- 下記疾患又は状態における頻尿、尿失禁
神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)
- 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
2.1幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者[胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
2.2胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
2.3尿閉を有する患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
2.4閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
2.5重症筋無力症の患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
2.6重篤な心疾患の患者[期外収縮等が報告されており、症状が悪化するおそれがある。]
神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)
通常、成人にはプロピベリン塩酸塩として20mgを1日1回食後経口投与する。 年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分の場合は、20mgを1日2回まで増量できる。
眼調節障害、眠気、めまいがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること。
前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加するおそれがある。
閉塞隅角緑内障以外でも抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。
期外収縮等が報告されており、症状が悪化又は再発するおそれがある。
症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
腎排泄が減少し、副作用が発現しやすいおそれがある。
主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすいおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
安全性を考慮して10mg/日より投与を開始するなど慎重に投与すること。肝機能、腎機能が低下していることが多い。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 抗コリン作用を有する薬剤 • 三環系抗うつ剤 フェノチアジン系薬剤 モノアミン酸化酵素阻害剤 |
口渇、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。 | 抗コリン作用が増強されるおそれがある。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 1〜5%未満 |
| ALT上昇 | 1〜5%未満 |
| AST上昇 | 1〜5%未満 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| ジスキネジア | 頻度不明 |
| しびれ | 1〜5%未満 |
| そう痒 | 1〜5%未満 |
| パーキンソン症状(すくみ足 | 頻度不明 |
| めまい | 1〜5%未満 |
| 一過性健忘) | 頻度不明 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 1〜5%未満 |
| 口渇(12.8%) | 5%以上 |
| 味覚異常 | 1〜5%未満 |
| 咽頭部痛 | 頻度不明 |
| 嗄声 | 頻度不明 |
| 嘔気・嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 小刻み歩行等の歩行障害 | 頻度不明 |
| 尿意消失 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 意識障害(見当識障害 | 頻度不明 |
| 振戦等) | 頻度不明 |
| 排尿困難 | 1〜5%未満 |
| 期外収縮 | 頻度不明 |
| 残尿 | 1〜5%未満 |
| 浮腫 | 1〜5%未満 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 痰のからみ | 頻度不明 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少 | 1〜5%未満 |
| 眠気 | 1〜5%未満 |
| 眼球乾燥 | 1〜5%未満 |
| 胸部不快感 | 頻度不明 |
| 脱力感 | 1〜5%未満 |
| 腰痛 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 舌炎 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 1〜5%未満 |
| 血圧上昇 | 1〜5%未満 |
| 調節障害 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
摘出膀胱においてアセチルコリン及び塩化カリウム収縮を抑制し11)、ムスカリン受容体への親和性を有し12)、アトロピンで抑制されない経壁電気刺激収縮の抑制作用を示す13)。また、骨盤神経の切断末梢端刺激による膀胱収縮が抑制されることより、プロピベリン塩酸塩の作用は膀胱平滑筋側にあることが示唆される14)。一方、主代謝物であるM-1は平滑筋直接作用を、M-2は抗コリン作用を有する。
プロピベリン塩酸塩は平滑筋直接作用及び抗コリン作用を有し、主として平滑筋直接作用により排尿運動抑制作用を示すと推定される11)。
麻酔ラット及びイヌを用いたシストメトリーにおいて最大膀胱容量の増加作用を、また、除脳イヌを用いたシストメトリーにおいて最大膀胱容量並びに有効膀胱容量(1回排尿量)の増加作用を示すが、残尿量の有意な増加は認められなかった15),16),17),18)。
麻酔ラット及びイヌにおいて膀胱充満時の律動的収縮(排尿運動)の回数減少が認められた15),16)。
骨盤神経を切断した麻酔イヌにおいて骨盤神経の電気刺激による膀胱収縮力の低下作用が認められた14)。
膀胱平滑筋においてアセチルコリン及び塩化カリウムによる収縮(ラット、イヌ及びモルモット)と経壁電気刺激による収縮(ラット及びイヌ)の抑制が用量依存的に認められた11),13)。
健康成人男子にプロピベリン塩酸塩20mgを経口投与し、血漿中の未変化体及び代謝物を測定した。単回投与における未変化体とその主代謝物である1-メチル-4-ピペリジル ジフェニルプロポキシ酢酸 N-オキシド(プロピベリン塩酸塩のN-オキシド体であり、以下M-1と略す。)及び1-メチル-4-ピペリジル ベンジル酸 N-オキシド(M-1の脱プロピル体であり、以下M-2と略す。)の薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
| Tmax (hr) |
Cmax (ng/mL) |
AUC0~48hr (ng・hr/mL) |
T1/2 (hr) |
|
|---|---|---|---|---|
| 未変化体 | 1.67±0.52 | 52.42±17.32 | 559.97±167.17 | 14.78±3.12※1 |
| M-1 | 1.04±0.40 | 682.41±151.02 | 5540.65±1349.29 | 9.60±1.12 |
| M-2 | 1.69±0.48 | 9.50±2.23 | 117.88±23.33 | 10.07±1.95※2 |
(n=16, mean±S.D., ただし※1:n=15,※2:n=5)
1日1回7日間反復投与したとき、未変化体の血漿中濃度は4日目まで漸次上昇し、以降4~7日の投与期間中はほぼ一定した値を示し、投与終了後の半減期は約25時間であった。主代謝物であるM-1の血漿中濃度は未変化体と同様の推移を示し、投与終了後の半減期は約14時間であった3)。
プロピベリン塩酸塩錠10mg「NIG」及びプロピベリン塩酸塩錠20mg「NIG」とバップフォー錠10及びバップフォー錠20をクロスオーバー法によりそれぞれプロピベリン塩酸塩として20mgを健康成人男子に空腹時単回投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
| 投与量 | 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|---|
| AUC0~72 (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
||
| プロピベリン塩酸塩錠10mg「NIG」 | 20mg (2錠) |
2055.69 ±436.33 |
124.78 ±11.30 |
1.38 ±0.22 |
27.22 ±4.56 |
| バップフォー錠10 | 20mg (2錠) |
2079.49 ±398.96 |
127.61 ±17.19 |
1.38 ±0.29 |
25.71 ±4.48 |
| プロピベリン塩酸塩錠20mg「NIG」 | 20mg (1錠) |
2136.56 ±321.83 |
115.88 ±18.00 |
1.47 ±0.29 |
26.25 ±4.60 |
| バップフォー錠20 | 20mg (1錠) |
1957.98 ±290.99 |
115.55 ±14.98 |
1.41 ±0.27 |
26.52 ±3.90 |
(Mean±S.D.,n=16)
〈プロピベリン塩酸塩錠10mg「NIG」〉
〈プロピベリン塩酸塩錠20mg「NIG」〉
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
プロピベリン塩酸塩から主代謝物M-1への代謝には主としてCYP3A4が関与する3)。
健康成人男子にプロピベリン塩酸塩20mgを単回経口投与した時の0~48時間尿には代謝物であるM-1、M-2及び2,2-ジフェニル-5-メチル-1,4-ジオキサン-3-オンなどが主に排泄され、それらの尿中総排泄量は投与量の12~17%であった5)。