Clinical snapshot

ヒーロン眼粘弾剤1%シリンジ0.85mL

精製ヒアルロン酸ナトリウム製剤

添付文書改訂 2023年06月01日

効能・効果

白内障手術・眼内レンズ挿入術・全層角膜移植術における手術補助

用法・用量

  • ○白内障手術・眼内レンズ挿入術を連続して施行する場合には、通常0.2~0.75mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。ただし、白内障手術又は眼内レンズ挿入術のみを施行する場合には、以下のとおりとする。

  • 白内障手術:通常0.1~0.4mLを前房内へ注入する。

  • 眼内レンズ挿入術:眼内レンズ挿入前に、通常0.1~0.5mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。

  • ○全層角膜移植術:移植眼の角膜片を除去後に、通常0.1~0.6mLを前房内へ注入し、移植片角膜を本剤上に浮遊させて縫合を行う。また、提供眼の移植片角膜のコーティングに約0.1mL使用する。

使用上の注意

  1. 8.1注意深く、ゆっくりと注入すること。

  2. 8.2過量に注入しないこと。術後の眼圧上昇の原因となる可能性がある。

  3. 8.3超音波乳化吸引術を行う前に吸引灌流を行い、水晶体と本剤との間に灌流液で満たした空間を作ること。空間が不十分なまま超音波乳化吸引を行うとチップの閉塞により、灌流不全となり角膜熱傷を起こすことがある。

  4. 8.4特に手術直後は、注意深く眼圧を観察すること。もし眼圧上昇があらわれた場合は適切な処置を行うこと。

  5. 8.5手術後、できるだけ洗浄等により本剤を除去することが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1本剤の成分又は蛋白系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
かゆみ 頻度不明
前房出血 頻度不明
嚢胞様黄斑浮腫 頻度不明
散瞳 頻度不明
水晶体混濁 頻度不明
浅前房 頻度不明
炎症反応 頻度不明
疼痛 頻度不明
眼内レンズ表面の混濁 頻度不明
眼圧上昇 頻度不明
結膜癒着不全 頻度不明
虹彩後癒着 頻度不明
虹彩新生血管 頻度不明
角膜浮腫 頻度不明
角膜混濁 頻度不明
霧視 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

前房形成効果についてはヒアルロン酸ナトリウムの高い粘稠性に基づくと考えられ、また角膜内皮保護効果についてもその高い粘稠性が一種の潤滑剤として働いていることに基づくと考えられる。

18.2 前房形成効果

ブタ摘出眼球を用い、先発製剤(ヒーロン0.6眼粘弾剤1%)を対照とし前房形成試験を実施した。製剤注入時から水晶体乳化吸引除去後までの各段階において、前房深度は対照群と同等であり、十分な前房形成効果を確認した6),7) 。

注入後 水晶体除去後
本剤 n=10 115.28±12.58 82.23±5.70
先発製剤 n=3 114.77±8.27 79.47±6.36

18.3 角膜内皮保護効果

ユカタンミニブタ(n=6)で右眼・本剤、左眼・先発製剤(ヒーロン0.6眼粘弾剤1%)を用いた眼内レンズ挿入術を実施し、角膜内皮細胞保護効果を検証した。術後14日までの経過観察において、試験全体で角膜内皮細胞数、角膜厚及び細胞密度に関して、明らかな左右差はみられず、本剤は先発製剤と同等の角膜内皮保護効果を有することを確認した。 角膜内皮保護作用についてはその高い粘稠性が一種の潤滑剤として働いていることに基づくと考えられる6),7) 。

薬物動態

16.8 その他

ウサギの眼球の前房内に投与したヒアルロン酸ナトリウムは、低分子化されることなく48時間後にはほぼ100%が前房隅角から消失する。 血中に移行したヒアルロン酸は主に肝臓で単糖に代謝され、その後糖蛋白質合成に再利用されるものと、二酸化炭素に分解されるものがあると考えられた1) 。