Clinical snapshot

フィジオ140輸液(500mL)

1%ブドウ糖加酢酸リンゲル液

添付文書改訂 2023年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

効能・効果

  • 循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正

  • 代謝性アシドーシスの補正

用法・用量

通常、成人1回500~1000mLを点滴静注する。投与速度は通常成人1時間当たり15mL/kg体重以下とする。 なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

使用上の注意

本剤はエネルギー補給を目的とした薬剤ではないため、本剤の投与により患者の循環動態等が安定した場合には、患者の状態を考慮の上、漫然と投与することなく本剤の投与を中止し、必要に応じ維持輸液や高カロリー輸液等の投与に切り替えること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1糖尿病の患者

血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2心不全の患者

循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3高張性脱水症の患者

水分補給が必要であり、電解質を含む本剤の投与により症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者

水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ST低下 1〜5%未満
不整脈 1〜5%未満
末梢の浮腫 頻度不明
肺水腫 頻度不明
脳浮腫 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は細胞外液の補給・補正効果を示す。本剤に含まれる酢酸ナトリウムは、体内で代謝されてHCO3-となり、アシドーシスを補正する。

18.2 循環動態維持効果

循環血液量の約30%を急速に脱血した急性大量出血モデルウサギに対して、本剤を脱血量の約3倍の60mL/kgを1時間で耳辺縁静脈から急速投与し、循環動態の維持効果をリンゲル液及び5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液と比較検討を行った。その結果、脱血終了直後には血圧・心拍数・血流量は低下したが、本剤投与により回復し、血圧及び心拍数はその後良好に維持された2)。

18.3 血清マグネシウム維持及び出納の改善効果

手術侵襲モデルウサギに対して、マグネシウム濃度の維持効果を、マグネシウムを含まない酢酸リンゲル液及び5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液を対照として比較検討を行った。その結果、対照群では血清マグネシウムは低下する推移を示したが、本剤では術前のレベルが維持された3)。

18.4 血糖の維持、肝臓グリコーゲン低下抑制効果(1%ブドウ糖の配合効果)

  1. 18.4.1手術侵襲モデルウサギに対して、術直後より本剤を投与し、血清グルコース推移及び尿中グルコース排泄について、酢酸リンゲル液、5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液を対照として比較検討を行った。その結果、5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液では、血清グルコースは著しく上昇し、尿中に投与量の約30%のグルコース排泄がみられた。それに対し、本剤では酢酸リンゲル液と同様に尿中グルコース排泄はほとんどみられなかった3)。

  2. 18.4.2手術侵襲モデルラットに対して、術直後より本剤を投与し、糖を含まない酢酸リンゲル液を対照として比較検討を行った。その結果、本剤では術前絶食により低下した血漿グルコースが上昇し、正常レベルに回復し、肝臓グリコーゲン低下が抑制された。また、両群とも術前の絶食により血漿中の遊離脂肪酸及び総ケトン体が上昇したが、本剤においては血漿中の遊離脂肪酸及び総ケトン体が対照群に比し、有意に低値を推移した4)。

  3. 18.4.3循環血液量の約30%を急速に脱血した急性大量出血モデルウサギに対して、本剤を脱血量の約3倍の60mL/kgを1時間で急速投与し、5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液を対照として比較検討を行った。その結果、両群とも血清グルコースは上昇したが、5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液でみられる多量の尿中グルコース排泄は、本剤ではほとんどみられなかった5)。