Clinical snapshot

パシル点滴静注液500mg

パズフロキサシンメシル酸塩

添付文書改訂 2025年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  3. 2.3小児等

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

パズフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、レジオネラ属、バクテロイデス属、プレボテラ属

  • 〈適応症〉

敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎

用法・用量

  • 〈敗血症、肺炎球菌による肺炎、重症・難治性の呼吸器感染症(肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染に限る)以外〉

通常、成人にはパズフロキサシンとして1日1000mgを2回に分けて点滴静注する。なお、年齢、症状に応じ、1日600mgを2回に分けて点滴静注するなど、減量すること。 点滴静注に際しては、30分~1時間かけて投与すること。

  • 〈敗血症、肺炎球菌による肺炎、重症・難治性の呼吸器感染症(肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染に限る)〉

通常、成人にはパズフロキサシンとして1日2000mgを2回に分けて点滴静注する。 点滴静注に際しては、1時間かけて投与すること。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

  • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

  • 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

  • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

  1. 8.3注射部位反応(疼痛、紅斑、腫脹、硬結、静脈炎等)があらわれた場合には、注射部位を変更する、又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。臨床試験における注射部位反応の副作用発現率は、1日2000mg投与時34.1%(57/167例)であり、1日1000mg投与時0.1%(1/1,264例)に比べて高かった。

  2. 8.4大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1キノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

  2. 9.1.2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

十分な問診を行うこと。アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすい。

  1. 9.1.3心臓、循環器系機能障害のある患者

塩化ナトリウムを含有するため水分やナトリウム貯留が生じやすく、浮腫等の症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣を起こすことがある。

  1. 9.1.5重症筋無力症の患者

フルオロキノロン系抗菌薬で症状を悪化させるとの報告1) がある。

  1. 9.1.6*大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群等)を有する患者

必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

1日2000mgを投与する場合には、患者の状態を十分に観察するなど、血中濃度上昇による副作用の発現に十分注意し、異常が認められた場合には症状に応じて減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、塩化ナトリウムを含有するため高ナトリウム血症等の電解質異常を起こすおそれがある。

  1. 9.2.1高度の腎障害のある患者

高い血中濃度が持続することがある。

  1. 9.2.2血液透析施行患者

投与量及び投与間隔を適切に調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。動物実験(幼若犬、成熟犬[16~26カ月齢]、ラット[6週齢])で関節異常が認められたとの報告がある。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1腱障害があらわれやすいとの報告がある。

  2. 9.8.2用量に留意し慎重に投与すること。本剤を投与し、血中濃度及び尿中排泄を検討した結果、Cmaxの上昇、AUCの増大及び尿中回収率の低下が認められている。

相互作用

  • 本剤はCYP1A2の代謝活性を阻害する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テオフィリン
アミノフィリン水和物
テオフィリンの中毒症状(消化器障害、頭痛、不整脈、痙攣等)があらわれるおそれがある。観察を十分に行い、血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。 機序:テオフィリンの主代謝酵素であるCYP1A2を阻害することにより、血中濃度を上昇させることが考えられる。
危険因子:高齢者、高度の腎障害患者
フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤
• ジクロフェナクナトリウム
• ロキソプロフェンナトリウム水和物
痙攣があらわれるおそれがある。
観察を十分に行い、症状があらわれた場合には両剤の投与を中止し、気道確保と抗痙攣薬の使用など痙攣に対する治療を実施すること。
機序:中枢神経におけるGABAAの受容体への結合阻害作用が非ステロイド性消炎鎮痛剤により増強されることが主な機序と考えられている。
危険因子:高齢者、てんかん等痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、高度の腎障害患者
ワルファリン ワルファリンの作用を増強し、出血、プロトロンビン時間の延長等があらわれることがある。観察を十分に行い、血液凝固能検査を行うなど注意すること。 機序不明
副腎皮質ホルモン剤
(経口剤、注射剤)
• プレドニゾロン
• ヒドロコルチゾン
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
頻度不明
頻度不明
1%未満
頻度不明
1%未満
頻度不明
1%未満
頻度不明
頻度不明
頻度不明
ALP増加 頻度不明
ALT増加(7.0%) 頻度不明
AST増加(5.3%) 頻度不明
BUN増加 頻度不明
CK増加 頻度不明
LAP上昇 頻度不明
LDH増加 頻度不明
γ-GTP増加 頻度不明
そう痒症 1%未満
メレナ 1%未満
下痢 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 1%未満
嘔吐 頻度不明
変色便 1%未満
好酸球数増加 頻度不明
尿中ウロビリン陽性 頻度不明
尿中蛋白陽性 頻度不明
尿中赤血球陽性 頻度不明
尿円柱陽性 頻度不明
心窩部不快感 1%未満
悪心 頻度不明
意識変容状態 1%未満
感覚鈍麻 頻度不明
注射部位反応(疼痛 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
浮遊感) 頻度不明
潮紅 1%未満
灼熱感 1%未満
異常感(気分不良 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
発赤 頻度不明
白血球数減少 頻度不明
硬結 頻度不明
精神障害 頻度不明
紅斑 1%未満
紅斑 頻度不明
腫脹 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
舌炎 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血中クレアチニン増加 1%未満
血中ビリルビン増加 頻度不明
血小板数減少 頻度不明
譫妄 1%未満
貧血 頻度不明
違和感 頻度不明
関節痛 1%未満
電解質失調 頻度不明
静脈炎等) 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

黄色ブドウ球菌由来DNAジャイレース、トポイソメレースⅣに対して阻害活性を示した。また、ヒト由来トポイソメレースⅡ阻害作用は弱かった17) 。

18.2 抗菌スペクトルと抗菌活性

パズフロキサシンは、好気性、通性嫌気性及び偏性嫌気性のグラム陽性菌並びにグラム陰性菌に対して広い抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、レジオネラ属、バクテロイデス属、プレボテラ属に対し抗菌活性を示した。 また、セファゾリン(CEZ)若しくはセフタジジム(CAZ)耐性腸内細菌科菌群、アンピシリン(ABPC)耐性インフルエンザ菌、イミペネム(IPM)、ゲンタマイシン(GM)単剤あるいはCAZを加えた2、3剤に耐性を示す緑膿菌、IPM分解性βラクタメース産生セラチア・マルセスセンス及び緑膿菌に対して抗菌活性を示した。 肺炎球菌ではPSSP、PISP、PRSPに対してペニシリン耐性の有無注5) にかかわらず同等の抗菌活性を示した18) 。

注5)CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)の判定基準に基づき、ペニシリンGに対するMICが0.06μg/mL以下の場合をPSSP、0.125~1μg/mLの場合をPISP、2μg/mL以上の場合をPRSPと判定した。

18.3 殺菌効果

黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌に対して、殺菌的に作用した。また、緑膿菌の初期静止期、対数増殖期、定常期に作用させたときはいずれの時期でもCAZ、GMより強い殺菌効果を示した。黄色ブドウ球菌の定常期ではCAZ、GMと同様に殺菌効果がみられなかったが、初期静止期、対数増殖期に作用させたときは、CAZより強い殺菌効果を示した19) 。

18.4 耐性菌の選択

黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌において自然耐性菌出現頻度は低かった。継代培養法でのMIC上昇度は黄色ブドウ球菌ではIPM、GM、シプロフロキサシン(CPFX)より小さく、また、緑膿菌ではCAZより小さかった19) 。 緑膿菌によるラットポーチ内感染系では、耐性菌選択頻度はIPMと有意差はなく、CAZに比べ有意(p<0.01)に低かった17) 。

18.5 実験的感染症モデルに対する治療効果

黄色ブドウ球菌によるマウス全身感染、大腸菌によるマウス全身感染、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリスによるマウス全身感染に対して優れた治療効果を示した。また、GM、CAZ、IPM単剤耐性及びIPM、GM耐性菌を含む緑膿菌によるマウス全身感染に対して優れた治療効果を示した19),20) 。 黄色ブドウ球菌と緑膿菌によるマウス混合全身感染に対してCAZ、IPM、CPFX、バンコマイシン(VCM)、アルベカシン(ABK)より優れた治療効果を示した17) 。 緑膿菌によるマウス呼吸器感染、マウス尿路感染、ラット背部皮下ディスク感染及び熱傷感染モデルに対して優れた治療効果を示した19) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  • 本剤を健康成人に単回投与したときの薬物動態パラメータ注1) は以下のとおりである2),3) 。

  • 投与量
    (mg)
    症例数 T1/2注2)
    (hr)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (μg/mL)
    AUC0→∞
    (μg・hr/mL)
    300 5 1.65±0.27 0.5 8.99±0.59 13.3±2.5
    500 6 1.88±0.26 0.5 11.0±2.4 21.7±3.0
    1000 8 3.0±0.3 1.1±0.0 18.45±1.49 59.42±4.43

平均±S.D.

  • 注1)投与量300mg及び500mg:2-コンパートメントモデルに基づく解析 投与量1000mg:モデルに依存しない解析により算出

注2)投与量300mg及び500mg:β相の半減期(T1/2β)

16.3 分布

  1. 16.3.1組織内移行

  2. (1)喀痰・肺組織

1回500mg、30分点滴静注時の最高喀痰中濃度は点滴開始0.5~2.5時間後に2.49~6.24μg/g(n=4)であり、また、点滴開始1.5時間後の肺組織内濃度は平均7.95μg/g(n=5)であった4) 。

  1. (2)胆道

1回500mg、30分点滴静注時の胆管胆汁中最高濃度は点滴開始1.5~4.5時間後に5.47~29.9μg/mL(n=3)であり5) 、また、胆嚢組織内濃度は点滴開始1.0~2.5時間後に9.85~35.5μg/g(n=4)であった4) 。

  1. (3)胸水・腹水

1回500mg、1時間点滴静注時の胸水中濃度は点滴開始7時間後に1.43μg/mL(n=1)、1回300mg、1時間点滴静注時の腹水中濃度は点滴開始4時間後に1.87μg/mL(n=1)を示した5) 。

  1. (4)創膿汁・熱傷皮膚組織

1回500mg、30分点滴静注時の創膿汁中濃度は点滴開始1.5時間後に2例平均で4.73μg/mLであり4) 、また、点滴開始1.5時間後の熱傷皮膚組織エスカー部分の濃度は4例平均で4.54μg/gであった6) 。

  1. (5)女性性器組織

1回300mg、30分点滴静注時の女性性器の各組織濃度は点滴開始0.83時間後で5.00~13.9μg/g(n=1)であり、骨盤死腔液中濃度は点滴開始2時間後の平均で3.18μg/mL(n=4)であった7) 。

  1. (6)髄液

1回500mg、30分点滴静注1.5時間後の髄液中濃度は3例平均で0.33μg/mLであった2) 。

  1. (7)好中球・組織培養細胞

好中球及び組織培養細胞(胎児小腸細胞、胎児肺正常2倍体細胞及び成人肝細胞)の浮遊液にパズフロキサシン溶液を添加した4種類の混合液(薬剤濃度:1μg/mL)を培養後、細胞内及び細胞外液の薬剤濃度を測定し、各細胞におけるC/E ratio(細胞外薬剤濃度に対する細胞内薬剤濃度の比率)を算出した結果、平均でそれぞれ7.1(n=14)、7.4(n=9)、3.4(n=12)及び2.1(n=3)であった8) 。

16.4 代謝

  1. 16.4.1本剤はヒト肝ミクロソームを用いた試験において、CYP1A2に対し1000μmol/Lで約37%の阻害作用を示したが、CYP2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対しては阻害作用を示さなかった。

  2. 16.4.2本剤投与後の代謝物はグルクロン酸抱合体が胆汁中及び尿中に認められた。しかし、それ以外の代謝物の濃度は低く、健康成人に400mgを30分点滴静注にて単回投与した場合、投与24時間までのグルクロン酸抱合体の尿中排泄率5.71%を含めた本剤の尿中排泄率は99.7%と高く、生体内で光学異性化も示さないことから、本剤は代謝を受け難い薬剤と考えられた9) 。

16.5 排泄

  • 健康成人に50~500mgを30分点滴静注にて単回投与した場合又は1000mgを1時間点滴静注にて単回投与した場合の投与24時間までの尿中排泄率は約90%であった。1回300mgを1日2回(最終日は1回)で5日間、1回500mgを1日2回(1日目及び最終日は1回)で6日間、又は1回1000mgを1日2回(1日目及び最終日は1回)で6日間反復投与した場合の累積尿中排泄率も約90%で推移した。また、1回500mgを1日3回(最終日は1回)5日間反復投与時にも尿中回収率の上昇傾向を認めなかった3),10) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1高齢者

本剤を高齢者(65歳以上)に単回投与したときの薬物動態パラメータ注3) は以下のとおりである3),11) 。

投与量
(mg)
症例数 T1/2注4)
(hr)
Cmax
(μg/mL)
AUC0→∞
(μg・hr/mL)
500 10 2.04±0.27 18.3±3.5 37.2±6.3
1000 10 3.0±0.4 25.74±5.61 73.18±15.10

平均±S.D.

注3)投与量500mg:2-コンパートメントモデルに基づく解析 投与量1000mg:モデルに依存しない解析により算出

注4)投与量500mg:β相の半減期(T1/2β)

高齢者(65歳以上)に500mgを30分点滴静注にて単回投与した場合の投与24時間までの尿中排泄率は平均83.5%であった11) 。

  1. 16.6.2腎機能低下患者

Ccr13.6(mL/min)の患者1例に300mgを30分点滴静注にて単回投与したときのCmax、AUC0→∞、T1/2βはそれぞれ10.3μg/mL、51.5μg・hr/mL、7.36時間であった。 Ccr13.6(mL/min)の患者に1回500mgを1日1回点滴静注にて反復投与したときのCss,max、AUC0→24をシミュレーションにて算出した結果、それぞれ30.2μg/mL、451.5μg・hr/mLであった。 Ccr20~30(mL/min)の患者に1回500mgを1日2回点滴静注にて反復投与したときのCss,max、AUC0→24をシミュレーションにて算出した結果、それぞれ22.1~30.3μg/mL、269.2~470.6μg・hr/mLであった12) 。

  1. 16.6.3血液透析施行患者

血液透析施行患者3例に300mgを30分点滴静注にて単回投与したときのCmax、AUC0→∞はそれぞれ12.5~13.3μg/mL、196~269μg・hr/mLであった。また、投与開始24時間後より血液透析を4時間施行した場合、本剤は59~66mgが除去され、見かけ上の血清中濃度半減期(T1/2d)は非透析時の半減期(T1/2β)17.9~23.2時間から2.78~4.00時間に短縮された12) 。 のう胞腎感染症の血液透析施行患者4例に週3回の血液透析後、300mgを30分点滴静注投与したとき、初回投与時のCmax、AUC0→∞及びT1/2はそれぞれ7.76~13.04μg/mL、258~662μg・hr/mL及び22.0~47.2時間であった。また、3回目投与の約64時間後より血液透析を4時間施行した場合、透析開始前から透析終了1時間後までの本剤の除去率は37.5~51.7%であった13) 。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1プロベネシドによる影響

健康成人3例にプロベネシド1gを経口投与し、2時間後に本剤200mgを30分点滴静注した。更に、点滴終了2時間後にプロベネシド0.5gを経口投与した。その結果、本剤の血清中半減期は約2倍に延長し、AUCは2.4倍に増加したが、最高血清中濃度に大きな変化は認められなかった10) 。