Clinical snapshot

ビブラマイシン錠50mg

ドキシサイクリン塩酸塩水和物

添付文書改訂 2024年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はテトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

ドキシサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、肺炎桿菌、ペスト菌、コレラ菌、ブルセラ属、Q熱リケッチア(コクシエラ・ブルネティ)、クラミジア属

  • 〈適応症〉

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、尿道炎、淋菌感染症、感染性腸炎、コレラ、子宮内感染、子宮付属器炎、眼瞼膿瘍、涙嚢炎、麦粒腫、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、歯冠周囲炎、化膿性唾液腺炎、猩紅熱、炭疽、ブルセラ症、ペスト、Q熱、オウム病

用法・用量

通常成人は初日ドキシサイクリン塩酸塩水和物として1日量200mg(力価)を1回又は2回に分けて経口投与し、2日目よりドキシサイクリン塩酸塩水和物として1日量100mg(力価)を1回に経口投与する。 なお、感染症の種類及び症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2投与が長期にわたる場合には、定期的に肝機能、腎機能、血液等の検査を行うことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1食道通過障害のある患者

食道潰瘍を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後半期の投与により、胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがあり、また、動物実験(ラット)で胎仔毒性が認められている4)。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。小児等(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児等)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがある。

9.8 高齢者

高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  1. 9.8.1一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。

  2. 9.8.2ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄剤、ビスマス塩 本剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがある。 金属イオンとテトラサイクリンがキレートを形成することにより腸管からの吸収が阻害される。
抗凝血剤(ワルファリン等) 血漿プロトロンビン活性が抑制されることがある。
プロトロンビン時間の延長の報告がある。
機序は不明であるがTC系抗生物質によりビタミンK産生性の腸内細菌叢を抑制し、ビタミンK欠乏を引き起こすことに起因すると考えられる。
カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン、バルビツール酸誘導体 本剤の血中濃度半減期が短縮することがある。 これらの薬剤が肝臓の薬物代謝酵素の誘導作用を有することによる。
スルホニル尿素系血糖降下薬(グリクロピラミド、グリベンクラミド、グリメピリド等) 血糖降下作用が増強することがある。 オキシテトラサイクリンがインスリンの半減期を延長したり、エピネフリンの作用を阻害することにより、インスリンの作用を増強するためと考えられている。
またインスリンに対する膵臓外の反応の増加による血糖値の低下も示唆されている。
経口避妊薬(デソゲストレル・エチニルエストラジオール、ノルエチステロン・エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール等) 経口避妊薬の効果を減弱させるおそれがある5),6)。 本剤は腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALTの上昇 頻度不明
AST 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
うっ血乳頭 頻度不明
ビタミンB群欠乏症状(舌炎 頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 頻度不明
下痢 1%未満
低血圧 頻度不明
光線過敏症(爪甲剥離症を含む) 頻度不明
全身性エリテマトーデスの悪化 頻度不明
出血傾向等) 頻度不明
口内炎 頻度不明
口内炎 1%未満
嚥下障害 頻度不明
固定薬疹 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
大泉門膨隆等)に伴う症状 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
心膜炎 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
溶血性貧血 頻度不明
潮紅 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹(斑状丘疹性皮疹 1%未満
神経炎等) 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
紅斑性発疹を含む) 1%未満
耳鳴 頻度不明
肛門周囲炎 頻度不明
腸炎 頻度不明
腹痛 1%未満
膵炎 頻度不明
舌炎 1%未満
色素沈着a) 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血清病 頻度不明
複視 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
頭蓋内圧上昇(嘔吐 頻度不明
頻脈 頻度不明
顆粒球減少 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食道潰瘍 頻度不明
食道炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ドキシサイクリン塩酸塩水和物の作用は細菌の蛋白合成阻害による。

18.2 抗菌作用

ドキシサイクリン塩酸塩水和物は、in vitroでグラム陽性菌、グラム陰性菌、クラミジア属及びQ熱リケッチアに対し優れた抗菌力を示す3),15),16),17),18),19)。 ドキシサイクリン塩酸塩水和物の抗菌スペクトルは、他のテトラサイクリン系抗生物質とほぼ同様であるが、抗菌力は黄色ブドウ球菌を含むグラム陽性菌に対して、より強力に作用する20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

ドキシサイクリン塩酸塩水和物は経口投与により、速やかに吸収され有効血中濃度を長時間持続する。このために本剤は1日1回投与することにより、1日数回の投与を必要とする他のテトラサイクリン系の薬剤に匹敵する効果が得られる。健常成人に本剤200mg経口投与後、最高血中濃度は2~4時間後に得られ、約3μg/mLの値になる10)。また血中濃度半減期は11~13時間である11)。

16.2 吸収

ドキシサイクリン塩酸塩水和物は、ミルクや食物との同時摂取により血中濃度のピークが遅れるものの吸収が妨げられることはない9)。

16.5 排泄

本剤200mg経口投与後の尿中排泄率は、投与後24時間以内で15~30%である10)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

テトラサイクリンは、腎機能障害患者に通常用量を用いると血中濃度半減期が延長し、連用により体内に蓄積して高窒素血症を起こすことがあるが、ドキシサイクリン塩酸塩水和物はこの様な患者に投与した場合でも血中濃度半減期が有意に延長することなく、通常用量を連続投与しても過剰蓄積をきたさず、また、BUNの上昇を認めないと報告されている12),13)。