Clinical snapshot

ハイヤスタ錠10mg

ツシジノスタット

添付文書改訂 2025年04月01日

【警告】

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫

  • 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫

用法・用量

通常、成人にはツシジノスタットとして1日1回40mgを週2回、3又は4日間隔で食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.2間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(発熱、咳嗽、呼吸困難等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。

  3. 8.3QT間隔延長、不整脈等があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中に、必要に応じて心機能検査(心電図、心エコー検査等)及び電解質検査(カリウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に確認すること。また、必要に応じて、電解質(カリウム、カルシウム等)を補正すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄機能低下のある患者

好中球減少、血小板減少、貧血、リンパ球減少等を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.2不整脈のある患者又はその既往歴のある患者

不整脈を悪化又は再発させるおそれがある。

  1. 9.1.3QT間隔延長又はその既往歴のある患者

QT間隔延長を起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

  1. **9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

  2. **9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後5日間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。

  3. 9.4.3生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、生殖機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。動物試験(ラット及びイヌ)では、ヒトの臨床用量を下回る用量で、雄雌の生殖器所見が認められている(精巣の縮小、精巣重量の低下、精巣の精細管萎縮及び卵巣・子宮の萎縮)1)。

9.5 妊婦

**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。HDAC活性阻害により催奇形性を含む発生毒性が報告されており2),3)、本剤が胚・胎児発生に影響を及ぼす可能性がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は主にCYP3A4により代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 強いCYP3A阻害剤• イトラコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン等
• グレープフルーツ含有食品
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 これらの薬剤等の強いCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
• 抗不整脈薬• アミオダロン、ジソピラミド、プロカインアミド等
• QT間隔を延長させることが知られている他の薬剤• クラリスロマイシン、モキシフロキサシン、ベプリジル等
QT間隔延長を増強するおそれがあるため、併用を避けることが望ましい。併用する場合には、患者の状態をより慎重に観察すること。 これらの薬剤ではQT間隔を延長するとの報告があり、相加的なQT間隔延長を起こすことがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP増加 頻度不明
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
C-反応性蛋白増加 頻度不明
γ-GTP増加 頻度不明
ざ瘡様皮膚炎 頻度不明
そう痒症 頻度不明
リパーゼ増加 頻度不明
下痢 頻度不明
低アルブミン血症 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低リン酸血症 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
傾眠 頻度不明
光線過敏性反応 頻度不明
全身性そう痒症 頻度不明
全身性剥脱性皮膚炎 頻度不明
再生不良性貧血 頻度不明
口内炎 頻度不明
味覚消失 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢痛 頻度不明
回転性めまい 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
好酸球増加 頻度不明
尿瘻 頻度不明
心嚢液貯留 頻度不明
心窩部不快感 頻度不明
心胸郭比増加 頻度不明
心電図T波逆転 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
斑状丘疹状皮疹 頻度不明
末梢性T細胞リンパ腫・非特定型 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
歩行障害 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
消化不良 頻度不明
点状出血 頻度不明
無力症 頻度不明
疲労 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚潰瘍 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋肉疲労 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
糖尿病 頻度不明
紅斑 頻度不明
紫斑 頻度不明
結膜出血 頻度不明
胃炎 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸水 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
脳性ナトリウム利尿ペプチド増加 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中クレアチンホスホキナーゼMB増加 頻度不明
血中クレアチンホスホキナーゼ増加 頻度不明
血中免疫グロブリンA減少 頻度不明
関節炎 頻度不明
関節痛 頻度不明
関節腫脹 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高血圧 頻度不明
鼻出血 頻度不明
齲歯 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ツシジノスタットは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性を阻害する12)。HDAC活性阻害によりヒストン等の脱アセチル化が阻害され、細胞周期停止及びアポトーシス誘導が生じることにより、腫瘍増殖が抑制されると推測されている。しかし、詳細な作用機序は解明されていない。

18.2 抗腫瘍作用

ツシジノスタットは、in vitroにおいて、成人T細胞白血病リンパ腫由来初代細胞に対して、増殖抑制作用を示した13)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回及び反復投与

非ホジキンリンパ腫患者14例に本剤30又は40mgを週2回注)、3又は4日間隔で食後に反復経口投与したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を示す。本剤40mgを投与したときの投与25日目における本剤の蓄積比は1.24であった4)。

用量(mg) 30 40
投与日(日) 1 25 1 25
N 7 6 7 4
Cmax(ng/mL) 199±105 240±79.6 590±464 385±218
tmax*(h) 3.98
(2.50, 11.9)
5.00
(2.47, 12.0)
2.42
(1.52, 5.95)
4.19
(0.78, 12.0)
AUCtau
(ng・h/mL)
3,740±1,210 4,870±1,320 6,760±3,650 6,010±3,500
t1/2(h) 17.1±3.15 21.6±5.27 19.4±6.51 18.7±2.05

平均値±標準偏差、*:中央値(範囲)

図 本剤の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人16例に本剤20mgを単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与における本剤のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%信頼区間]は、それぞれ0.757[0.615, 0.932]及び1.094[0.968, 1.237]であり、空腹時投与と比較して食後投与でtmaxは2.5時間遅延した5)(外国人データ)。

16.3 分布

本剤のヒト血漿タンパク結合率は88.9~89.4%であり、ヒト血球移行率は59.2~76.0%であった6)(in vitro)。

16.4 代謝

本剤は主にCYP3A4により代謝される7)(in vitro)。

16.5 排泄

非ホジキンリンパ腫患者における本剤40mgの単回投与時注)には、本剤の総投与量の25%が投与後72時間までに尿中に未変化体として排泄された4)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1イトラコナゾール

健康成人16例において、イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、本剤20mgを単回経口投与注)したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時における本剤のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%信頼区間]は、それぞれ1.41[1.02, 1.94]及び1.46[1.23, 1.72]であった8)(外国人データ)。

  1. 16.7.2その他

本剤はP-gp、BCRP及びMRP2の基質であり、CYP2C19及び3Aを阻害した9)(in vitro)。

注)本剤の承認用法・用量は「1回40mgを週2回経口投与」である。