透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、鉄として1回250mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日3000mgとする。
使用上の注意
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8.1本剤は、定期的に血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること。血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の発現あるいは悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与を考慮し、カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には、カルシウム受容体作動薬の減量等も考慮すること。また、二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤、カルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。
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8.2本剤は消化管内で作用する薬剤であるが、本剤の成分である鉄が一部吸収されるため、血清フェリチン等を定期的に測定し、鉄過剰に注意すること。また、ヘモグロビン等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には、過剰造血に注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1消化性潰瘍、炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者
病態を悪化させるおそれがある。
- 9.1.2鉄過剰症又は鉄過剰状態である患者
病態を悪化させるおそれがある。
- 9.1.3他の鉄含有製剤投与中の患者
鉄過剰症を引き起こすおそれがある。
- 9.1.4発作性夜間血色素尿症の患者
溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1C型慢性肝炎等の肝炎患者
病態を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • テトラサイクリン系抗生物質• ドキシサイクリン塩酸塩水和物等 | これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合には、これらの薬剤の作用を観察すること。 | これらの薬剤と結合し、吸収を減少させるおそれがある。 |
| • 甲状腺ホルモン製剤• レボチロキシンナトリウム水和物等 | これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合には、これらの薬剤の作用を観察すること。 | これらの薬剤と結合し、吸収を減少させるおそれがある。 |
| • セフジニル | これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合には、これらの薬剤の作用を観察すること。 | これらの薬剤では、鉄剤との結合により、吸収が減少するおそれがあるとの報告がある。 |
| • 抗パーキンソン剤• ベンセラジド塩酸塩・レボドパ等 | これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合には、これらの薬剤の作用を観察すること。 | これらの薬剤では、鉄剤との結合により、吸収が減少するおそれがあるとの報告がある。 |
| • エルトロンボパグ オラミン | これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合には、これらの薬剤の作用を観察すること。 | これらの薬剤では、鉄剤との結合により、吸収が減少するおそれがあるとの報告がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| ヘモグロビン増加 | 頻度不明 |
| 下痢(22.7%) | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 排便回数増加 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 胃腸炎 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 血中鉄増加 | 頻度不明 |
| 血清フェリチン増加 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
スクロオキシ水酸化鉄は、消化管内でリン酸と結合し、消化管からのリン吸収を抑制することにより、血清リン濃度低下作用を示す8)。
18.2 薬理作用
- 18.2.1in vitroにおけるリン吸着能
標準リン酸溶液を用いたリン吸着能の確認試験において、スクロオキシ水酸化鉄はpH3.0、5.5及び8.0のいずれのpHにおいてもリン吸着能を示した8)。
- 18.2.2血清リン濃度及びカルシウム・リン積低下作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄は1.5及び5%の混餌投与により血清リン濃度及びカルシウム・リン積を有意に低下させた8)。
- 18.2.3血管石灰化抑制作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄の5%の混餌投与により大動脈石灰化の病理組織学的スコアが改善し、石灰化の程度の軽減及び頻度の低下が認められた8)。
- 18.2.4二次性副甲状腺機能亢進症改善作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄は5%の混餌投与により血清PTH濃度を有意に低下させた8)。
- 18.2.5骨代謝異常抑制作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄の5%の混餌投与により大腿骨の類骨量、線維量及び空隙面積率が有意に低下し、骨組織の類骨形成、線維化及び多孔の抑制が認められた8)。
薬物動態
16.2 吸収
健康成人、保存期慢性腎臓病患者及び血液透析患者24例(各8例)を対象として、59Feで標識したスクロオキシ水酸化鉄を投与し、鉄吸収を検討した。健康成人では1日目に標識体を1日2000mg投与した後、2~7日目に非標識体を1日2000mg投与し、患者では1~6日目に非標識体を1日2000mg投与した後、7日目に標識体を1日2000mg投与した注1)。その結果、21日目における血中への標識体の鉄の取り込み(中央値)は、健康成人では0.43%、保存期慢性腎臓病患者では0.06%、血液透析患者では0.02%であった1)(外国人データ)。
16.3 分布
雄ラットに59Fe-スクロオキシ水酸化鉄をスクロオキシ水酸化鉄として250mg/kg(50mg Fe/kg)単回経口投与したとき、投与後2時間において血液、血漿、血球、胃壁/胃内容物、小腸壁/小腸内容物及び大腸壁/大腸内容物中で、投与後6時間においてそれらに加えて肝臓、脾臓及び骨髄中で放射能が検出された。投与後6時間において合計で投与量の81.2%の放射能が消化管(胃、小腸及び大腸)内容物中に存在し、消化管組織中の放射能は0.44~1.01%であった。また、血液、血漿、血球、肝臓、脾臓及び骨髄中の放射能は投与量の0.02~0.21%であった。投与後24時間における消化管内容物及び消化管組織中放射能は小腸においてそれぞれ投与量の0.06及び0.03%、大腸においてそれぞれ投与量の1.58及び0.08%であり、血液、血球、肝臓、脾臓及び骨髄中で検出された放射能は投与量の0.02~0.41%であった。投与後96時間以降は血液、血球及び肝臓中においてのみ放射能が検出され、投与後168時間における放射能はそれぞれ投与量の0.85、0.62及び0.18%であった。一方、投与後168時間まで上記以外の全ての組織中において放射能は検出されなかった2)。
16.5 排泄
雌雄ラットに59Fe-スクロオキシ水酸化鉄をスクロオキシ水酸化鉄として250mg/kg(50mg Fe/kg)単回経口投与し、投与後168時間までの尿及び糞中放射能を測定した。雄及び雌ラットにおいて糞中に排泄された放射能は投与後48時間までにそれぞれ投与量の101.0及び82.8%、投与後168時間までにそれぞれ投与量の102.7及び85.5%であった。一方、雌雄ラットともに投与後168時間まで放射能の尿中排泄は認められなかった。59Fe-スクロオキシ水酸化鉄を雌雄ラットに単回経口投与したときの主たる排泄経路は糞中であり、放射能は投与後48時間以内にほぼ排泄された3)。
注1)本剤の承認されている用法・用量は「通常、成人には、鉄として1回250mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日3000mgとする。」である。