Clinical snapshot

フェインジェクト静注500mg

カルボキシマルトース第二鉄注射液

添付文書改訂 2023年08月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1鉄欠乏状態にない患者[鉄過剰を来すおそれがある]

  2. 2.2本剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

鉄欠乏性貧血

用法・用量

通常、成人に鉄として1回あたり500mgを週1回、緩徐に静注又は点滴静注する。総投与量は、患者の血中ヘモグロビン値及び体重に応じるが、上限は鉄として1,500mgとする。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1発作性夜間ヘモグロビン尿症を合併している患者

溶血を誘発するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤投与による肝機能の悪化に注意すること。鉄過剰により肝機能障害が悪化する可能性がある。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において過量投与で胎児の奇形が報告されており、母動物における鉄過剰に伴う毒性の二次的影響と考えられている1),2) 。また、ラットで胎盤通過性が報告されている3) 。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの乳汁中への移行が認められている4) 。

9.7 小児等

小児を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
γGTP増加 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
倦怠感 1%未満
嘔吐 頻度不明
悪心 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
投与部位疼痛 頻度不明
月経過多 頻度不明
発熱 頻度不明
肝機能検査値上昇 頻度不明
背部痛 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血中リン減少(20.1%) 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血圧低下 頻度不明
頭痛(4.3%) 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、マクロファージに取り込まれて分解された後、鉄は血漿トランスフェリンと結合して体内を循環する。トランスフェリンに結合した鉄は骨髄にて赤芽球に取り込まれ、ヘモグロビン合成に利用される13) 。

18.2 造血作用

鉄欠乏食で飼育した貧血ラットに本剤を鉄として5mgを単回静脈内投与した結果、血中ヘモグロビン値が上昇した8) 。

18.3 ヒトでの作用

18歳以上65歳未満で体重40kg以上(1,000mg群は50kg以上)の鉄欠乏性貧血患者24例に、本剤を鉄として100〜1,000mgを1回、緩徐に静注又は点滴静注したとき、血清フェリチン値は用量依存的な増加が認められた。また、全ての群において、不飽和鉄結合能の低下傾向、血清トランスフェリンの緩やかな低下傾向が認められた。また、網状赤血球数の増加が認められた6) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

18歳以上65歳未満で体重40kg以上(1,000mg群は50kg以上)の鉄欠乏性貧血患者24例に、本剤を鉄として100〜1,000mgを1回、緩徐に静注又は点滴静注したときの血清鉄(カルボキシマルトース、生体内の鉄結合性タンパク質と結合した鉄及び遊離鉄)の薬物動態パラメータは以下の表のとおりであった6) 。

本剤投与量注2)
(mg)
例数 AUC0-168h
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
100 6 465±88注3) 62.7注4)
500 6 3,400±570 89.1±93.0
800 6 6,560±1,190 70.5±28.0
1,000 6 8,680±1,200 42.2±24.2

平均値±標準偏差

注1)血清中のカルボキシマルトースと結合した鉄、生体内の鉄結合性タンパク質と結合した鉄及び遊離鉄

注2)鉄としての投与量

注3)AUC0-144h

注4)1例の値

本剤100〜1,000mgを静脈内投与後の血清鉄の推移(各群6例の平均値)

16.3 分布

  1. 16.3.1正常ラット及び鉄欠乏性貧血ラット

正常ラット及び鉄欠乏性貧血ラットに本剤の59Fe標識体を鉄として5mg単回静脈内投与したとき、いずれのラットにおいても、静脈内投与後の放射能は主に血球、肝臓及び脾臓に認められ、肝臓及び脾臓においては経時的に減少し、血球では経時的に上昇した7),8) 。

  1. 16.3.2妊娠ラット

妊娠ラットに、本剤の59Fe標識体を鉄として5mgを妊娠12日目に単回静脈内投与したとき、投与後72時間までの胎児の放射能濃度は胎盤中放射能濃度よりも低かった。投与後7日では胎児及び胎盤それぞれに投与放射能の9.2%及び3.1%が移行した3) 。

  1. 16.3.3ヒト胎盤灌流モデル

In vitroヒト胎盤灌流モデルにおいて、本剤の59Fe標識体を鉄として約0.6mg/mL(ヒトに1回あたり500mgを投与したときの最高血清中鉄濃度の約3倍)及びトランスフェリンを母体側回路へ添加した結果、胎児側回路から放射能は検出されなかった9) 。

16.4 代謝

血中でカルボキシマルトースがα-アミラーゼにより部分的に分解される。本剤及びカルボキシマルトースが部分的に分解された本剤は、細網内皮系の細胞に取り込まれた後、エンドリソソーム内で鉄が分離される10) 。

16.5 排泄

尿中に鉄はほとんど排泄されなかった6) 。

薬価情報

YJコードに紐付く薬価基準収載データを年度別に表示します。

最新薬価: ¥5759.00
年度 品名 規格 単位 薬価 後発品 適用日 製造販売会社
2026年度
フェインジェクト静注500mg 本剤
3222404A1021
500mg10mL1瓶 500mg10mL1瓶 ¥5759.00