Clinical snapshot

ビラスチンOD錠20mg「TCK」

ビラスチン口腔内崩壊錠

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • アレルギー性鼻炎

  • 蕁麻疹

  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法・用量

通常、成人にはビラスチンとして1回20mgを1日1回空腹時に経口投与する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
  • 〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 8.2本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1中等度(30≦GFR<50mL/min/1.73m2)又は重度(GFR<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害のある患者

本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

授乳中の女性には治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般的に生理機能が低下していることが多く、腎臓からも排泄される本剤では血中濃度が上昇するおそれがある。

相互作用

  • ビラスチンはP糖蛋白の基質である1) 。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エリスロマイシン
ジルチアゼム
本剤の血漿中濃度を上昇させるとの報告がある。 P糖蛋白の阻害による本剤の吸収率の増加に起因すると推定される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 1%未満
γ-GTP上昇 1%未満
そう痒症 頻度不明
トリグリセリド上昇 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 1%未満
不安 頻度不明
不眠 頻度不明
体重増加 頻度不明
動悸 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口渇 1%未満
口腔ヘルペス 頻度不明
右脚ブロック 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
心電図QT延長 頻度不明
心電図異常 頻度不明
悪心 頻度不明
洞性不整脈 頻度不明
消化不良 頻度不明
無力症 頻度不明
疲労 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 1%未満
耳鳴 頻度不明
胃不快感 頻度不明
胃炎 頻度不明
腹痛 1%未満
血中クレアチニン上昇 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
頭痛 1%未満
頻脈 頻度不明
食欲亢進 頻度不明
鼻乾燥 1%未満
鼻部不快感 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ビラスチンはヒスタミンH1受容体拮抗作用及び抗アレルギー作用を示す。

18.2 ヒスタミンH1受容体拮抗作用

受容体結合試験において、ヒトのヒスタミンH1受容体に拮抗作用(Ki値:64nmol/L)を示した(in vitro)。モルモット摘出回腸標本及び気管標本において、ヒスタミン誘発収縮をそれぞれ100nmol/Lと30nmol/Lより抑制した(in vitro)。経口投与による動物試験においては、ラット及びモルモットのヒスタミン誘発血管透過性亢進を抑制した。静脈内投与による動物試験においては、麻酔下モルモットのヒスタミン誘発気道収縮を抑制した24),25),26) 。

18.3 抗アレルギー作用

抗原感作したモルモットの摘出回腸標本において、抗原誘発収縮を抑制した(IC50値:95.5nmol/L)24),25) (in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回及び反復投与

健康成人男性20例にビラスチン錠20mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中濃度は速やかに上昇し、投与後1.00時間で最高血漿中濃度277.86ng/mLに到達した後、消失半減期10.54時間で消失した2) 。 ビラスチンの薬物動態は10mg、20mg及び50mgの用量注1) で線形性を示した。反復投与による蓄積はなかった3) 。

注1)本剤の承認用量は1回20mg、1日1回である。

ビラスチン錠20mg単回経口投与時のビラスチン血漿中濃度 空腹時投与、平均値±標準偏差(20例)

投与量
(mg)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
20 277.86
(117.40)
1.00
(0.5-2.5)
1296.45a
(368.26)
10.54a
(5.50)

空腹時投与、平均値(標準偏差)20例[a:19例]、tmaxは中央値(最小値-最大値)

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

ビラスチンOD錠20mg「TCK」とビラノアOD錠20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ビラスチン20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された4) 。

  • 〈水なし投与〉
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→36hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ビラスチンOD錠20mg「TCK」 1448.79±338.17 292.25±99.85 1.76±0.97 5.30±1.17
ビラノアOD錠20mg 1514.16±398.44 302.60±116.16 1.61±0.85 4.83±1.20

(Mean±S.D.,n=29)

  • 〈水あり投与〉
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→36hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ビラスチンOD錠20mg「TCK」 1379.31±428.63 268.92±110.03 1.09±0.45 5.06±1.28
ビラノアOD錠20mg 1412.71±438.68 280.27±128.33 1.12±0.49 4.73±1.26

(Mean±S.D.,n=29)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人男性20例にクロスオーバー法で空腹時及び食後(高脂肪食)にビラスチン錠20mgを単回経口投与したとき空腹時に比べ食後投与時のCmax及びAUC0-tはそれぞれ約60%及び約40%低下した2) 。

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

ビラスチンのin vitroヒト血漿蛋白結合率は0.2~1µg/mLの濃度範囲において、84.22~90.04%であった5) 。

  1. 16.3.2脳内への移行

健康成人(12例)を対象に、ビラスチン錠20mg、ヒドロキシジン及びプラセボを二重盲検、クロスオーバーでそれぞれ単回投与し、脳への移行性を検討した結果、ビラスチンによる大脳皮質のヒスタミンH1受容体の占拠は認めなかった6) (外国人データ)。

16.4 代謝

健康成人男性6例に14C-ビラスチン20mgを単回経口投与したとき、ビラスチンはほとんど代謝されなかった7),8) (外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人男性9例にビラスチン錠20mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後72時間までの尿中ビラスチンの平均累積排泄率は47.3%であった3) 。 健康成人男性6例に14C-ビラスチン20mgを単回経口投与したとき、放射能は投与後7日までに尿中に33.1%、糞中に67.0%が排泄された。ビラスチンは、尿中に28.31%、糞中に66.53%が未変化体で排泄された7),8) (外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

成人の腎機能障害患者にビラスチン錠20mgを単回経口投与したとき、重度の腎機能障害患者におけるビラスチンのCmax及びAUC0-infは健康成人に比べそれぞれ1.6倍及び2.3倍高かった9) (外国人データ)。

腎機能
[GFR(mL/min/1.73m2)]
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
正常
(GFR>80)
144.0(57.8) 1.5(1.0-3.0) 737.4(260.8) 9.26(2.79)
軽度低下
(50≦GFR≦80)
172.1(45.0) 1.5(0.5-3.0) 967.4(140.2) 15.08(7.66)
中等度低下
(30≦GFR<50)
271.1(30.4) 2.25(1.0-2.5) 1384.2(263.2) 10.47(2.34)
重度低下
(GFR<30)
228.8(81.8) 1.5(0.5-3.0) 1708.5(699.0) 18.39(11.40)

各6例の平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)

  1. 16.6.2高齢者

若齢男性及び女性(18~35歳)、高齢男性及び女性(65歳以上)の4グループ(各8例、計32例)にビラスチン錠20mgを単回経口投与したとき、若齢男性と高齢男性ではビラスチンのCmax及びAUC0-infに差はなかった。若齢女性と高齢女性ではビラスチンのCmaxは若齢女性が1.7倍高かったが、AUC0-infに差はなかった10) (外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

ビラスチンは有機アニオン輸送ポリペプチドOATP1A2の基質である11) 。

  1. 16.7.1エリスロマイシン

健康成人24例にビラスチン錠20mg1日1回とエリスロマイシン500mg1日3回7日間併用反復経口投与したとき、血漿中ビラスチンのCmax及びAUC0-24はそれぞれ約2.9倍及び約1.9倍に上昇した12) (外国人データ)。

  1. 16.7.2ケトコナゾール

健康成人24例にビラスチン錠20mg1日1回とケトコナゾール注2) 400mg1日1回6日間併用反復経口投与したとき、血漿中ビラスチンのCmax及びAUC0-24はそれぞれ約2.6倍及び約2倍に上昇した13) (外国人データ)。

  1. 16.7.3ジルチアゼム

健康成人12例(PK解析11例)にビラスチン錠20mgとジルチアゼム60mg併用単回経口投与したとき、血漿中ビラスチンのCmax及びAUC0-infはそれぞれ約1.5倍及び約1.3倍に上昇した14) (外国人データ)。

  1. 16.7.4グレープフルーツジュース

健康成人12例にビラスチン錠20mgをグレープフルーツジュース240mLで投与したとき、血漿中ビラスチンのCmax及びAUC0-infはそれぞれ約0.6倍及び約0.7倍に低下した。この血漿中ビラスチン濃度の低下はグレープフルーツジュースによるビラスチンの消化管からの吸収阻害に起因すると推察されたが機序は不明である15) (外国人データ)。

注2)経口剤は国内未承認。