以下の状況におけるダビガトランの抗凝固作用の中和
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生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時
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重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時
イダルシズマブ(遺伝子組換え)(JAN)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
以下の状況におけるダビガトランの抗凝固作用の中和
生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時
重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時
通常、成人にはイダルシズマブ(遺伝子組換え)として1回5g(1バイアル2.5g/50mLを2バイアル)を点滴静注又は急速静注する。ただし、点滴静注の場合は1バイアルにつき5~10分かけて投与すること。
8.1本剤は、医学的に適切と判断される標準的対症療法の実施とともに使用すること。
8.2ダビガトランの抗凝固作用を中和することにより血栓症のリスクが増加するため、止血後は、速やかに適切な抗凝固療法の再開を考慮すること。なお、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩の投与は本剤の投与から24時間後に再開可能であり、他の抗凝固剤の投与は本剤投与後いつでも再開可能である。
本剤投与による治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。 本剤は添加物としてソルビトールを含有する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| びらん性胃炎 | 1%未満 |
| 上室性頻脈 | 1%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 低血圧 | 1%未満 |
| 四肢痛 | 1%未満 |
| 徐脈 | 1%未満 |
| 心停止 | 1%未満 |
| 心房血栓症 | 1%未満 |
| 注入部位疼痛 | 1%未満 |
| 深部静脈血栓症 | 1%未満 |
| 溢出 | 1%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 肺塞栓症 | 1%未満 |
| 脳卒中 | 1%未満 |
| 血小板減少症 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
イダルシズマブは、ダビガトラン及びそのグルクロン酸抱合代謝物と高い親和性で特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体フラグメント(Fab)であり、ダビガトラン及びそのグルクロン酸抱合代謝物の抗凝固作用を中和する8)。In vitro試験により、イダルシズマブとダビガトランが複合体を形成する際の会合速度は速く、解離速度は遅いため、複合体は安定であることが示されている8),9)。
18.2.1ヒトの治療域を超える血漿中濃度を達成するようダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(経口)及びダビガトラン(静脈内)を投与したブタに鈍的肝外傷を誘起し、外傷性出血に及ぼすダビガトランの抗凝固作用に対するイダルシズマブの中和効果について検討したところ、イダルシズマブ注射後5分以内にdTT、ECT及びaPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)はベースライン値に戻り、15分以内に止血が誘起された10)。
18.2.2ダビガトランの定常状態にある(ダビガトランエテキシラートとして220mgを1日2回投与)日本人健康成人男性9例に本剤5gを15分間隔で2回に分けて5分間静脈内投与したときの血漿中非結合型総ダビガトラン濃度時間推移及び血液凝固マーカー(dTT、ECT及びaPTT)の平均作用-時間推移を以下に示す(各推移の0時間時点はイダルシズマブ又はプラセボの1回目の投与終了に該当)。なお、日本人を対象とした第Ⅰ相試験のベースライン値から算出した「平均値+2×SD」を血液凝固マーカーの基準値上限とした5)。非結合型総ダビガトランの血漿中濃度時間推移(算術平均+SD、総ダビガトランはダビガトランとそのグルクロン酸抱合体の総和を表す)dTTの平均作用-時間推移(算術平均+SD)ECTの平均作用-時間推移(算術平均+SD)aPTTの平均作用-時間推移(算術平均+SD)
ダビガトランの定常状態(ダビガトランエテキシラートとして220mgを1日2回投与)にある日本人健康成人男性9例に本剤5gを15分間隔で2回に分けて5分間静脈内投与したときのイダルシズマブの血漿中濃度時間推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。イダルシズマブの血漿中濃度は約4時間でCmaxの5%未満に低下した。ダビガトラン非存在下で本剤1~8gを単回投与したとき、AUC0-∞は用量に比例して増加した5)。
血漿中イダルシズマブ濃度時間推移(算術平均+SD)
| イダルシズマブ5g (N=9) |
幾何平均値(% gCV)a) |
|---|---|
| AUC0-∞[nmol・h/L] | 43300(8.25) |
| Cmax[nmol/L] | 30100(11.5) |
| t1/2[h] | 7.91(9.33) |
| Vss[L] | 6.53(10.2) |
| CL[mL/min] | 40.2(8.25) |
a)gCVは幾何変動係数を表す。
母集団薬物動態解析の結果、イダルシズマブの薬物動態は、年齢及び性別による有意な影響を受けなかった6)。
411例の患者から得られた結果より、正常の腎機能患者(クレアチニンクリアランス(CrCL)80mL/min以上、CmaxはN=89、AUC0-24はN=76)に比べて、軽度の腎機能障害患者(CrCL 50mL/min以上80mL/min未満)、中等度の腎機能障害患者(CrCL 30mL/min以上50mL/min未満)、高度の腎機能障害患者(CrCL 30mL/min未満)のCmax及びAUC0-24は、それぞれ20%、29%、33%(N=136、109、77)及び38%、90%、146%(N=116、96、59)上昇した2)。
390例の患者から得られた結果より、肝機能正常患者(CmaxはN=322、AUC0-24は=272)に比べて、軽度の肝機能障害患者(ASTあるいはALTの上昇が基準値上限の2倍未満)、中等度の肝機能障害患者(ASTあるいはALTの上昇が基準値上限の2倍以上3倍未満)、高度の肝機能障害患者(ASTあるいはALTの上昇が基準値上限の3倍以上)のCmax及びAUC0-24の変化は、+1%、+4%、-2%(N=40、4、24)及び-3%、+36%、+17%(N=34、3、21)であった7)。