Clinical snapshot

ビンダケルカプセル20mg

タファミジスメグルミン

添付文書改訂 2025年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の進行抑制

  • トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)

用法・用量

  • 〈トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー〉

通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回20mgを1日1回経口投与する。

  • 〈トランスサイレチン型心アミロイドーシス〉

通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回80mgを1日1回経口投与する。忍容性がない場合は減量できる。

使用上の注意

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害患者

重度の肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

本剤の消失半減期を考慮し、本剤の投与期間中及び最終投与後1ヵ月間は、妊娠する可能性のある患者には適切な避妊法を用いるように指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ウサギを用いた実験において、最大臨床曝露量の0.9倍の曝露により胎児の骨格奇形及び変異の発生頻度の軽度増加が認められ、胎児の生存率及び体重の減少も報告されている。また、妊娠及び授乳期ラットに最大臨床投与量の3倍以上に相当する用量の投与により、出生児の生存率及び体重の減少、性成熟の遅延、学習・記憶障害が認められた1),2) 。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている3) 。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は乳癌耐性タンパク(BCRP)に対して阻害作用を示す。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
BCRPの基質となる薬剤
メトトレキサート
ロスバスタチン
イマチニブ等
本剤と併用投与した場合、これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 本剤のBCRP阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST増加 頻度不明
γ-GTP増加 頻度不明
アミロイドーシス 頻度不明
インフルエンザ 1%未満
インフルエンザ様疾患 1%未満
うつ病 1%未満
おくび 頻度不明
しゃっくり 1%未満
じん麻疹 1%未満
そう痒症 頻度不明
チェーン・ストークス呼吸 頻度不明
プロトロンビン時間延長 頻度不明
リンパ節症 頻度不明
リンパ腫 1%未満
レッチング 頻度不明
一過性脳虚血発作 1%未満
三尖弁閉鎖不全症 頻度不明
上咽頭炎 頻度不明
上室性期外収縮 1%未満
上強膜炎 1%未満
上気道感染 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢 頻度不明
下肢静止不能症候群 1%未満
不整脈 1%未満
不眠症 頻度不明
乳房腫瘤 頻度不明
乳房腫脹 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
体液貯留 1%未満
体重減少 1%未満
便秘 頻度不明
便習慣変化 頻度不明
倦怠感 1%未満
健忘 頻度不明
傾眠 1%未満
僧帽弁閉鎖不全症 1%未満
光線角化症 頻度不明
副鼻腔炎 1%未満
勃起不全 頻度不明
動悸 頻度不明
十二指腸潰瘍 頻度不明
口内乾燥 1%未満
口腔咽頭痛 1%未満
口腔障害 頻度不明
味覚消失 1%未満
味覚異常 1%未満
呼吸困難 1%未満
咳嗽 頻度不明
咽頭炎 1%未満
喀血 頻度不明
喘息 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
四肢痛 頻度不明
四肢膿瘍 1%未満
回転性めまい 頻度不明
国際標準比(INR)増加 1%未満
基底細胞癌 1%未満
外陰部腟カンジダ症 1%未満
多汗症 1%未満
大動脈弁閉鎖不全症 頻度不明
大赤血球症 頻度不明
失神 頻度不明
失語症 頻度不明
女性化乳房 1%未満
尿中ウロビリノーゲン増加 頻度不明
尿中蛋白陽性 頻度不明
尿路感染 頻度不明
尿路痛 頻度不明
尿閉 1%未満
左脚ブロック 1%未満
平衡障害 1%未満
徐脈 頻度不明
心不全 1%未満
心停止 頻度不明
心室性頻脈 1%未満
心拍数減少 頻度不明
心窩部不快感 頻度不明
心電図異常 1%未満
急性腎障害 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
感染性皮膚潰瘍 1%未満
感染性腸炎 頻度不明
感覚消失 1%未満
感覚鈍麻 1%未満
慢性気管支炎 頻度不明
慢性閉塞性肺疾患 頻度不明
憩室 頻度不明
房室ブロック 頻度不明
扁平上皮癌 頻度不明
扁桃炎 1%未満
排便回数増加 1%未満
斑状丘疹状皮疹) 頻度不明
斑状出血 頻度不明
早期満腹 1%未満
末梢性ニューロパチー 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
末梢腫脹 頻度不明
歯感染 1%未満
歯肉腫脹 1%未満
気分変化 1%未満
気管支炎 1%未満
水分過負荷 頻度不明
洞結節機能不全 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
消化不良 頻度不明
消化管運動障害 1%未満
灼熱感 頻度不明
無力症 1%未満
狭心症 頻度不明
甲状腺機能亢進症 頻度不明
甲状腺機能低下症 頻度不明
異常感 頻度不明
異常感覚 1%未満
疲労 1%未満
痔核 1%未満
痛風 頻度不明
発熱 1%未満
発疹(湿疹 頻度不明
白内障 頻度不明
白血球減少 頻度不明
皮疹 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚病変 1%未満
直腸ポリープ 頻度不明
真菌感染 頻度不明
眼乾燥 1%未満
眼出血 頻度不明
眼痛 1%未満
睡眠時無呼吸症候群 1%未満
神経痛 頻度不明
筋力低下 1%未満
筋攣縮 1%未満
筋痙縮 1%未満
筋緊張低下 頻度不明
筋肉疲労 1%未満
筋肉痛 1%未満
精神的機能障害 頻度不明
糸球体濾過率減少 頻度不明
網脈絡膜症 1%未満
緊張性頭痛 1%未満
耳そう痒症 頻度不明
耳不快感 頻度不明
耳痛 頻度不明
聴力低下 1%未満
肛門出血 1%未満
肝機能検査値上昇 頻度不明
肝機能異常 頻度不明
肝腫大 1%未満
肝臓うっ血 1%未満
肝酵素上昇 1%未満
肺炎 頻度不明
胃炎 1%未満
胃腸炎 1%未満
胃腸障害 頻度不明
胃食道逆流性疾患 1%未満
胆汁うっ滞 頻度不明
胆汁うっ滞性黄疸 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸水 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
脱毛症 1%未満
腎感染 頻度不明
腎機能障害 頻度不明
腎腫瘤 頻度不明
腟感染 1%未満
腱痛 1%未満
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
膀胱炎 1%未満
膵炎 頻度不明
膵腫瘤 頻度不明
色素沈着障害 1%未満
蒼白 頻度不明
蜂巣炎 1%未満
血中クレアチニン増加 1%未満
血中クレアチン増加 頻度不明
血中コレステロール増加 1%未満
血中テストステロン減少 1%未満
血中ビリルビン増加 1%未満
血中尿素増加 1%未満
血中尿酸増加 1%未満
血小板減少症 1%未満
血尿 頻度不明
裂孔ヘルニア 頻度不明
視力障害 頻度不明
記憶障害 1%未満
貧血 頻度不明
赤血球増加症 1%未満
起立性低血圧 頻度不明
足底筋膜炎 頻度不明
軟便 頻度不明
転倒 頻度不明
過敏症 頻度不明
鉄欠乏 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
錯感覚 1%未満
門脈血栓症 頻度不明
関節炎 1%未満
関節痛 1%未満
難聴 頻度不明
霧視 頻度不明
頚部痛 1%未満
頭痛 頻度不明
頻脈 1%未満
食欲減退 頻度不明
食道炎 1%未満
骨折 1%未満
髄膜炎 1%未満
高尿酸血症 頻度不明
高眼圧症 1%未満
高血圧 1%未満
鼓腸 頻度不明
鼓膜障害 頻度不明
鼻炎 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  • タファミジスはTTRの天然構造である4量体の2つのサイロキシン結合部位のうち少なくとも1つに結合することで4量体を安定化させ、その解離及び変性を抑制し、新たなTTRアミロイド形成を抑制する24)。
  1. 18.1.1 In vitro試験において、TTRとの結合に関する解離定数は2~3nmol/L(Kd1)及び154~278nmol/L(Kd2)であった。

  2. 18.1.2 In vitro試験において、野生型、Val30Met及びVal122Ile変異型TTR(3.6μmol/L)の酸性条件下における線維形成を抑制し、それぞれに対するEC50値は、2.7、3.2及び4.1μmol/Lであった。

  3. 18.1.3 In vitro試験において、野生型、Val30Met、Val122Ile変異型TTRを有するヒト血漿に本薬3.6又は7.2μmol/Lを添加することにより、尿素による4量体の解離を濃度依存的に抑制した。

  4. 18.1.4Val30Met以外の変異を有する被験者から採取した血漿に本薬7.2μmol/Lを添加したところ、25種の変異型で尿素による解離が抑制された。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人及び外国人健康成人に、タファミジスメグルミン20及び40mg注)を空腹時に単回投与した後の薬物動態パラメータを表1に、血漿中濃度推移を図1に示す。 タファミジスは速やかに吸収され、最高血漿中濃度到達時間(tmax)は投与量によらず、投与後0.5~4時間であった。最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)の平均値は40mgまでの投与量でほぼ用量に比例して増加した4)。 注)本剤のトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー及びトランスサイレチン型心アミロイドーシスに対する承認用法用量はそれぞれ1回20mgを1日1回経口投与及び1回80mgを1日1回経口投与である。

投与量
(mg)
Cmax
(μg/mL)
AUC0-∞
(μg・h/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
日本人(n=6)
20 1.23(0.19) 60.5(9.8) 2.5(2~4) 40.7(8.7)
40 2.59(0.61) 115.3(30.7) 3.0(0.5~4) 40.0(10.2)
外国人(n=3)
20 1.06(0.08) 53.7(7.4) 3.0(0.5~4) 40.6(12.0)
40 2.19(0.39) 95.2(18.5) 3.0(1~4) 51.0(13.8)

平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(範囲)

図1 タファミジスメグルミンを単回投与後の血漿中濃度推移 (平均値±標準偏差、右図は投与後12時間までの拡大図)

  1. 16.1.2反復投与

日本人トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの患者に、タファミジスメグルミン20mgを1日1回52週間反復経口投与すると、2週目までに定常状態に達した。主に日本人被験者で実施した母集団薬物動態解析の結果から、定常状態時のCmax及びAUC0-24の幾何平均値は、それぞれ2.61μg/mL及び53.3μg・h/mLであった。また、外国健康成人に、タファミジスメグルミン80mgを1日1回7日間反復投与後のCmax及びAUC0-24の幾何平均値はそれぞれ9.09μg/mL及び166μg・h/mLであった5),6),7)。

  1. 16.1.3*タファミジスメグルミン(20mgを4カプセル)とタファミジス遊離酸注1)61mgの相対的バイオアベイラビリティ試験

健康成人にタファミジスメグルミン20mgを4カプセルとタファミジス遊離酸61mgの定常状態時のPKパラメータを比較したところ、両製剤は生物学的同等性の基準を満たした8)(外国人データ)。

AUC0-24
(μg・h/mL)
Cmax
(μg/mL)
tmax
(h)
Cmin
(μg/mL)
タファミジス遊離酸61mg 170.0(23) 8.55(23) 4.00(2.00-8.00) 5.34(27)
タファミジスメグルミン(20mg 4カプセル) 166.2(20) 9.09(18) 2.00(0.500-6.02) 4.90(26)

[tmaxを除き幾何平均値(幾何%変動係数)、tmaxは中央値(範囲)、n=30]

図2 タファミジスメグルミン(20mgを4カプセル)とタファミジス遊離酸61mgを7日間反復投与後の血漿中濃度推移

注1)一般名はタファミジスであるが、本剤(タファミジスメグルミン)と区別するため、タファミジス遊離酸と記載した。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人にタファミジスメグルミン20mgを空腹時又は食後に単回投与したところ、食事によりCmaxは約23%低下したが、AUC0-lastには影響を及ぼさなかった9)(外国人データ)。

16.3 分布

In vitro試験の結果、タファミジスの血漿蛋白結合率は約99.5%であった10)。

16.4 代謝

In vitro試験において、タファミジスメグルミンはチトクロームP450代謝酵素であるCYP1A2、CYP3A4、CYP3A5、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19及びCYP2D6を顕著に阻害しなかった。 In vitro試験において、タファミジスメグルミンのCYP1A2活性に対する誘導作用はわずかであったが、CYP3A4及びCYP2B6活性に対しては誘導作用が示唆された。健康成人にタファミジスメグルミンとCYP3A4の基質薬(ミダゾラム)を併用投与したとき、CYP3A4の誘導作用は認められなかった11),12)。 また、臨床用量で想定される血漿中濃度に基づくと、CYP2B6についてもin vivoでの誘導の可能性は低いと考えられた。

16.5 排泄

外国人健康成人に14C-タファミジスメグルミン20mgを単回経口投与した時、血中には主に未変化体が存在した。また、血漿、尿及び糞中には未変化体とタファミジスのグルクロン酸抱合体が存在した。14C-タファミジスメグルミンを投与後、最大23日目までの試料を用いた結果、タファミジスは主に糞を介して排泄され、平均総回収率は総投与量の58.5%であった。一方、尿の平均総回収率は22.4%であった13)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1高齢者

母集団薬物動態解析の結果によると、65歳未満の被験者と比較して、65歳以上の被験者のクリアランスは14.5%低かった14)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

健康被験者又は軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者にタファミジスメグルミン20mgを単回投与した後の薬物動態パラメータを表3に示す。 軽度(Child-Pughスコア5~6)の肝機能障害を有する被験者と健康被験者でPKを比較した結果、Cmax及びAUC0-∞は健康被験者に比べてそれぞれ平均6%及び17%低値を示した。 中等度(Child-Pughスコア7~9)の肝機能障害を有する被験者と健康被験者でPKを比較した結果、Cmaxは平均3%の変化で類似していたがAUC0-∞は健康被験者に比べて平均41%低値を示した15)(外国人データ)。

Cmax
(μg/mL)
AUC0-last
(μg・h/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
健康被験者又は軽度の肝機能障害を有する被験者を対象(n=9)a)
健康被験者 1.21(0.32) 66.6(20.8) 2.0(0.5~8.0) 53.9(20.6)
軽度の肝機能障害を有する被験者 1.11(0.20) 54.5(12.7) 3.0(0.5~4.0) 56.4(18.0)
健康被験者又は中等度の肝機能障害を有する被験者を対象(n=9)
健康被験者 1.28(0.32) 65.5(14.5) 2.0(0.5~8.0) 54.0(12.0)
中等度の肝機能障害を有する被験者 1.38(0.56) 42.8(12.9) 1.0(0.5~4.0) 45.1(11.9)

平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(範囲) a)健康被験者には、中等度で実施した健康被験者の2例の結果を含む

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1ミダゾラム

健康成人にタファミジスメグルミン20mgを1日1回14日間反復経口投与時の前日及び最終日にミダゾラム7.5mgを投与し、ミダゾラムとその活性代謝物の濃度を測定したとき、タファミジスメグルミンの併用により、ミダゾラムのCmaxは約11%減少したが、AUC0-∞及びクリアランスは変化しなかった16)(外国人データ)。

  1. 16.7.2ロスバスタチン

健康成人にタファミジス遊離酸61mgを7日間反復投与後にBCRPの基質であるロスバスタチン10mgを単回併用投与し、ロスバスタチンの血漿中濃度を測定したとき、タファミジス遊離酸の併用により、ロスバスタチンのAUC及びCmaxは約2倍に増加した17)(外国人データ)。

  1. 16.7.3In vitro試験

タファミジスは乳癌耐性タンパク(BCRP)に対して阻害作用を示し、IC50値は1.16μmol/Lであった18)。

薬価情報

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最新薬価: ¥9716.50
年度 品名 規格 単位 薬価 後発品 適用日 製造販売会社
2026年度
ビンダケルカプセル20mg 本剤
1290001M1022
20mg1カプセル 20mg1カプセル ¥9716.50