Clinical snapshot

ヒアルロン酸Na0.6眼粘弾剤1%HV「わかもと」

精製ヒアルロン酸ナトリウム

添付文書改訂 2026年01月01日

効能・効果

白内障手術・眼内レンズ挿入術・全層角膜移植術における手術補助

用法・用量

  • ○白内障手術・眼内レンズ挿入術を連続して施行する場合には、通常0.2~0.75mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。ただし、白内障手術又は眼内レンズ挿入術のみを施行する場合には、以下のとおりとする。

  • 白内障手術:通常0.1~0.4mLを前房内へ注入する。

  • 眼内レンズ挿入術:眼内レンズ挿入前に、通常0.1~0.5mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。

  • ○全層角膜移植術:移植眼の角膜片を除去後に、通常0.1~0.6mLを前房内へ注入し、移植片角膜を本剤上に浮遊させて縫合を行う。また、提供眼の移植片角膜のコーティングに約0.1mL使用する。

使用上の注意

  1. 8.1注意深く、ゆっくりと注入すること。

  2. 8.2過量に注入しないこと。術後の眼圧上昇の原因となる可能性がある。

  3. 8.3超音波乳化吸引術を行う前に吸引灌流を行い、水晶体と本剤との間に灌流液で満たした空間を作ること。空間が不十分なまま超音波乳化吸引を行うとチップの閉塞により、灌流不全となり角膜熱傷を起こすことがある。

  4. 8.4特に手術直後は、注意深く眼圧を観察すること。もし眼圧上昇があらわれた場合は適切な処置を行うこと。

  5. 8.5手術後、できるだけ洗浄等により本剤を除去することが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1本剤の成分又は蛋白系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
かゆみ 頻度不明
前房出血 頻度不明
嚢胞様黄斑浮腫 頻度不明
散瞳 頻度不明
水晶体混濁 頻度不明
浅前房 頻度不明
炎症反応 頻度不明
疼痛 頻度不明
眼内レンズ表面の混濁 頻度不明
眼圧上昇 頻度不明
結膜癒着不全 頻度不明
虹彩後癒着 頻度不明
虹彩新生血管 頻度不明
角膜浮腫 頻度不明
角膜混濁 頻度不明
霧視 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液は、分子量約35万以上で網目構造が形成され始めて、約160万以上で力学的に飽和されて高い粘弾性を示す6) 。前房形成作用及び角膜内皮保護作用はその高い粘弾性に基づくものと考えられる。

18.2 生物学的同等性試験

ヒアルロン酸Na0.4眼粘弾剤1%HV「わかもと」及びヒアルロン酸Na0.6眼粘弾剤1%HV「わかもと」はヒアルロン酸Na0.85眼粘弾剤1%HV「わかもと」と同一成分・同一濃度であり、内容量のみが異なる。

  1. 18.2.1前房形成作用

ウサギ摘出眼球を用いて、ヒアルロン酸Na0.85眼粘弾剤1%HV「わかもと」(以下、本剤)あるいはヒーロン眼粘弾剤1%シリンジ0.85(以下、ヒーロン)で前房水を置換後、一定荷重下での前房深度(前房形成率)を前房形成作用の指標として比較検討した。その結果、本剤はヒーロンと生物学的に同等であると判断された7) 。

前房深度(前房形成率)
ヒアルロン酸Na0.85眼粘弾剤1%HV「わかもと」 94.6~81.5%
ヒーロン眼粘弾剤1%シリンジ0.85 92.5~80.5%
  1. 18.2.2角膜内皮保護作用

ウサギ眼に本剤あるいはヒーロンを用いて、白内障手術及び眼内レンズ挿入術を施行し、術後3日の角膜内皮細胞密度を角膜内皮保護作用の指標として比較検討した。その結果、本剤はヒーロンと生物学的に同等であると判断された7) 。

角膜内皮細胞密度
ヒアルロン酸Na0.85眼粘弾剤1%HV「わかもと」 4860±460cells/mm2
ヒーロン眼粘弾剤1%シリンジ0.85 4753±425cells/mm2

薬物動態

16.8 その他

ウサギの前房内にヒアルロン酸ナトリウムを投与したとき、ヒアルロン酸ナトリウムは低分子化されることなく、投与後32時間にはほぼ100%が前房から消失した。 血中に移行したヒアルロン酸は主に肝臓で単糖に代謝され、その後糖蛋白質合成に再利用されるものと、二酸化炭素に分解されるものがあると考えられた1) 。