Clinical snapshot

バソメット錠0.25mg

テラゾシン塩酸塩水和物錠

添付文書改訂 2025年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 本態性高血圧症

  • 腎性高血圧症

  • 褐色細胞腫による高血圧症

  • 前立腺肥大症に伴う排尿障害

用法・用量

  • 〈本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症〉

テラゾシンとして通常、成人1日0.5mg(1回0.25mg1日2回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1日1~4mgに漸増し、1日2回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は8mgまでとする。

  • 〈前立腺肥大症に伴う排尿障害〉

テラゾシンとして通常、成人1日1mg(1回0.5mg1日2回)より投与を始め、1日2mgに漸増し、1日2回に分割経口投与する。 なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1起立性低血圧があらわれることがあるので、臥位のみならず立位又は坐位で血圧測定を行い、体位変換による血圧変化を考慮し、坐位にて血圧をコントロールすること。

  2. 8.2投与初期又は用量の急増時等に、めまい、立ちくらみ、動悸、頭痛等があらわれることがある。その際は仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講ずること。また、必要に応じて対症療法を行うこと。

  3. 8.3降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1アレルギー体質の患者

副作用発現率が高くなる傾向がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)で母動物に体重増加抑制等の一般状態の悪化が認められる実験条件では、胚致死など胎児への影響も確認されている。

9.6 授乳婦

*授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で母動物の血中濃度よりも高濃度で本剤の乳汁移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量(例えば1回0.25mg、1日2回)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧作用を有する他の薬剤 降圧作用が増強することがあるので、減量するなど適切な処置を行うこと。 相加的に降圧作用を増強させる。
ホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5阻害剤)
 シルデナフィルクエン酸塩
 バルデナフィル塩酸塩水和物
 タダラフィル
症候性低血圧があらわれるおそれがあるので、本剤を低用量から投与開始すること。 血管拡張作用を有するので、併用により降圧作用を増強させるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇 1〜5%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1〜5%未満
LDH上昇 1〜5%未満
インポテンス 頻度不明
しびれ 1%未満
そう痒 1%未満
ほてり 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不整脈(期外収縮 1〜5%未満
不眠 1〜5%未満
低血圧 1%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
冷感 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
口渇 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
尿失禁 1%未満
心房細動等) 1〜5%未満
息切れ 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
抗核抗体の陽性 1〜5%未満
浮腫 1〜5%未満
消化不良 1%未満
発汗 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
目の違和感 1〜5%未満
眠気 1%未満
立ちくらみ 1〜5%未満
総ビリルビン上昇 1〜5%未満
羞明 頻度不明
肩こり 1〜5%未満
胸痛 1〜5%未満
脱力感 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
血中クレアチニン上昇 1%未満
血管性浮腫 頻度不明
貧血 1%未満
起立性低血圧 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頻尿 1〜5%未満
頻脈 1%未満
食欲不振 1%未満
鼻閉 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

シナプス後α1受容体を選択的に遮断し、末梢血管抵抗、尿道抵抗を減少することにより降圧作用、排尿障害改善作用を示す。

18.2 α1受容体遮断作用

イヌ大動脈、脳を用いたin vitro受容体結合実験において、本剤はα1受容体を選択的に遮断し、シナプス前のα2受容体遮断作用は著しく弱かった。このことから、シナプス前のα2受容体を介するノルアドレナリン放出のネガティブフィードバック機構を阻害することなく、末梢血管を拡張させ、ノルアドレナリンの過剰放出を起こしにくいと考えられた16),17)。 また、ヒト摘出前立腺を用いたin vitro結合実験においても選択的にα1受容体を遮断することが報告されている18)。

18.3 降圧作用

  1. 18.3.1高血圧自然発症ラット、副腎性(DOC-salt)高血圧ラット、腎性高血圧ラット、腎性高血圧イヌのいずれにおいても、単回経口投与により明らかな降圧作用を示し、その作用は持続的であった19),20)。

  2. 18.3.2高血圧自然発症ラット、腎性高血圧イヌにおいて、長期反復経口投与により本剤は安定した降圧作用を示し、作用に耐性がないことが認められた19),20)。

18.4 前立腺収縮抑制作用

ヒト摘出前立腺を用いたノルアドレナリンによる収縮反応を抑制するin vitro実験において、本剤はこの収縮反応に対し競合的に拮抗することが認められた21)。

18.5 その他

  1. 18.5.1高血圧自然発症ラット、腎性高血圧イヌ及び本態性高血圧症患者において、全末梢血管抵抗の減少による降圧作用が認められた。また、心拍出量や脈拍数に与える影響は少なかった19),20),22)。

  2. 18.5.2本態性高血圧症患者において体位変換による血圧の変化に対し影響を及ぼさなかった4)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人(6例)にテラゾシン塩酸塩水和物として0.5~2mgを単回経口投与したときの血中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである1)。

投与量
パラメータ
0.5mg(n=6) 1.0mg(n=6) 2.0mg(n=6)
tmax(h) 0.83±0.26 1.00±0.32 1.00±0.63
Cmax(ng/mL) 17.3±3.4 40.4±9.8 67.1±22.9
t1/2 α相(h) 2.01±0.43 2.74±0.32 1.80±1.09
β相(h) 12.76±5.43 18.70±10.60 10.11±2.67
AUC(ng・h/mL) 137.1±26.3 404.1±131.3 580.3±106.1

平均値±S.D.

16.3 分布

血漿蛋白結合率は79~94%であった(in vitro、限外ろ過法)。

16.4 代謝

健康成人(12例)にテラゾシン塩酸塩水和物2mgを経口投与したとき、尿中代謝物としてテラゾシンのN-グルクロン酸抱合体、PAD、HG-PAD、DD及び6H-TRZが検出された2)。

16.5 排泄

健康成人(12例)にテラゾシン塩酸塩水和物2mgを経口投与したとき、尿中には投与後24時間までに未変化体として約12.9%、N-グルクロン酸抱合体等の代謝物として約12.4%が排泄された2)。また、健康成人(6例)にテラゾシン塩酸塩水和物0.5~2mgを経口投与したとき、投与72時間後までの尿中未変化体排泄率は投与量の13.5~20.5%であった1)。 外国人のデータでは、ヒトに14C-テラゾシン塩酸塩水和物1mgを経口投与したとき、投与後168時間までに94.4%が排泄され、うち尿中へは38.8%、糞中へは55.6%が排泄された3)。