Clinical snapshot

ビホナゾール外用液1%「イワキ」

ビホナゾール製剤

添付文書改訂 2025年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

下記の皮膚真菌症の治療

  • 白癬:足部白癬、体部白癬、股部白癬

  • カンジダ症:指間びらん症、間擦疹、皮膚カンジダ症

  • 癜風

用法・用量

1日1回患部に塗布する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1他のイミダゾール系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

9.5 妊婦

妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット静脈内投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
じん麻疹 頻度不明
そう痒 1%未満
びらん 1%未満
乾燥 頻度不明
亀裂 頻度不明
局所の刺激感 頻度不明
水疱 1%未満
浮腫 頻度不明
発赤 1〜5%未満
皮膚炎 1〜5%未満
皮膚軟化 頻度不明
紅斑 1%未満
鱗屑 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ビホナゾールは、真菌細胞に対して二元的な作用機序を有する。低濃度域では細胞膜の必須構成脂質成分であるエルゴステロールの合成を阻害し、高濃度域ではそれに加えて細胞膜のリン脂質と特異的に結合することにより膜の物性を変化させる。いずれの効果も最終的に細胞膜の構造・機能を障害し、その結果、抗真菌作用が発現される3),4) 。

18.2 抗真菌作用

  1. 18.2.1ビホナゾールは、Kimmig培地上で各種ヒト病原真菌の90%以上の菌株において4μg/mL以下の最小発育阻止濃度(MIC)を示す5) 。

  2. 18.2.2ビホナゾールは、発育期にある皮膚糸状菌に対して極めて低い濃度(ナノグラム単位)より菌糸の発育を抑制し、5μg/mL以上の濃度で殺真菌作用を示す。また、Candida albicansに対しては、0.125μg/mL以上の濃度で寄生形態である仮性菌糸の形成を抑制する5),6) 。

  3. 18.2.3 Trichophyton mentagrophytesによるモルモット実験的白癬モデルにビホナゾール1%クリームまたはビホナゾール1%液を感染後3日目に1回局所適用した場合、無処置対照群では症状の増悪が認められるが、処置群では数日以内に治癒する5) 。

18.3 感染防御効果

モルモットの背部皮膚面に1%クリーム0.5gを塗布し、12、24、48、72時間後にTrichophyton mentagrophytesの分生子浮遊液を接種した実験では、48~72時間にわたり感染防御効果が認められている5) 。 また、モルモットの背部皮膚面に1% 液0.5mLを塗布し、12、24、48、72 時間後にTrichophyton mentagrophytesの分生子浮遊液を接種した実験では、36~48時間にわたり感染防御効果が認められている5) 。

18.4 生物学的同等性試験

  1. 18.4.1in vitro抗菌力

ビホナゾールクリーム1%「イワキ」とマイコスポールクリーム1%の各真菌に対するMIC値は(ビホナゾール濃度として)皮膚糸状菌に対し0.39~6.25μg/mL、酵母類に対し31.25μg/mL、癜風菌に対し25μg/mLであり、優れた抗菌活性を示し、すべての真菌に対して同じMIC値を示したことから、両剤の生物学的同等性が確認された7) 。 また、ビホナゾール外用液1%「イワキ」とマイコスポール外用液1%の各真菌に対するMIC値は(ビホナゾール濃度として)皮膚糸状菌に対し0.39~6.25μg/mL、酵母類に対し31.25μg/mL、癜風菌に対し50μg/mLであり、優れた抗菌活性を示し、すべての真菌に対して同じMIC値を示したことから、両剤の生物学的同等性が確認された7) 。

  1. 18.4.2治療効果

Trichophyton mentagrophytesによるモルモット実験的白癬モデルに、ビホナゾールクリーム1%「イワキ」とマイコスポールクリーム1%をそれぞれ感染後3日目より14日間連続塗布(ビホナゾールとして3mg/日)し、塗布8日目以降、有意な症状の改善を認め、切片陽性率も有意な陰性化を示した。その結果、両剤の治療効果に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された7) 。 また、ビホナゾール外用液1%「イワキ」とマイコスポール外用液1%において同様の試験を行った結果、両剤の治療効果に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された7) 。

  1. 18.4.3感染防御効果

モルモット背部にビホナゾールクリーム1%「イワキ」とマイコスポールクリーム1%を1回塗布し(ビホナゾールとして3mg)、2~3日後にTrichophyton mentagrophytesを接種したが、3日間にわたり病変スコア及び切片陽性率の有意な低下が認められ、明らかな感染防御効果を示した。その結果、両剤の感染防御効果に有意差は認められなかったことから、両剤の生物学的同等性が確認された7) 。 また、ビホナゾール外用液1%「イワキ」とマイコスポール外用液1%において同様の試験を行った結果、両剤の感染防御効果に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された7) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(大腿部の慢性湿疹)表面200cm2に14C-ビホナゾールの1%含有クリーム1.52gを塗布、6時間密封包帯した後洗浄し、118時間にわたって血中濃度を測定した場合、無傷皮膚では約9.5時間後、炎症皮膚では約8時間後、それぞれ約1.0ng/mL、3.4ng/mLの最高血中濃度に達する1) (外国人データ)。 また、健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(背部の急性湿疹)表面200cm2に14C-ビホナゾールの1%含有液1.56mL を塗布、6時間密封包帯した後洗浄し、118時間にわたって血中濃度を測定した場合、無傷皮膚では約10時間後、炎症皮膚では約5時間後、それぞれ約1.6ng/mL、約8.0ng/mLの最高血中濃度に達する1) (外国人データ)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1吸収率

健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(大腿部の慢性湿疹)表面200cm2に14C-ビホナゾールの1%含有クリーム1.52gを塗布、6時間密封包帯した後洗浄したところ、皮膚からの吸収率は無傷皮膚では約0.6%、炎症皮膚では2.4%である1) (外国人データ)。 また、健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(背部の急性湿疹)表面200cm2に14C-ビホナゾールの1%含有液1.56mLを塗布、6時間密封包帯した後洗浄したところ、皮膚からの吸収率は無傷皮膚では約0.8%、炎症皮膚では3.6%である1) (外国人データ)。

  1. 16.2.2皮膚浸透性

健康成人の背部無傷皮膚表面100cm2に14C-ビホナゾールの1%含有クリーム500mgを塗布、その後24~168時間にわたり各時点でテープはく離法(15回はく離)を施行し、皮膚(角質層)を採取した(はく離1~5回目:層1、6~10回目:層2、11~15回目:層3)。これら標本の経時的放射能推移曲線下の面積を指標とした場合、それぞれ7066(層1)、1237(層2)、626(層3)μCi・hと良好な浸透性を示している2) (外国人データ)。 また、健康成人の無傷皮膚表面20cm2に14C-ビホナゾールの1% 含有液0.15mLを塗布、12時間密封包帯した後、皮膚の各層の濃度を測定した場合、次のとおりである1) (外国人データ)。

角質層 有棘層 乳頭層 網状層
200-1000μg/cm3 約20μg/cm3 5-10μg/cm3 約2μg/cm3

16.5 排泄

健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(大腿部の慢性湿疹)表面200cm2に14C-ビホナゾールの1%含有クリーム1.52gを塗布、6時間密封包帯した後洗浄したところ、5日目までの排泄は無傷皮膚では約0.3%が尿中、約0.25%が糞便中、炎症皮膚では約1%が尿中、約1.2%が糞便中に排泄される1) (外国人データ)。 また、健康成人の無傷皮膚(臍上部)及び炎症皮膚(背部の急性湿疹)表面200cm2に14C-ビホナゾールの1%含有液1.56mLを塗布、6時間密封包帯した後洗浄したところ、5日目までの排泄は無傷皮膚では約0.4%が尿中、約0.3%が糞便中、炎症皮膚では約1.7%が尿中に排泄される。炎症皮膚での糞便中への排泄についてのデータは得られていない1) (外国人データ)。