有無の観察、心電図検査を行い、必要に応じてジギタリス製剤の血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。特にβ遮断剤との3剤併用時には注意を要する。
また、本剤はジギタリス製剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩、メキシレチン塩酸塩等) 徐脈、房室ブロック、洞停止等があらわれることがある。
定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。
麻酔剤(イソフルラン等) 徐脈、房室ブロック、洞停止等があらわれることがある。
心電図をモニターし、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。
フィンゴリモド塩酸塩 フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。 共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。
アプリンジン塩酸塩 両剤の血中濃度上昇による症状(徐脈、房室ブロック、洞停止、振戦、めまい、ふらつき等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
共通の代謝酵素(チトクロームP450)に影響を及ぼし合い、両剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤(ニフェジピン、アムロジピンベシル酸塩等) ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤の血中濃度上昇による症状(降圧作用の増強等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
シンバスタチン シンバスタチンの血中濃度上昇による横紋筋融解症やミオパシーが発現することがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
トリアゾラム トリアゾラムの血中濃度上昇による症状(睡眠時間の延長等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
ミダゾラム ミダゾラムの血中濃度上昇による症状(鎮静・睡眠作用の増強等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
カルバマゼピン カルバマゼピンの血中濃度上昇による症状(眠気、悪心・嘔吐、眩暈等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
セレギリン塩酸塩 セレギリン塩酸塩の作用、毒性が増強することがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
テオフィリン テオフィリンの血中濃度上昇による症状(悪心・嘔吐、頭痛、不眠等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
シロスタゾール シロスタゾールの作用が増強することがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
アピキサバン アピキサバンの作用が増強することがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
ビノレルビン酒石酸塩 ビノレルビン酒石酸塩の作用が増強することがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
シクロスポリン シクロスポリンの血中濃度上昇による症状(腎障害等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、また、シクロスポリンの血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
タクロリムス水和物 タクロリムスの血中濃度上昇による症状(腎障害等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、また、タクロリムスの血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
フェニトイン フェニトインの血中濃度上昇による症状(運動失調、めまい、眼振等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
また、本剤の作用が低下することがある。
フェニトインの代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、フェニトインの血中濃度を上昇させると考えられる。また、フェニトインが本剤の代謝を促進することにより、本剤の血中濃度を低下させると考えられる。
シメチジン 本剤の血中濃度上昇による症状(降圧作用の増強、徐脈等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤が本剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、サキナビルメシル酸塩等) 本剤の血中濃度上昇による症状(降圧作用の増強、徐脈等)があらわれることがある。
定期的に臨床症状を観察し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤が本剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
リファンピシン 本剤の作用が低下することがある。
定期的に臨床症状を観察し、また、可能であれば本剤の血中濃度を測定し、異常が認められた場合には、他剤への変更あるいは本剤を増量するなどの適切な処置を行う。
リファンピシンが本剤の代謝酵素(チトクロームP450)を誘導することにより、本剤の血中濃度を低下させると考えられる。
筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物等) 筋弛緩剤の作用が増強することがある。
筋弛緩作用に注意し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
本剤が神経筋接合部において、シナプス前からのアセチルコリン放出を抑制させると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇 頻度不明
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
こむらがえり 頻度不明
しびれ 頻度不明
そう痒 1〜5%未満
パーキンソン様症状 頻度不明
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
光線過敏症 頻度不明
動悸 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
嘔気 1〜5%未満
多形性紅斑様皮疹 1〜5%未満
女性化乳房 頻度不明
徐脈 1〜5%未満
房室ブロック 1〜5%未満
歯肉肥厚 頻度不明
洞停止 1%未満
洞房ブロック 頻度不明
浮腫 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
白血球減少 頻度不明
眠気 1〜5%未満
肝腫大 頻度不明
胃部不快感 1〜5%未満
胸やけ 1〜5%未満
胸痛 1%未満
脱力感 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
膿疱 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
血圧低下 1%未満
血小板減少 頻度不明
軟便 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
頭重感 1〜5%未満
顔面潮紅 1〜5%未満
食欲不振 1%未満
黄疸 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ジルチアゼム塩酸塩は冠血管及び末梢血管等の血管平滑筋細胞へのCa2+流入を抑制することにより、血管を拡張し、心筋虚血改善作用及び降圧作用を示す。

18.2 心筋虚血に対する作用

  1. 18.2.1心筋の酸素需給バランス改善作用

  2. (1)太い冠血管及び副血行路を拡張し、心筋虚血部への血流を増加させる(イヌ)7),8),9),10)。

  3. (2)冠動脈スパズムを抑制する(サル)11)。

  4. (3)末梢血管拡張に基づく後負荷軽減、及び心拍数減少により、心拍出量を減らさずに心筋酸素消費量を抑制する(イヌ)12)。

  5. 18.2.2心筋保護作用

心筋虚血時、細胞内へのCa2+過剰流入を抑制することにより、心機能・心筋エネルギー代謝を保持し梗塞巣の広がりを縮小する(ラット)13)。

18.3 血圧に対する作用

  1. 18.3.1正常血圧にはほとんど影響せず、高い血圧をゆっくり下げ(ラット、血圧正常者:男性、本態性高血圧症患者:男性及び女性)、運動負荷による血圧の上昇を抑制する(本態性高血圧症患者:男性及び女性)14),15),16),17)。

  2. 18.3.2脳、腎の血流量を減少させず、血圧を低下させる(イヌ、脳血管障害合併高血圧症患者:男性及び女性、高血圧症患者:男性及び女性)18),19),20)。

  3. 18.3.3血圧の低下とともに、心筋肥大、血管肥厚を抑制する(ラット)21)。

18.4 心刺激生成及び心伝導系に及ぼす影響

洞結節の自発周期と房室結節内伝導(AH)時間を僅かに延長するが、ヒス-プルキンエ系伝導(HV)時間には影響しない(イヌ、二次孔型心房中隔欠損症患者、早期興奮症候群患者、発作性上室性頻拍患者、促進型心室固有調律患者)12),22),23)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男子16例に本剤100mgを1カプセル単回経口投与したとき、投与後約14時間で最高血漿中濃度(約30ng/mL)に達し、半減期は約7時間であった1)。

16.3 分布

血漿蛋白結合率は約60~75%であった(血漿中濃度約180~540ng/mL、ヒト)2)(in vitro)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1代謝経路

健康成人男子に経口投与したときの主な代謝経路は、酸化的脱アミノ化、酸化的脱メチル化、脱アセチル化、抱合化である3)。

  1. 16.4.2代謝酵素

本剤は主として代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝される。