Clinical snapshot

ハイイータン錠50mg

グマロンチニブ水和物

添付文書改訂 2024年09月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

用法・用量

通常、成人にはグマロンチニブとして1回300mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。

  2. 8.2肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、また、脈拍、血圧測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質を補正すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者

間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。

  1. 9.1.2QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者

QT間隔延長が発現又は悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤は主に代謝により体内から消失するため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度(総ビリルビンが基準値上限の3倍超)の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量の2.5倍で、胎盤重量及び胎児体重の減少、胎児個体の小型化、骨格の成長遅延、奇形、又は変異の増加が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重大な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は、多剤及び毒素排出タンパク質1(MATE1)並びにMATE2-Kに対する阻害作用を示す。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
MATE1及びMATE2-Kの基質となる薬剤
メトホルミン等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 本剤がMATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
上腹部痛 頻度不明
不整脈 頻度不明
不眠症 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔吐(23.8%) 頻度不明
四肢痛 頻度不明
好中球減少症 頻度不明
悪心(28.6%) 頻度不明
洞性頻脈 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
疲労 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少症 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
背部痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中尿素増加 頻度不明
血小板減少症 頻度不明
貧血 頻度不明
頭痛(32.1%) 頻度不明
食欲減退(32.1%) 頻度不明
高尿酸血症 頻度不明
高血糖 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

グマロンチニブは、間葉上皮転換因子(MET)に対する阻害作用を有する低分子化合物であり、METのリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている10),11)。

18.2 抗腫瘍作用

グマロンチニブは、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異等を有する非小細胞肺癌患者由来腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した12)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人の進行固形癌患者にグマロンチニブ200mg注)又は300mgを空腹時に単回経口投与及び1日1回反復経口投与したときのグマロンチニブのPKパラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった1)。グマロンチニブ300mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときの投与15日目におけるグマロンチニブの蓄積率はAUC0-24hが1.89、Cmaxが1.69であった。 注)本剤の承認用法・用量は「グマロンチニブとして1回300mgを1日1回空腹時に経口投与」である。

用量
(mg)
測定日
(日)
例数 Cmax
(ng/mL)
Tmax※
(h)
AUC0-24h
(ng・h/mL)
200 1 3 2146
(28)
2.97
(1.9-3.0)
26936
(26)
15 3 3905
(46)
2.08
(2.0-3.0)
59726
(34)
300 1 4 2199
(23)
1.95
(1.0-3.0)
30969
(20)
15 3 3838
(55)
1.93
(1.0-2.0)
61874
(75)

平均値(変動係数%) ※ Tmaxは中央値(最小値-最大値)

日本人患者にグマロンチニブ200mg又は300mgを単回経口投与(上図)及び1日1回反復経口投与(下図)したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人(18例)にグマロンチニブ300mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後又は低脂肪食後投与におけるグマロンチニブのAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値の比は、高脂肪食後投与ではそれぞれ2.36及び1.95、低脂肪食後投与ではそれぞれ2.18及び1.95であった2)(外国人データ)。

16.3 分布

グマロンチニブのヒト血漿タンパク結合率は97%であった(in vitro)。ラットにおける血液/血漿中濃度比は0.7であった3),4)。

16.4 代謝

グマロンチニブは主にCYP3A、CYP2C8、及びCYP2C9によって代謝される(in vitro)。CYP3Aはグマロンチニブの代謝に寄与する主なCYP分子種ではあるが、グマロンチニブの代謝に対するCYP3Aの寄与は限定的である(5%未満)5)。健康成人(6例)に14Cで標識されたグマロンチニブ300mgを単回経口投与したとき、投与168時間後までの血漿中に、主に未変化体及び薬理活性を示さない代謝物(スルホンアミド加水分解物)が検出された(血漿中総放射能のAUC168hに対する割合は、それぞれ52.72%及び27.23%)6)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人(6例)に14Cで標識されたグマロンチニブ300mgを単回経口投与したとき、投与240時間後までの糞中及び尿中に、それぞれ投与放射能の78.03%(未変化体として74.16%)及び20.34%(未変化体として0.02%)が排泄された6)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

グマロンチニブ300mgを単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(76例)に対する軽度(20例)及び中等度(3例)の肝機能障害患者注)におけるグマロンチニブのCmax及びAUC0-24hの幾何平均値の比は、軽度の患者でそれぞれ1.04及び1.01、中等度の患者でそれぞれ0.896及びNC(算出せず)であった。 注)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1トランスポーター

グマロンチニブはMATE1及びMATE2-Kを阻害した(IC50値はそれぞれ1.48µM及び1.85µM)(in vitro)7)。

薬価情報

YJコードに紐付く薬価基準収載データを年度別に表示します。

最新薬価: ¥4356.60
年度 品名 規格 単位 薬価 後発品 適用日 製造販売会社
2026年度
ハイイータン錠50mg 本剤
4291085F1021
50mg1錠 50mg1錠 ¥4356.60