トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアコラミジス塩酸塩として1回800mgを1日2回経口投与する。
使用上の注意
- 8.1本剤の投与開始初期に、eGFRが低下することがあることから、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害のある患者では経過を十分に観察し、腎機能障害の悪化に注意すること。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重度の腎機能障害患者又は末期腎不全患者
投与の必要性を慎重に判断すること。本剤投与によりeGFRが低下することがあり、腎機能が悪化するおそれがある。eGFRが15 mL/min/1.73m2未満の患者は、臨床試験では除外されている。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1中等度又は重度の肝機能障害患者
本剤は主に胆汁中に排泄されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。AST、ALT又は総ビリルビンが基準値上限の3倍を超える患者は、臨床試験では除外されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は胎盤を通過する可能性がある。ラットを用いた胚・胎児発生試験では、胎児の体重低値が認められている(胎児の体重の低値が認められなかった用量でのAUCに基づく曝露量は、臨床用量での曝露量の15倍)。また、ラットを用いた出生前及び出生後の発生に関する試験では、出生児の離乳前までの体重低値に加え、学習障害が認められている(出生児における無毒性量での母動物のAUCに基づく曝露量は、臨床用量での曝露量の15倍)1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)の結果から、本剤は乳汁中に移行する可能性がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 上腹部痛 | 5%以上 |
| 下痢 | 5%以上 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 5%以上 |
| 血中クレアチニン増加 | 5%以上 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アコラミジスはTTRの4量体における2つのサイロキシン結合部位に選択的に結合することにより、疾患抑制性のT119M変異型TTRと同様の立体構造にシフトすることで4量体を安定化させ、その単量体への解離を抑制し、新たなTTRアミロイド形成の律速段階を抑制する。
-
- 18.1.1精製TTRへの結合
-
(1)蛍光偏光法、等温滴定熱量測定法、表面プラズモン共鳴法、マイクロスケール熱泳動法、サブユニット交換法によるin vitro試験において、本剤はTTRに対して結合親和性を示した10)。
-
(2)表面プラズモン共鳴法によるin vitro試験において、本剤はTTRに速やかに結合と緩やかな遊離を示した10)。
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(3)線維形成法によるin vitro試験において、本剤は野生型TTR及びV122I変異型TTRを安定化した10)。
-
18.1.2血清TTRへの結合
-
(1)12種の固有のTTR変異を含む54例の被験者血清を用いた蛍光プローブ排除法による評価で、本剤は検討されたすべての変異型TTR及び対照に用いた野生型TTRに対し、90%超のTTR結合率を示した10)。
-
(2)18種の固有のTTR変異を含む64例の被験者血漿TTRを用いたウエスタンブロット法による評価で、本剤は検討されたほとんどの変異型TTR及び対照に用いた野生型TTRに対し、90%超のTTR安定化率を示した10)。
-
18.1.3TTR結合時の立体構造
結晶構造による解析で、本剤は野生型TTR及びV122I変異型TTRに結合すると、Ser117側鎖への相互作用により、疾患抑制性のT119M変異型TTRと同様の立体構造にシフトすることが示された10)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
日本人健康成人9例に本剤400mg注1)及び800mgを絶食下で単回経口投与したときのアコラミジスの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
| 投与量 | Cmax (ng/mL) |
Tmaxa) (h) |
AUC0-inf (ng•h/mL) |
T1/2 (h) |
|---|---|---|---|---|
| 400mg | 6621 (2342.7) |
1.0 [0.5, 1.0] |
106992 (33400.1) |
34 (12.5) |
| 800mg | 11699 (5766.9) |
1.0 [0.5, 2.0] |
177305 (83313.2) |
44 (27.8) |
9例の算術平均値 (標準偏差)
a) 9例の中央値 [範囲]
注1)本剤の承認された用法及び用量は、1回800mgを1日2回経口投与である。
- 16.1.2反復投与
健康成人6例に本剤800mgを絶食下で1日2回12日間経口投与したときのアコラミジスの血漿中濃度は、投与10日目までに定常状態に達し、Cmaxに基づく累積係数は1.3~1.6であった3)(外国人データ)。
日本人の野生型又は変異型のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者に本剤800mgを1日2回経口投与したときの定常状態における薬物動態パラメータの母集団薬物動態解析に基づく推定値は以下のとおりであった2)。
| 投与量 | Cmax,ss (ng/mL) |
Ctrough,ss (ng/mL) |
AUC0-12h,ss (ng•h/mL) |
|---|---|---|---|
| 800mg | 15768 (1650) | 2638 (1429) | 55486 (18761) |
24例の算術平均値(標準偏差)
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人17例に本剤800mgを空腹時又は高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、食事によりアコラミジスのCmaxは約22%低下したが、AUC0-infは食事の影響を受けなかった4)(外国人データ)。
16.3 分布
アコラミジスのヒト血漿タンパク結合率は96.3%~96.5%であった3)(in vitroデータ)。
16.4 代謝
アコラミジスはUGT1A1、UGT1A4、UGT1A9及びUGT2B7でグルクロン酸抱合体に代謝された3),5)(in vitroデータ)。
健康成人6例に本剤の14C標識体800mgを単回経口投与したとき、アコラミジスは主にグルクロン酸抱合による代謝で消失した。ヒト血漿中総放射能の約63.1%が未変化体、約7.6%がグルクロン酸抱合体であった3)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に本剤の14C標識体800mgを単回経口投与したとき、投与後216時間までの糞中及び尿中に投与量のそれぞれ約34%及び約68%が排泄された。未変化体の尿中排泄率は投与量の10%以下であった6)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害
健康成人及びATTR-CM患者330例(日本人33例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、腎機能(クレアチニンクリアランス:25.9~190 mL/min、eGFR:25.4~157 mL/min/1.73m2)はアコラミジスの見かけのクリアランスに影響を及ぼさなかった3)。
- 16.6.2高齢者
健康成人及びATTR-CM患者330例(日本人33例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、年齢(18~89歳)はアコラミジスの見かけのクリアランス及び分布容積に影響を及ぼさなかった3)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1In vitro 試験
アコラミジスはCYP2C8及びCYP2C9に対する阻害作用を示し、KI値はそれぞれ39µmol/L及び210µmol/L、kinact値はそれぞれ0.033min-1及び0.049min-1であった5)。アコラミジスはOATP1B1に対する阻害作用を示し、IC50値は55.5µmol/Lであった2)。
-
16.7.2その他の薬剤
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(1)アデホビル
健康成人14例に本剤800mgを1日2回8日間反復経口投与し、本剤の投与7日目にアデホビル(OAT1基質)10mgを単回投与したとき、アデホビル単独投与時と比較して、アデホビルのCmaxは8%減少、AUC0-infは19%増加した3)(外国人データ)。
- (2)オセルタミビル
健康成人18例に本剤800mgを1日2回9日間反復経口投与し、本剤の投与7日目にオセルタミビル(OAT3基質)75mgを単回投与したとき、オセルタミビル単独投与時と比較して、オセルタミビルカルボン酸のCmaxは7%減少、AUC0-infは4%増加した3)(外国人データ)。
薬価情報
YJコードに紐付く薬価基準収載データを年度別に表示します。
| 年度 | 品名 | 規格 | 単位 | 薬価 | 後発品 | 適用日 | 製造販売会社 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 |
ビヨントラ錠400mg
本剤
2190048F1029
|
400mg1錠 | 400mg1錠 | ¥8979.00 | — | — | — |