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ピオグリタゾンOD錠15mg「NS」

ピオグリタゾン塩酸塩

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者[動物試験において循環血漿量の増加に伴う代償性の変化と考えられる心重量の増加がみられており、また、臨床的にも心不全を増悪あるいは発症したとの報告がある。]

  2. 2.2重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となる。]

  3. 2.3重篤な肝機能障害のある患者

  4. 2.4重篤な腎機能障害のある患者

  5. 2.5重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

  6. 2.6本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  7. 2.7妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

2型糖尿病 ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合に限る。 1.①食事療法、運動療法のみ ②食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用 ③食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用 ④食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用 2.食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用

用法・用量

  • 〈食事療法、運動療法のみの場合及び食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤又はα-グルコシダーゼ阻害剤若しくはビグアナイド系薬剤を使用する場合〉

通常、成人にはピオグリタゾンとして15~30mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、45mgを上限とする。

  • 〈食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用する場合〉

通常、成人にはピオグリタゾンとして15mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、30mgを上限とする。

使用上の注意

  1. 8.1循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が短期間に発現し、また心不全が増悪あるいは発症することがあるので、服用中の浮腫、急激な体重増加、症状の変化に注意し、異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するよう患者を指導すること。

  2. 8.2心電図異常や心胸比増大があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど十分に観察し、異常が認められた場合には投与を一時中止するかあるいは減量するなど慎重に投与すること。

  3. 8.3基礎に肝機能障害を有するなど必要な場合には定期的に肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  4. 8.4低血糖を起こすことがあるので、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。

  5. 8.5本剤を投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加する可能性が完全には否定できないので、以下の点に注意すること。

  • 膀胱癌治療中の患者には投与を避けること。また、特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。

  • 投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与すること。また、投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導すること。

  • 投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと。

  1. 8.6投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切り替えを行うこと。

  2. 8.7急激な血糖下降に伴い、糖尿病性網膜症が悪化する例があることが知られており、本剤においても報告例があるので留意すること。

  3. 8.8低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。

  4. 8.9α-グルコシダーゼ阻害剤と本剤1日45mgの併用における安全性は確立していない(使用経験はほとんどない)。

  5. 8.10α-グルコシダーゼ阻害剤、スルホニルウレア系薬剤及び本剤の3剤を併用投与する場合の安全性は確立していない。臨床試験成績より、副作用発現率が高くなる傾向が認められている。

  6. 8.11ビグアナイド系薬剤と本剤1日45mgの併用における安全性は確立していない(使用経験はほとんどない)。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者

循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがある。

  1. 9.1.2低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
  • 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全

  • 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態

  • 激しい筋肉運動

  • 過度のアルコール摂取者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害患者

投与しないこと。

  1. 9.2.2腎機能障害患者(重篤な腎機能障害患者を除く)

慎重に投与すること。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害患者

投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、蓄積するおそれがある。

  1. 9.3.2肝機能障害患者(重篤な肝機能障害患者を除く)

慎重に投与すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット器官形成期投与試験では、40mg/kg以上の群で胚・胎児死亡率の高値、出生児の生存率の低値が、ウサギ器官形成期投与試験では、160mg/kg群で親動物の死亡又は流産がそれぞれ1例、胚・胎児死亡率の高値がみられている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている1) 。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP2C8で代謝され、他に複数の分子種が代謝に関与する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
糖尿病用薬
• スルホニルウレア系薬剤
ビグアナイド系薬剤
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害剤
DPP-4阻害剤
GLP-1アナログ製剤
インスリン製剤
低血糖を発現するおそれがあるので、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。 併用時には、血糖降下作用の増強により、低血糖のリスクが増加するおそれがある。
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強又は減弱する薬剤を併用している場合
• 糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤• β-遮断剤
サリチル酸剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
フィブラート系の高脂血症治療剤
ワルファリン等
• 糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤• アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン等
左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤のインスリン抵抗性改善作用が加わることによる影響に十分注意すること。 血糖降下作用の増強又は減弱による。
リファンピシン等のCYP2C8を誘導する薬剤 リファンピシンと併用するとピオグリタゾンのAUCが54%低下するとの報告があるので、リファンピシンと併用する場合は血糖管理状況を十分に観察し、必要な場合には本剤を増量すること。 CYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進されると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN及びカリウムの上昇 1〜5%未満
LDH及びCKの上昇 5%以上
γ-GTPの上昇 1〜5%未満
しびれ 1〜5%未満
そう痒 1〜5%未満
ふらつき 1〜5%未満
ふるえ 1%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
体重及び尿蛋白の増加 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
増悪注4) 頻度不明
心胸比増大注2) 1〜5%未満
心電図異常注2) 1〜5%未満
急激な血糖下降に伴う糖尿病性網膜症の悪化 1%未満
息切れ 1〜5%未満
悪心・嘔吐 1〜5%未満
湿疹 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
白血球減少 1〜5%未満
眠気 1〜5%未満
糖尿病性黄斑浮腫の発症 頻度不明
総蛋白及びカルシウムの低下 1〜5%未満
胃部不快感 1〜5%未満
胸やけ 1〜5%未満
胸部圧迫感 1〜5%未満
脱力感 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
血圧上昇 1〜5%未満
血小板減少 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
関節痛 1%未満
頭痛 1〜5%未満
顔面潮紅 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満
食欲亢進 1〜5%未満
骨折注3) 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ピオグリタゾン塩酸塩はインスリン抵抗性を軽減することにより、肝における糖産生を抑制し、末梢組織における糖の取り込みと利用を高め血糖を低下させる。インスリン抵抗性の主因である細胞内インスリン情報伝達機構を正常化するものと推測されている16) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験
  • 〈ピオグリタゾンOD錠15mg「NS」〉

ピオグリタゾンOD錠15mg「NS」とアクトス錠15を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピオグリタゾンとして15mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与(水で服用及び水なしで服用)して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された9) 。

  • (1)水で服用

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-48
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    ピオグリタゾンOD錠15mg「NS」 7819±2023 799±190 1.6±0.6 7.0±1.7
    アクトス錠15 8444±1759 869±181 1.6±0.9 6.1±1.3

(Mean±S.D., n=20)

  • (2)水なしで服用(アクトス錠15は水で服用)
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ピオグリタゾンOD錠15mg「NS」 7864±2996 786±234 2.0±1.1 7.0±1.8
アクトス錠15 7651±1927 793±238 1.9±1.0 7.0±2.5

(Mean±S.D., n=20)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈ピオグリタゾンOD錠30mg「NS」〉

ピオグリタゾンOD錠30mg「NS」とアクトス錠30を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピオグリタゾンとして30mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与(水で服用及び水なしで服用)して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された10) 。

  • (1)水で服用

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-48
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    ピオグリタゾンOD錠30mg「NS」 13860±3063 1384±351 1.8±1.1 6.9±1.5
    アクトス錠30 14682±3975 1382±435 2.2±1.4 8.7±6.0

(Mean±S.D., n=20)

  • (2)水なしで服用(アクトス錠30は水で服用)
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ピオグリタゾンOD錠30mg「NS」 13394±4205 1312±509 2.7±1.1 6.9±1.3
アクトス錠30 14021±3813 1236±369 2.2±1.5 7.7±1.8

(Mean±S.D., n=14)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

ピオグリタゾンの代謝にはチトクロームP450 1A1、1A2、2C8、2C9、2C19、2D6、3A4の複数の分子種が関与している。また、ピオグリタゾンはヒトチトクロームP450分子種発現ミクロゾームの代謝活性に対して、チトクロームP450 1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4にほとんど影響を与えない(in vitro)11),12) 。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1スルホニルウレア剤

スルホニルウレア剤(グリベンクラミド、グリクラジド)使用中の2型糖尿病患者(9例)に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mgを7日間経口投与した時、ピオグリタゾンの未変化体及び活性化合物合計(未変化体+M-Ⅱ~Ⅳ)の血中濃度は食事療法のみの2型糖尿病患者での結果と近似しており、また、スルホニルウレア剤の血中濃度推移及び蛋白結合率に影響はみられていない13)。

  1. 16.7.2α-グルコシダーゼ阻害剤

ボグリボース使用中の2型糖尿病患者(42例)に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mg(1例のみ15mg)を経口投与した時、ピオグリタゾンの活性化合物合計(未変化体+M-Ⅱ~Ⅳ)の血中濃度は食事療法のみ又はスルホニルウレア剤使用中の2型糖尿病患者での結果と近似している14)。

  1. 16.7.3ビグアナイド系薬剤

メトホルミン反復投与中の健康成人男子(14例)に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mgを経口投与した時、ピオグリタゾンの活性化合物合計(未変化体+M-Ⅱ~Ⅳ)の血中濃度はピオグリタゾン単独投与時の健康成人男子での結果と近似している15)。