高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはバルニジピン塩酸塩として10~15mgを1日1回朝食後に経口投与する。ただし、1日5~10mgより投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。
使用上の注意
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8.1Ca拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。
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8.2降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者
降圧に伴い腎機能が低下する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者
本剤は肝臓で代謝される。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で、出生児の発育抑制が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい。一般的に過度の降圧は好ましくないとされている。
相互作用
- 本剤は、主としてCYP3A4で代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 他の血圧降下剤 | 血圧降下作用が増強することがある。 | 薬理学的な相加作用による。 |
| ジゴキシン | ジゴキシンの作用を増強し、中毒症状(嘔気、嘔吐、めまい、徐脈、不整脈等)があらわれることがある。必要に応じジゴキシンを減量する。 | 主に腎でのクリアランスを減少させ、ジゴキシンの血中濃度が上昇する。 |
| フェニトイン | (1)フェニトインの作用を増強し、中毒症状(神経的)があらわれることがある。必要に応じフェニトインを減量する。 (2)本剤の作用が減弱されることがある。必要に応じ本剤を増量する。 |
(1)本剤の蛋白結合率が高いため、血漿蛋白結合競合により、遊離型フェニトインが上昇する。 (2)CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。 |
| リファンピシン | 本剤の作用が減弱されることがある。必要に応じ本剤を増量する。 | CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。 |
| シメチジン | 本剤の作用が増強され、血圧低下、頻脈等があらわれることがある。必要に応じ本剤を減量する。 | これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。 |
| • HIVプロテアーゼ阻害剤• サキナビル • リトナビル 等 |
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。 | これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。 |
| • アゾール系抗真菌薬• イトラコナゾール 等 | 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。 | これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。 |
| • マクロライド系抗生物質• エリスロマイシン 等 | 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。 | これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。 |
| グレープフルーツジュース | 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。 | これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 1%未満 |
| ALT上昇 | 1〜5%未満 |
| AST上昇 | 1〜5%未満 |
| BUN上昇 | 1%未満 |
| CK上昇 | 1%未満 |
| LDH上昇 | 1%未満 |
| γ-GTP上昇 | 1%未満 |
| クレアチニン上昇 | 1%未満 |
| しびれ感 | 1%未満 |
| そう痒感 | 1%未満 |
| ほてり | 1〜5%未満 |
| めまい・ふらふら感 | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1%未満 |
| 光線過敏症 | 頻度不明 |
| 動悸 | 1〜5%未満 |
| 嘔吐 | 1%未満 |
| 嘔気 | 1〜5%未満 |
| 女性化乳房 | 頻度不明 |
| 好酸球増多 | 1%未満 |
| 尿酸上昇 | 1%未満 |
| 歯肉肥厚 | 1%未満 |
| 浮腫 | 1〜5%未満 |
| 発赤・発疹 | 1〜5%未満 |
| 耳鳴 | 1%未満 |
| 胸やけ | 1%未満 |
| 胸部圧迫感 | 1%未満 |
| 脱力感 | 1%未満 |
| 血清コレステロール上昇 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 頭重 | 1〜5%未満 |
| 頻尿 | 1%未満 |
| 頻脈 | 1%未満 |
| 顔面潮紅 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
細胞膜の膜電位依存性Caチャンネルに特異的に作用し、細胞内へのCa2+の流入を抑制することにより、末梢血管や冠血管の平滑筋を選択的に弛緩させる。
18.2 血圧降下作用
各種高血圧病態モデル(高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット及びDOCA-食塩高血圧ラット)において、持続的で著明な降圧作用を示した。また、長期投与によっても耐性は認められなかった9) 。本態性高血圧症患者に投与した場合、血圧日内変動に影響を及ぼさず、1日1回投与で夜間の血圧を下げ過ぎることなく、24時間にわたり降圧効果が持続し、また、翌朝の血圧上昇に対しても有効に作用することを確認した10),11) 。
18.3 血管拡張作用
麻酔イヌにおいて、用量依存的に全末梢血管抵抗及び冠血管抵抗を低下させた。また、冠動脈、椎骨動脈、大腿動脈及び腎動脈などの血管を拡張し、これら臓器への血流量を増加させた12) 。 本態性高血圧症患者において、全末梢血管抵抗、腎血管及び肝血管抵抗を有意に減少させた13) 。
18.4 腎機能に対する作用
生理食塩液負荷高血圧自然発症ラットにおいて、尿量及び尿中電解質排泄量を増加させるとともに尿中ナトリウム/カリウム比を上昇させた14) 。 麻酔イヌでの腎動脈内投与実験において、低用量では主に尿細管でのナトリウム再吸収の抑制、また、高用量では腎血流量及び糸球体濾過量の増加を示した15) 。
18.5 高血圧病変に対する作用
無麻酔脳卒中易発症高血圧自然発症ラットを用いた試験において、腎臓及び血管の高血圧性病変を抑制した16) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人に本剤15mgを経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与後約1時間及び6時間にピークを示し、消失半減期は約10時間であった。また、血漿中濃度は非直線的な増加を示した。本剤15mgを1日1回7日間連続経口投与したときの血漿中未変化体濃度は初回投与時とほとんど変わらず蓄積性はみられなかった1) 。
| AUC0-24 (ng・h/mL) |
Tmax1※ (h) |
Tmax2※ (h) |
Cmax1※ (ng/mL) |
Cmax2※ (ng/mL) |
t1/2 (h) |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 3.34 | 1.0 | 6.5 | 0.28 | 0.40 | 11.0 |
| 7日目 | 4.11 | 2.8 | 6.0 | 0.27 | 0.64 | 9.4 |
(平均値、n=6) Tmax1:Cmax1に到達した時間 Tmax2:Cmax2に到達した時間 Cmax1:第1ピークの血漿中濃度 Cmax2:第2ピークの血漿中濃度 ※:投与7日目において2名の被験者で二峰性の血漿中濃度推移を示さなかったので、これらを除く4名で計算した。
16.4 代謝
健康成人に本剤を経口投与したときの尿中主代謝物は、側鎖のエステルが加水分解され、ジヒドロピリジン環が酸化されたものであった2) 。ヒトにおいては、本剤は主としてCYP3A4で代謝される3) 。
16.5 排泄
健康成人に本剤を経口投与したとき、尿中に未変化体は検出されなかった2) 。