甲状腺機能亢進症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2本剤使用後肝機能が悪化した患者[本剤使用後肝機能が悪化した例で、継続投与中、劇症肝炎が発生したことがある。]
効能・効果
用法・用量
プロピルチオウラシルとして、通常成人に対しては初期量1日300mgを3~4回に分割経口投与する。症状が重症のときは1日400~600mgを使用する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間毎に漸減し、維持量1日50~100mgを1~2回に分割経口投与する。 通常小児に対しては初期量5歳以上~10歳未満では1日100~200mg、10歳以上~15歳未満では、1日200~300mgを2~4回に分割経口投与する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間毎に漸減し、維持量1日50~100mgを1~2回に分割経口投与する。 通常妊婦に対しては初期量1日150~300mgを3~4回に分割経口投与する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間毎に漸減し、維持量1日50~100mgを1~2回に分割経口投与する。正常妊娠時の甲状腺機能検査値を低下しないよう、2週間毎に検査し、必要最低限量を投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1中等度以上の白血球減少又は他の血液障害のある患者
白血球減少あるいは血液障害を悪化させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、検査成績又は臨床症状に悪化が認められた場合には、本剤の投与を中止し肝機能検査を含む観察を繰り返して、本剤との因果関係を確かめ、その状況に応じて適切な処置を行うこと。肝障害をさらに悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
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9.5.1治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎児に甲状腺腫、甲状腺機能抑制を起こすとの報告がある。
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9.5.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持するよう投与量を調節すること。
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9.5.3新生児に出生後しばらくは、甲状腺機能抑制、甲状腺機能亢進があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
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9.5.4本剤の妊娠中の投与により、新生児に肝障害があらわれたとの報告がある。
9.6 授乳婦
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9.6.1治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。なお、本剤を大量に投与する場合は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行(血清レベルの1/10程度)する。
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9.6.2本剤の授乳中の投与により、新生児に肝障害があらわれたとの報告がある。
9.8 高齢者
用量に注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリンカリウム |
併用開始時、中止時及び病態の変化に応じて血液凝固能が変化するので、血液凝固能検査値の変動に十分注意し、必要があれば抗凝血剤の用量調節を行う。 | 甲状腺機能が亢進すると凝固因子の合成・代謝亢進により、相対的にクマリン系抗凝血剤の効果は増強する。本剤投与により甲状腺機能が正常化すると、増強されていたクマリン系抗凝血剤の効果が減弱するとの報告がある。 |
| ジギタリス製剤 • ジゴキシン等 |
併用開始時、中止時及び病態の変化に応じてジギタリス製剤の血中濃度が変動するので、血中濃度の変動に十分注意し、必要があればジギタリス製剤の用量調節を行う。 | 甲状腺機能亢進時には、代謝・排泄が促進されているため、ジギタリス製剤の血中濃度が正常時に比較して低下する。本剤投与により甲状腺機能が正常化すると、ジギタリス製剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| こむらがえり | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| リンパ節腫脹 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 味覚減退) | 頻度不明 |
| 味覚異常(苦味 | 頻度不明 |
| 唾液腺肥大 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 末梢神経異常 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 瘙痒感 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 色素沈着 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
甲状腺内でペルオキシダーゼを阻害して、ヨウ化物の酸化とモノ及びジヨードチロニンからのチロキシン及びトリヨードチロニンに至る共役縮合反応を阻害することによって甲状腺ホルモンの産生を阻止する4)。
18.2 ヨウ素化阻害作用
ラットへのプロピルチオウラシル投与により、ヨードチロシンからヨードチロニンを生成する縮合反応、モノヨードチロシン(MIT)からジヨードチロシン(DIT)を生成するヨウ素化反応、更にチロシンからMITを生成するヨウ素化反応が阻害される5),6),7)。
18.3 末梢脱ヨウ素反応抑制作用
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18.3.1ラットへのプロピルチオウラシル投与によるチロキシンからトリヨードチロニンへの脱ヨウ素化抑制や131I-チロキシン投与による便中の131I排泄の増加、尿中排泄の減少等の末梢代謝抑制作用が認められた8)。
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18.3.2イヌに0.045~0.050mg/kgを静脈内投与した結果、酸素消費量は30%減少し、体温降下は5℃であった9)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 健康成人男子6例、及びバセドウ病患者7例にプロピルチオウラシル200mgを経口投与したところ、両群とも投与後1時間後に最高血中濃度に達し、各パラメータは下記の通りであった。いずれのパラメータも両群間に有意差は認められなかった2)。
| 最高血中濃度 (μg/mL) |
血中半減期 (min) |
|
|---|---|---|
| 健康成人(n=6) | 5.3±1.4 | 75±19 |
| バセドウ病患者(n=7) | 4.8±2.4 | 73±13 |
mean±S.D.
注)承認されている用法・用量は、通常成人に対してプロピルチオウラシルとして、初期量1日300mgを3~4回に分割経口投与、維持量1日50~100mgを1~2回に分割経口投与である。
16.5 排泄
ラットに14C-プロピルチオウラシル20mg/kgを経口、腹腔内、静脈内投与したところ、投与放射活性の75~90%が尿中に、約15%が胆汁中に排泄され、糞中にはほとんど認められなかった3)。