- 〈適応菌種〉
ニューモシスチス・カリニ
- 〈適応症〉
カリニ肺炎
ショック及び重篤な皮膚障害、肝障害、血液障害等の副作用が報告されている。本剤の投与によりこのような症状が発現した場合には投与を中止すること。
2.1本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
2.3低出生体重児、新生児
ニューモシスチス・カリニ
カリニ肺炎
通常、トリメトプリムとして1日量15~20mg/kgを3回に分け、1~2時間かけて点滴静注する。 なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
8.1血液障害、ショック等を予測するため十分な問診を行うこと。
8.2ショック発現時に救急処置のとれる準備をしておくこと。また、投与後患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。
8.3本剤投与中は、副作用の早期発見のため必ず臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査、血中電解質等)を行うこと。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。血液障害を悪化させることがある。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。
葉酸欠乏を悪化させ、巨赤芽球性貧血を起こすことがある。
溶血を起こすおそれがある。
急性発作が起こるおそれがある。
減量等を考慮すること。血中濃度が持続する。
肝障害を悪化させることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中に本剤を単独又は併用投与された患者の児において、先天異常があらわれたとの報告がある。また、動物試験で催奇形作用が報告されている。(ラットに1200mg/kg/日以上を経口投与した群で骨格異常、内臓異常、外形異常が、マウスに3000mg/kg/日を経口投与した群で口蓋裂が認められている。)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳を通じて薬物が移行し、低出生体重児、新生児に高ビリルビン血症を起こすことがある。
低出生体重児、新生児には投与しないこと。高ビリルビン血症を起こすことがある。
副作用が認められた場合には減量等の適切な処置を行うこと。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 葉酸代謝阻害作用を有する薬剤 メトトレキサート |
メトトレキサートの作用を増強し、汎血球減少等があらわれることがある。 | 共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。 |
| 葉酸代謝阻害作用を有する薬剤 スルファドキシン・ピリメタミン |
ピリメタミンとの併用により、巨赤芽球性貧血があらわれることがある。 | 共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。 |
| 葉酸代謝阻害作用を有する薬剤 ジアフェニルスルホン |
ジアフェニルスルホンとの併用により、血液障害(巨赤芽球性貧血、汎血球減少等)があらわれることがある。 | 共に葉酸代謝阻害作用を有するため、また、トリメトプリムがCYP2C8を阻害するためと考えられている。 |
| レパグリニド | レパグリニドの血中濃度が上昇することがある。 | トリメトプリムがCYP2C8を阻害するためと考えられている。 |
| スルホニルウレア系経口糖尿病用剤 • グリクラジド グリベンクラミド 等 |
これらの薬剤の血糖降下作用を増強し、低血糖症状があらわれることがある。 | 本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を抑制する。 |
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリンカリウム |
クマリン系抗凝血剤の作用を増強し、出血があらわれることがある。 | 本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を抑制する。 |
| フェニトイン | フェニトインの作用を増強することがある。 | 本剤がフェニトインの肝臓での代謝を抑制するためと考えられている。 |
| シクロスポリン | 腎機能障害が増強されることがある。 | 共に腎毒性を有するためと考えられている。 危険因子:特に腎移植後の患者 |
| タクロリムス水和物 | 腎機能障害が増強されることがある。 | 共に腎毒性を有するためと考えられている。 |
| チアジド系薬剤 • ヒドロクロロチアジド 等 |
紫斑を伴う血小板減少症の発現率が増加することがある。 | 機序は不明である。 |
| ジドブジン | ジドブジンの毒性を増強し、顆粒球減少等があらわれることがある。 | 機序は不明である。 |
| ガンシクロビル、バルガンシクロビル塩酸塩 | ガンシクロビルの腎クリアランスが12.9%減少し、消失半減期が18.1%延長し、トリメトプリムのCminが12.7%増加したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| ラミブジン含有製剤 | ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。 | 本剤の成分であるトリメトプリムがこれらの薬剤の尿細管分泌を低下させるためと考えられている。 |
| ジゴキシン製剤 | ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある。 | 本剤の成分であるトリメトプリムがこれらの薬剤の尿細管分泌を低下させるためと考えられている。 |
| 三環系抗うつ剤 等 • クロミプラミン塩酸塩 イミプラミン塩酸塩 アミトリプチリン塩酸塩 等 |
三環系抗うつ剤等の効果が減弱することがある。 | 機序は不明である。 |
| アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤 • オルメサルタン メドキソミル 等アンジオテンシン変換酵素阻害剤 • エナラプリルマレイン酸塩 等抗アルドステロン剤・カリウム保持性利尿剤 • スピロノラクトン 等 |
これらの薬剤との併用により、高カリウム血症があらわれることがある。 | 共に血清カリウムを上昇させるためと考えられている。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P | 5%以上 |
| ALT | 5%以上 |
| AST | 5%以上 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| IgA血管炎等) | 頻度不明 |
| γ-GTPの上昇 | 5%以上 |
| いらいら感 | 頻度不明 |
| うとうと状態 | 頻度不明 |
| しびれ感 | 頻度不明 |
| ぶどう膜炎 | 頻度不明 |
| ふらふら感 | 頻度不明 |
| ふるえ | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 光線過敏症 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 口角炎 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 5%以上 |
| 幻覚 | 頻度不明 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 抑うつ | 頻度不明 |
| 水疱 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 熱感 | 頻度不明 |
| 痙攣 | 頻度不明 |
| 瘙痒感 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 皮膚血管炎(白血球破砕性血管炎 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 頻度不明 |
| 筋(肉)痛 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 胃不快感 | 頻度不明 |
| 胸内苦悶 | 頻度不明 |
| 脱力 | 頻度不明 |
| 腎機能障害 | 頻度不明 |
| 腎障害 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 舌炎 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血便 | 頻度不明 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 血圧下降 | 頻度不明 |
| 血小板減少 | 5%以上 |
| 血尿 | 頻度不明 |
| 血清クレアチニンの上昇 | 頻度不明 |
| 血色素尿 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 静脈炎 | 5%以上 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 顆粒球減少 | 5%以上 |
| 顔面潮紅 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 黄疸 | 頻度不明 |
本剤の配合2成分は、葉酸代謝経路の連続した2ヵ所をそれぞれ阻害する。すなわち、スルファメトキサゾールはパラアミノ安息香酸と競合してジヒドロ葉酸の合成を阻害し、トリメトプリムはジヒドロ葉酸からテトラヒドロ葉酸への還元過程を阻害する。この結果より、本剤はP. cariniiに対して生育阻害活性を示すと考えられる。12),13),14)
in vitroにおいてカリニ肺炎を誘発させたラットの肺ホモジネートより分離したP.cariniiに対して、強い生育阻害活性を示した。
健康成人4例にバクトラミン注3アンプル(トリメトプリム:240mg、スルファメトキサゾール:1200mg)を1.5時間かけて点滴静注したときのスルファメトキサゾールとトリメトプリムの血中濃度は以下のとおりであり、高い血中濃度が長時間持続した(外国人データ)。
図16-1 単回投与後の血中濃度(健康成人)
| 投与量 | 例数 | Cmax (μg/mL) |
t1/2 (hr) |
|
|---|---|---|---|---|
| SMX | 3アンプル | 4 | 82.0 | 11.3 |
| TMP | 3アンプル | 4 | 2.9 | 10.0 |
雄ラットにトリメトプリムを25mg/kg単回静脈内投与したとき、各組織への移行は速やかで、組織内濃度は前立腺で最も高く、次いで肺であった。 また、雄ラットにスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤を120mg/kgあるいはスルファメトキサゾールを100mg/kg単回経口投与したときのスルファメトキサゾールの組織内濃度は腎臓で最も高く、次いで肝臓、脾臓、肺の順であった。4),5)
健康成人6例にバクトラミン注2.5アンプル(トリメトプリム:200mg、スルファメトキサゾール:1000mg)を単回点滴静注し、投与後48時間までの尿中排泄率を測定したところ、スルファメトキサゾールの総排泄率は78.6%で、うち未変化体は23%であり、代謝物は主としてN4-アセチルスルファメトキサゾールであった。また、トリメトプリムの総排泄率は64.1%であった。6)
16.6.1腎障害患者
(1)クレアチニン・クリアランスが4mL/分以下の尿毒症患者4例にバクトラミン2錠(トリメトプリム:160mg、スルファメトキサゾール:800mg)を経口投与したときトリメトプリムとスルファメトキサゾールの平均血清中半減期は非透析時には各々22.8時間、28.4時間であり、透析時には各々9.4時間、11.1時間であった。7)(外国人データ)
(2)血液透析患者16例にバクトラミン注2アンプル(トリメトプリム:160mg、スルファメトキサゾール:800mg)を45分間かけて点滴静注したところ、いずれの成分も血液透析により排泄が促進された(半減期トリメトプリム:6.0時間、スルファメトキサゾール:3.1時間)。また、血液透析中に、トリメトプリムは投与量の44%、スルファメトキサゾールは投与量の57%が排泄された。8)(外国人データ)
(3)腹膜透析患者10例にバクトラミン注4アンプル(トリメトプリム:320mg、スルファメトキサゾール:1600mg)を30分間かけて点滴静注したところ、トリメトプリムの半減期の延長が認められた(半減期トリメトプリム:28.6時間、スルファメトキサゾール:13.0時間)。また、腹膜透析中に、トリメトプリムは投与量の3%未満、スルファメトキサゾールは投与量の6%未満が排泄されたに過ぎなかった。9)(外国人データ)
トリメトプリムは肝代謝酵素CYP2C810)と有機カチオントランスポーター2(OCT2)11)を阻害する(in vitro)。また、スルファメトキサゾールはCYP2C910)を阻害する(in vitro)。