Clinical snapshot

ピトレシン注射液20

合成バソプレシン

添付文書改訂 2022年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対しアナフィラキシー又は過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2冠動脈硬化症(心筋梗塞症、狭心症等)の患者[心筋虚血を延長させることがある。]

  3. 2.3急速な細胞外水分の増加が危険となるような病態(心不全、喘息、妊娠高血圧症候群、片頭痛、てんかん等)のある患者[水中毒を起こすことにより、それらの病態を悪化させるおそれがある。]

  4. 2.4血中窒素貯留のある慢性腎炎の患者[水分貯留を起こすことにより、血中窒素の排泄が抑制されるおそれがある。]

効能・効果

下垂体性尿崩症、下垂体性又は腎性尿崩症の鑑別診断、腸内ガスの除去(鼓腸、胆のう撮影の前処置、腎盂撮影の前処置)、食道静脈瘤出血の緊急処置

用法・用量

  • 〈下垂体性尿崩症〉

通常、成人にはバソプレシンとして1回2~10単位を必要に応じて1日2~3回皮下又は筋肉内注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈下垂体性又は腎性尿崩症の鑑別診断〉

通常、成人にはバソプレシンとして5~10単位を皮下又は筋肉内注射するか、0.1単位を静脈内注射し、その後尿量の減少が著しく、かつ尿比重が1.010以上にまで上昇すれば、バソプレシン反応性尿崩症が考えられる。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈腸内ガスの除去(鼓腸、胆のう撮影の前処置、腎盂撮影の前処置)〉

通常、成人にはバソプレシンとして5~10単位を皮下又は筋肉内注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈食道静脈瘤出血の緊急処置〉

通常、成人にはバソプレシンとして20単位を5%ブドウ糖液など100~200mLに混和し、0.1~0.4単位/分の注入速度で持続的に静脈内注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1ショック等の反応を予測するため、十分な問診をすること。
  • 〈食道静脈瘤出血の緊急処置〉
  1. 8.2頻回に臨床検査(心電図検査、血圧測定、尿量測定等)を行うなど、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること。

  2. 8.3食道静脈瘤破裂による出血の患者は、一般に肝機能に異常をきたしているので、本剤投与により肝血流量が更に減少し、不可逆性肝不全になるおそれがある。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1冠動脈硬化症以外の動脈硬化性疾患のある患者

全身の血管を収縮させ、血圧を高めることがある。

  1. 9.1.2高血圧を伴う循環器疾患のある患者

高血圧を亢進させるおそれがある。

  1. 9.1.3動脈硬化に起因しない虚血性心疾患のある患者

冠血流が減少し、狭心痛を強めるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。子宮収縮を起こすことがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
おくび 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不整脈 頻度不明
乏尿 頻度不明
体温下降 頻度不明
体重増加 頻度不明
冠動脈攣縮 頻度不明
動悸 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
喘鳴 頻度不明
嗜眠 頻度不明
失神 頻度不明
子宮収縮 頻度不明
徐脈 頻度不明
心室性期外収縮 頻度不明
心筋虚血 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
振戦 頻度不明
排便切迫 頻度不明
月経過多 頻度不明
気管支攣縮 頻度不明
潮紅 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚壊死 頻度不明
皮膚蒼白 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱力感 頻度不明
腸管痙攣 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹鳴 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血管攣縮 頻度不明
衰弱 頻度不明
頭痛 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

バソプレシンは主として抗利尿作用、平滑筋収縮作用および血管収縮作用を有する1)。

18.2 抗利尿作用

遠位尿細管における水の再吸収を促進することにより、抗利尿作用を発揮する2)。

18.3 腸管平滑筋に対する作用

腸管平滑筋に直接作用してこれを収縮させる2)。

18.4 止血作用

腹部内臓の細動脈を収縮させ、門脈血流を減少させるので、一時的に門脈圧が下降するため、門脈圧亢進による食道出血時に止血作用を発揮する3)。