Clinical snapshot

パンテチン錠60mg「ツルハラ」

パンテチン

添付文書改訂 2024年11月01日

効能・効果

(1)パントテン酸欠乏症の予防および治療

(2)パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など)

(3)下記疾患のうち、パントテン酸の欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合

  • 高脂血症

  • 弛緩性便秘

  • ストレプトマイシンおよびカナマイシンによる副作用の予防および治療

  • 急・慢性湿疹

  • 血液疾患の血小板数ならびに出血傾向の改善

なお、(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

用法・用量

通常、成人にはパンテチンとして1日30~180mg、血液疾患、弛緩性便秘には1日300~600mgを1~3回に分けて経口投与する。高脂血症には1日600mgを3回に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

記載なし

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢・軟便 1〜5%未満
嘔吐 1%未満
腹部膨満 1%未満
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

パンテチンは、pantothenic acidにβ-mercaptoethylamineが結合したpantetheineのdisulfide型で、pantothenic acidよりもCoAに近い前駆物質である。生体に投与された場合、CoAとなって種々の生化学的ないし生理学的役割を果たす6)。

18.2 実験的粥状硬化の進展抑制作用

高脂肪食と動脈壁の傷害によって作成した実験的粥状硬化症ウサギに対し、パンテチンを1%添加した高脂肪食を投与した群では、内膜への脂質沈着の軽減、平滑筋細胞の増殖を主体とした細胞・線維性組織の形成及びアテロームの縮小が認められている7)。

18.3 血清中性脂肪低下作用

ビタミンD2と高脂肪食を負荷した動脈硬化症ラットに対し、パンテチンを含む高脂肪食を投与した群では、血清中性脂肪の有意な低下が認められている8)。

18.4 血清HDL-コレステロールの増加作用

高コレステロール食飼育ウサギにおいて減少したHDL2及びHDL3の質量を増加させる9)。この作用は、アポ蛋白A-Ⅰの合成促進9)、組織リポ蛋白リパーゼ活性の増加及び血中LCAT活性の増加6)により、VLDL→HDL経路の促進に基づくと考えられている。

18.5 脂肪酸酸化促進作用

パンテチンを含む飼料の投与により、自然発症高血圧ラット脳微小血管において低下した脂肪酸β-酸化能が改善し、エネルギー産生能が回復することが認められている。この作用は遊離脂肪酸からミトコンドリアのエネルギー産生に至る経路に関与する酵素の活性亢進にあることが確認されている10)。

18.6 血管壁コレステロール代謝促進作用

高コレステロール食飼育ラットにおける血管壁ライソゾームのコレステロールエステラーゼ活性を有意に高め、血管壁へのコレステロールエステルの沈着を抑制することが認められている11)。

18.7 血小板数の改善作用

抗ラット血小板ウサギ血清の投与、または乏血小板血輸血による実験的血小板減少症ラットに対して、パンテチンはそれぞれ血小板減少の抑制及び血小板回復促進作用を示す。この作用は血小板産生系に直接作用するものと考えられている12)。

18.8 腸管運動促進作用

無麻酔マウスにパンテチンを経口投与すると胃腸管輸送能の亢進がみられ、さらにd-ツボクラリンにより不動化したウサギ及びイヌに静脈内投与すると腸管運動の亢進がみられる13)。

薬物動態

16.1 血中濃度

ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時の最高血中濃度到達時間(Tmax)は次のとおりである1)。

正常ラット 病態ラット 病態ラット 病態ラット
動脈硬化症 糖尿病 アルコール性脂肪肝
Tmax 16時間 16時間 8時間 24時間

16.3 分布

ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時の組織内放射能濃度は肝で著しく高く、ほとんどの組織において血液より高い濃度を示し、組織親和性が高いことを示唆している1),2)。

16.4 代謝

ラットに〔Cysteamine-35S〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時、細胞内でパンテチンはパントテン酸とシステアミンに分解されたが、一部は直接CoAに合成された2)。

16.5 排泄

正常ラットに〔β-Ala-14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時、〔β-Ala-14C〕パンテチンは主として糞中に排泄され、投与後48時間までに投与放射能の約85%が尿中、糞中等へ排泄された1)。