エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失が確認されているデュシェンヌ型筋ジストロフィー
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、ビルトラルセンとして80mg/kgを週1回、1時間かけて静脈内投与する。
使用上の注意
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**8.1本剤の投与は、本剤に関する十分な知識及びデュシェンヌ型筋ジストロフィーの診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。在宅投与を行う場合には、これらの医師との連携のもとで行うこと。
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8.2本剤投与によりβ2ミクログロブリン増加及びNAG増加が認められ、非臨床試験においても腎臓への影響が認められているため、本剤投与中は定期的に腎機能検査を行うこと。
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8.3rasH2マウスにおいて尿管の移行上皮癌が報告されているため、投与開始に先立ち、患者又はその家族に尿管における腫瘍発生のリスクを十分に説明するとともに、本剤投与中は定期的に尿沈渣、尿細胞診、腎尿路系の超音波検査を実施し、臨床的に問題となる異常が認められた場合には、投与を中止すること。また、痛みや閉塞など、尿路に何らかの自覚症状が認められた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう患者又はその家族に指導すること。これらの症状が認められた場合には、泌尿器科医と連携して適切な対応を行うこと。
9.2 腎機能障害患者
本剤の排泄が遅延するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胚・胎児発生に関する試験は実施していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物における乳汁移行試験は実施していない。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は4歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| BNP増加 | 5%以上 |
| NAG増加 | 5%以上 |
| β2ミクログロブリン増加 | 頻度不明 |
| インターロイキン濃度増加 | 5%以上 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 毛髪変色 | 頻度不明 |
| 注射部位漏出 | 頻度不明 |
| 注射部位紅斑 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 発熱 | 5%以上 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 5%以上 |
| 駆出率減少 | 5%以上 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ビルトラルセンはデュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因遺伝子であるジストロフィンのエクソン53を標的とするアンチセンス核酸であり、ジストロフィンmRNA前駆体のエクソン53に結合し、エクソン53をスキッピングすることでアミノ酸読み取り枠を回復させ、機能的なジストロフィンタンパク質を発現させることにより、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する作用を示すと考えられている。
18.2 エクソン53スキッピング活性
エクソン45-52又はエクソン48-52を欠失したデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者由来線維芽細胞から分化させた筋管細胞において、ジストロフィンmRNA前駆体のエクソン53スキッピング作用及びジストロフィンタンパク質の発現増加が認められた10),11)。
薬物動態
16.1 血中濃度
日本人デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者16例に、ビルトラルセン40注1) 及び80mg/kg(各8例)を1時間かけて静脈内投与したときのビルトラルセンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。 また、初回投与時と24週時で、いずれの薬物動態パラメータにも有意な差は認められなかった3)。
ビルトラルセン40及び80mg/kgを1時間かけて静脈内投与したときのビルトラルセンの血漿中濃度推移(上段:初回投与時 下段:24週時)▼:40mg/kg、■:80mg/kg(平均値+標準偏差、各用量n=8)
| 投与群 | Cmax(μg/mL) | tmax(hr) | t1/2(hr) | AUC0-∞(μg・hr/mL) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 40mg/kg | 初回 | 147±34.5 | 0.75 [0.50, 1.00] |
2.43±0.527 | 235±60.1 |
| 24週時 | 165±79 | 1.00 [0.50, 1.00] |
2.00±0.700 | 241±93.2 | |
| 80mg/kg | 初回 | 321±74.8 | 1.00 [0.50, 1.00] |
2.49±0.163 | 491±125 |
| 24週時 | 329±91 | 1.00 [0.50, 1.00] |
2.45±0.0799 | 508±111 |
各用量n=8、平均値±標準偏差、tmaxは中央値[最小値、最大値]
16.3 分布
14C-ビルトラルセンの血清タンパクに対する結合率は、39.4~40.3%であった4)(in vitro)。
16.4 代謝
ビルトラルセンは、血清、肝由来試料(ミクロソーム及びS9)、DNase I及びPDE1により代謝を受けなかった5)(in vitro)。
16.5 排泄
日本人デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者8例にビルトラルセン80mg/kgを1時間かけて静脈内投与したとき、投与後24時間までに尿中へ未変化体として92.0~93.1%が排泄された3)。
16.7 薬物相互作用
ビルトラルセンはCYP3A4及びUGT1A1に対して弱い阻害作用を示した(Ki値はそれぞれ1.09及び0.642mmol/L)6),7)(in vitro)。また、ビルトラルセンはOATP1B1、OATP1B3、OAT3及びBCRPに対して弱い阻害作用を示した(IC50値はそれぞれ0.485、0.448、0.176及び1.97mmol/L)8)(in vitro)。
注1)本剤の承認された用法・用量は「通常、ビルトラルセンとして80mg/kgを週1回、1時間かけて静脈内投与する。」である。