Clinical snapshot

ヒアルロン酸Na0.85眼粘弾剤1%「生化学」

精製ヒアルロン酸ナトリウム

添付文書改訂 2024年03月01日

効能・効果

白内障手術・眼内レンズ挿入術・全層角膜移植術における手術補助

用法・用量

  • ○白内障手術・眼内レンズ挿入術を連続して施行する場合には、通常0.2~0.75mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。ただし、白内障手術又は眼内レンズ挿入術のみを施行する場合には、以下のとおりとする。

  • 白内障手術:通常0.1~0.4mLを前房内へ注入する。 眼内レンズ挿入術:眼内レンズ挿入前に、通常0.1~0.5mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。

  • ○全層角膜移植術:移植眼の角膜片を除去後に、通常0.1~0.6mLを前房内へ注入し、移植片角膜を本剤上に浮遊させて縫合を行う。また、提供眼の移植片角膜のコーティングに約0.1mL使用する。

使用上の注意

  1. 8.1注意深く、ゆっくりと注入すること。

  2. 8.2過量に注入しないこと。術後の眼圧上昇の原因となる可能性がある。

  3. 8.3超⾳波乳化吸引術を行う前に吸引灌流を行い、水晶体と本剤との間に灌流液で満たした空間を作ること。空間が不十分なまま超⾳波乳化吸引を行うとチップの閉塞により、灌流不全となり角膜熱傷を起こすことがある。

  4. 8.4特に手術直後は、注意深く眼圧を観察すること。もし眼圧上昇があらわれた場合は適切な処置を行うこと。

  5. 8.5手術後、できるだけ洗浄等により本剤を除去することが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1本剤の成分又は蛋白系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
かゆみ 頻度不明
前房出⾎ 頻度不明
嚢胞様⻩斑浮腫 頻度不明
散瞳 頻度不明
⽔晶体混濁 頻度不明
浅前房 頻度不明
炎症反応 頻度不明
疼痛 頻度不明
眼内レンズ表⾯の混濁 頻度不明
眼圧上昇 頻度不明
結膜癒着不全 頻度不明
虹彩後癒着 頻度不明
虹彩新⽣⾎管 頻度不明
⾓膜浮腫 頻度不明
⾓膜混濁 頻度不明
霧視 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ヒアルロン酸溶液が持つ高い粘弾性により、前房内の組織を押し広げ、前房深度を維持し、またその粘弾性により手術器具、眼内レンズ等による機械的侵襲から眼内組織を保護する6) 。

18.2 前房深度維持効果

白色ウサギ摘出眼球に1%ヒアルロン酸ナトリウム0.3mLで前房内置換し、角膜の上から50mgあるいは500mgの荷重をかけた時、注入5分後の前房深度は、50mgでは約90%、500mgでは約70%の維持率であった7) (in vitro)。

18.3 角膜内皮保護効果

1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液で被覆した白色ウサギ摘出角膜内皮を眼内レンズの材質であるポリメチルメタクリレート(PMMA)製のチップで荷重をかけた時、傷害された角膜内皮の面積はリン酸緩衝生理食塩水で被覆した場合に比べ小さく、また角膜実質層への水の取り込み量は正常角膜と同程度であった8) (in vitro)。

18.4 生物学的同等性試験

白色ウサギ摘出眼球及び角膜を用いて本剤と標準製剤(ヒーロン)の前房深度維持能力と角膜内皮保護能力について検討した。摘出眼球に被験物質0.3mLで前房内置換し50mgの荷重をかけた時、注入1、2、3、4、5分後における本剤群と標準製剤群の前房深度の平均値の差は0.4~2.57%であり、分散分析の結果、いずれの時点においても両群間に有意差は認められなかった。 被験物質0.2mLで被覆した摘出角膜内皮をPMMA製のチップで荷重をかけ擦過させた時、本剤群と標準製剤群の傷害部位面積の平均値の差は3%であり、両群間に有意差は認められなかった(Tukeyの多重比較検定)。以上の結果より本剤と標準製剤の作用に有意な差はなく、生物学的同等性が確認された9) (in vitro)。

薬物動態

16.8 その他

ウサギの眼球の前房内に投与したヒアルロン酸ナトリウムは、低分子化されることなく48時間後にはほぼ100%が前房隅角から消失する。 血中に移行したヒアルロン酸は主に肝臓で単糖に代謝され、その後糖蛋白質合成に再利用されるものと、二酸化炭素に分解されるものがあると考えられた1) 。