Clinical snapshot

ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」

精製ヒアルロン酸ナトリウム

添付文書改訂 2024年05月01日

効能・効果

下記疾患に伴う角結膜上皮障害

〇シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼球乾燥症候群(ドライアイ)等の内因性疾患

〇術後、薬剤性、外傷、コンタクトレンズ装用等による外因性疾患

用法・用量

1回1滴、1日5~6回点眼し、症状により適宜増減する。 なお、通常は0.1%製剤を投与し、重症疾患等で効果不十分の場合には、0.3%製剤を投与する。

使用上の注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には診断又は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

診断又は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
びまん性表層角膜炎等の角膜障害 頻度不明
眼のそう痒感 頻度不明
眼の異物感 1%未満
眼刺激 1%未満
眼痛 頻度不明
眼瞼炎 1%未満
眼脂 1%未満
結膜充血 1%未満
結膜炎 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ヒアルロン酸ナトリウムはフィブロネクチンと結合し、その作用を介して上皮細胞の接着、伸展を促進すると考えられる5),6)。また、その分子内に多数の水分子を保持することによって優れた保水性を示す7)。

18.2 角膜創傷治癒促進作用

外科的に角膜上皮下の基底膜まで剥離したウサギ角膜上皮剥離モデルに対し、0.1~0.5%ヒアルロン酸ナトリウムを点眼したとき、剥離24時間後より基剤点眼群と比較し有意な創傷面積の減少が認められた8)。

18.3 角膜上皮伸展促進作用

ウサギ摘出角膜片の培養系において、ヒアルロン酸ナトリウムは対照群(培養液のみ)と比較して有意に角膜上皮細胞層の伸展を促進した9)(in vitro)。

18.4 保水作用

0.1%~1.0%ヒアルロン酸ナトリウム溶液を寒天平板に滴下したとき、水分蒸発による寒天重量の減少は濃度依存的に抑制された7)(in vitro)。

18.5 生物学的同等性試験

  • 〈ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」〉
  1. 18.5.1角膜上皮のn-ヘプタノールによる損傷に対する作用(ウサギ)

n-ヘプタノールにより角膜上皮を損傷させたウサギのモデルを用いて、角膜損傷直後、2、4及び6時間後に、右眼にヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」、ヒアレイン点眼液0.1%、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」基剤を、左眼には対照群として生理食塩液を各々50μL点眼し、角膜上皮損傷面積を指標として比較検討した(n=10)。各群の左右眼の比較はStudentのt検定あるいはAspin-Welchのt検定を行い、右眼の群間比較はTukey型の多重比較検定を行った結果、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」及びヒアレイン点眼液0.1%の平均損傷面積は対照群及び基剤群に比べ有意に小さく、角膜上皮損傷に対する明らかな治癒促進作用が認められ、また両製剤の損傷面積は統計学的に差がなく、生物学的な同等性が確認された10)。

  1. 18.5.2角膜上皮の外科的損傷に対する作用(ウサギ)

角膜上皮を外科的に損傷させたウサギのモデルを用いて、前項と同様の試験方法にて、角膜損傷面積を指標として比較検討した(n=10)。その結果、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」及びヒアレイン点眼液0.1%の平均損傷面積は対照群及び基剤群に比べ有意に小さく、また両製剤の損傷面積は統計学的に差がなく、両剤の角膜上皮損傷に対する治癒促進作用は生物学的に同等であることが確認された10)。

  1. 18.5.3角膜乾燥防止作用に対する作用(in vivo)(ウサギ)

ウサギの右眼にヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」、ヒアレイン点眼液0.1%、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」基剤を各々50μL点眼し、左眼は対照群として無処置眼とし、点眼1時間後に両眼を摘出し、角膜乾燥重量を測定して水分保有率を算出した(n=10)。各群の水分保有率の比較はTukey型の多重比較検定を行った結果、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」とヒアレイン点眼液0.1%間の平均水分保有率に有意差は認められず、生物学的な同等性が確認された10)。

  1. 18.5.4角膜乾燥防止作用に対する作用(in vitro

寒天培地にヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」、ヒアレイン点眼液0.1%、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」基剤を各々50μLを添加し、添加0.2、0.5、1、2、3、4時間後の寒天培地重量を測定し乾燥防止作用を比較検討した(n=10)。各群間の比較はTukey型の多重比較検定を行った結果、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「杏林」及びヒアレイン点眼液0.1%の相対重量は添加0.5時間以降4時間まで無処置対照群を有意に上回っており、添加後1及び2時間でも基剤群に対しても有意差があり、寒天乾燥防止作用が認められ、また両製剤間の相対重量に統計的な差はなく、生物学的に同等な角膜乾燥防止作用が確認された10)。 〈ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「杏林」〉

  1. 18.5.5n-ヘプタノール損傷による実験的角膜上皮障害モデルに対する治療効果(ウサギ)

n-ヘプタノールにより角膜上皮を損傷させたウサギのモデルに対して、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「杏林」、ヒアレイン点眼液0.3%、生理食塩液(対照群)を点眼し、角膜上皮損傷面積を指標として比較検討した(n=10)。各観察時点での角膜損傷面積率(%)及び角膜損傷面積率-時間曲線下面積に関して、Tukey型多重比較検定により各投与群間の比較を行った結果、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「杏林」及びヒアレイン点眼液0.3%投与群ともに対照群との間に有意な差が認められ、また、両製剤群間では有意な差が認められず、両製剤は同等の治療効果を有すると考えられ、生物学的同等性が確認された10)。

  1. 18.5.6外科的剥離による実験的角膜上皮障害モデルに対する治療効果(ウサギ)

角膜上皮を外科的に剥離させたウサギのモデルに対して、前項と同様の試験方法にて、角膜上皮損傷面積を指標として比較検討した(n=10)。各観察時点での角膜損傷面積率(%)及び角膜損傷面積率-時間曲線下面積に関して、Tukey型多重比較検定により各投与群間の比較を行った結果、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「杏林」及びヒアレイン点眼液0.3%投与群ともに対照群との間に有意な差が認められ、また、両製剤群間では有意な差が認められず、両製剤は同等の治療効果を有すると考えられ、生物学的同等性が確認された10)。

  1. 18.5.7ドライアイモデルに対する角膜乾燥防止効果(ウサギ)

ウサギのドライアイモデルに対して、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「杏林」、ヒアレイン点眼液0.3%、生理食塩液(対照群)を点眼し、点眼3時間後眼球摘出し、角膜上皮障害部位をメチレンブルーで染色し、角膜からの抽出液中の色素吸光度を指標として角膜乾燥防止効果を比較検討した(n=10)。各群から得られた抽出液の吸光度についてTukey型多重比較検定により各投与群間の比較を行った結果、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「杏林」及びヒアレイン点眼液0.3%投与群ともに対照群との間に有意な差が認められ、また、両製剤群間では有意な差が認められなかったことから、生物学的同等性が確認された10)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性(6例)の片眼に1日目0.1%、2日目0.5%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液注1)を1回1滴、1日5回点眼し、3日目より0.5%点眼液を1日13回注1))7日間点眼した。点眼開始前、3日目、9日目(最終日)及びその翌日の血清中ヒアルロン酸濃度を測定したとき、全ての被験者における全測定時点で点眼前と同様に定量下限(10μg/mL)未満であった1)。

注1)本剤が承認されている濃度は0.1%及び0.3%であり、用法用量は1日5~6回点眼で、症状により適宜増減である。