Clinical snapshot

パントシン注5%

パンテチン

添付文書改訂 2023年07月01日

効能・効果

(1)パントテン酸欠乏症の予防及び治療 (2)パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給 (消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など) (3)下記疾患のうち、パントテン酸の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合 ・高脂血症 ・術後腸管麻痺 ・ストレプトマイシン及びカナマイシンによる副作用の予防及び治療 ・急・慢性湿疹 ・血液疾患の血小板数ならびに出血傾向の改善 なお、(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

用法・用量

通常、成人にはパンテチンとして1日20~100mg、血液疾患、術後腸管麻痺には、1日200mgを1~2回に分けて、皮下、筋肉内又は静脈内注射する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

記載なし

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢・軟便 1%未満
悪心 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

パンテチンは、パンテテインのdisulfide型で、CoAの前駆物質である。

18.2 腸管運動促進作用

無麻酔マウスにパンテチンを経口投与すると胃腸管輸送能の亢進がみられ、さらに麻酔下ウサギ及びイヌに静脈内投与すると腸管運動の亢進がみられる1)。

18.3 実験的粥状硬化の進展抑制作用

高脂肪食と動脈壁の傷害によって作成した実験的粥状硬化症ウサギへの経口投与で、内膜への脂質沈着の軽減、平滑筋細胞の増殖を主体とした細胞・線維性組織の形成及びアテロームの縮小が認められている2)。

18.4 血清総コレステロール低下作用

高コレステロール食飼育ウサギへの経口投与で、血清コレステロールの有意な低下が認められている。この作用は主としてコレステロール(LDL+VLDL画分)の異化排泄の促進によるものである。 高コレステロール食飼育ウサギにおける糞中の総コレステロール及び総胆汁酸の排泄は、パンテチン投与群で著明に増大する。これはコレステロール負荷によるβ-VLDLの低親和性受容体活性及びコレステロール7α-ヒドロキシラーゼ活性の低下を改善することによって、コレステロールの肝への取り込み能及び胆汁酸への代謝を正常化したためと考えられている3)。

18.5 血清中性脂肪低下作用

ビタミンD2と高脂肪食を負荷した動脈硬化症ラットへの経口投与で血清中性脂肪の有意な低下が認められている4)。 この作用はパンテチン投与によりリポ蛋白リパーゼ活性が上昇したためと考えられている5)。

18.6 血清HDL-コレステロールの増加作用

高コレステロール食飼育ウサギにおいて減少したHDL2及びHDL3を増加させる6)。この作用は、アポ蛋白A-Iの合成促進、組織リポ蛋白リパーゼ活性の増加及び血中LCAT活性の増加により、VLDL→HDL経路の促進に基づくことが認められている7)。

18.7 脂肪酸酸化促進作用

糖尿病ラットの肝臓及び筋肉組織や自然発症高血圧ラット脳微小血管において脂肪酸β-酸化能を促進し、エネルギー産生能を高めることが認められている。この作用は遊離脂肪酸からミトコンドリアのエネルギー産生に至る経路に関与する酵素の活性亢進にあることが確認されている8)。

18.8 血管壁コレステロール代謝促進作用

高コレステロール食飼育ラットにおける血管壁ライソゾームのコレステロールエステラーゼ活性を有意に高め、血管壁へのコレステロールエステルの沈着を抑制することが認められている9)。

18.9 血小板数の改善作用

抗ラット血小板ウサギ血清及び乏血小板血輸血による実験的血小板減少症に対して、パンテチンは血小板減少の抑制あるいは回復促進作用を示す。この作用は血小板産生系に直接作用するものと考えられている10)。

薬物動態

16.1 血中濃度

正常ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン20mg/kgを単回静脈内投与すると、血中放射能濃度は二相性で推移し、分布相での消失は速やかであり、消失相の半減期は極めて長かった。

16.3 分布

正常ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン20mg/kgを単回静脈内投与すると、組織内放射能濃度は肝で著しく高く、ほとんどの組織において血液より高い濃度を示し、組織親和性が高いことを示唆している。

16.4 代謝

正常ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン20mg/kgを単回静脈内投与すると、細胞内でパンテチンは、パントテン酸とシステアミンに分解されたが、一部はCoAに合成された。

16.5 排泄

正常ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン20mg/kgを単回静脈内投与すると、投与後48時間で放射能の約80%が尿中に排泄され、糞中にはほとんど排泄されなかった。