Clinical snapshot

ノルフロキサシン錠200mg「ツルハラ」

ノルフロキサシン

添付文書改訂 2023年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2次の薬剤を投与中の患者 フェンブフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン、エスフルルビプロフェン・ハッカ油

  • 〈炭疽、野兎病以外〉
  1. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、コレラ菌、腸炎ビブリオ、インフルエンザ菌、緑膿菌、野兎病菌、カンピロバクター属

  • 〈適応症〉

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、中耳炎、副鼻腔炎、炭疽、野兎病

用法・用量

ノルフロキサシンとして、通常成人1回100~200mgを1日3~4回経口投与する。 なお、症状により適宜増減する。 ただし、腸チフス、パラチフスの場合は、ノルフロキサシンとして1回400mgを1日3回、14日間経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。なお、長期投与が必要となる場合には、経過観察を十分行うこと。

  2. 8.2大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣を起こすことがある。

  1. 9.1.2重症筋無力症の患者

症状を悪化させることがある。

  1. 9.1.3大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者

必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌剤投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1高度の腎障害のある患者

高い血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて投与すること。

9.5 妊婦

  • 〈炭疽、野兎病以外〉
  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
  • 〈炭疽、野兎病〉
  1. 9.5.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1腱障害があらわれやすいとの報告がある。

  2. 9.8.2用量に留意して慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• フェンブフェン
• フルルビプロフェンアキセチル(ロピオン)
• フルルビプロフェン(フロベン)
• エスフルルビプロフェン・ハッカ油(ロコア)
痙攣を起こすことがある。
痙攣が発現した場合は、気道確保、抗痙攣薬の使用等適切な処置を行い、投与を中止する。
ニューキノロン系抗菌剤によるGABA受容体結合阻害作用が、非ステロイド性消炎鎮痛剤により増強されると考えられている。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただし、フェンブフェンは併用禁忌)• ジクロフェナク
• アンフェナク等
• プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただし、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン及びエスフルルビプロフェン・ハッカ油は併用禁忌)• ケ卜プロフェン
• ロキソプロフェン
• プラノプロフェン
• ザルトプロフェン等
痙攣を起こすおそれがある。
痙攣が発現した場合は、気道確保、抗痙攣薬の使用等適切な処置を行い、投与を中止する。
ニューキノロン系抗菌剤によるGABA受容体結合阻害作用が、非ステロイド性消炎鎮痛剤により増強されると考えられている。
• テオフィリン
• アミノフィリン水和物
テオフィリンの作用が増強するので、テオフィリンを減量するなど慎重に投与する。 肝薬物代謝酵素の競合により、テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリンの血中濃度を上昇させることが報告されている。(参考:成人でのクリアランスで14.9%程度の低下がみられたとの報告がある。)
• シクロスポリン シクロスポリンの血中濃度を上昇させることが報告されているので、シクロスポリンを減量するなど慎重に投与する。 シクロスポリンの肝薬物代謝酵素活性を抑制すると考えられている。(参考:シクロスポリンの代謝に関与するヒ卜肝ミクロソーム酵素を、in vitroで64%抑制したとの報告がある。)
• ワルファリン ワルファリンの作用を増強し、出血、プロ卜ロンビン時間の延長等があらわれるので、ワルファリンを減量するなど慎重に投与する。 機序不明。
• アルミニウム又はマグネシウムを含有する製剤(制酸剤等)• ケイ酸アルミニウム
• 水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム
• スクラルファート水和物等
• 鉄剤
• カルシウムを含有する製剤
本剤の効果が減弱するおそれがある。
本剤を服用後、2時間以上間隔をあけて制酸剤等を服用する等注意する。
金属イオンとキレー卜を形成し、吸収が阻害される。
• チザニジン塩酸塩 チザニジン塩酸塩の血中濃度が上昇し、チザニジン塩酸塩の副作用が増強されるおそれがある。 チザニジン塩酸塩の主代謝酵素であるCYP1A2を阻害し、チザニジン塩酸塩の血中濃度を上昇させる可能性がある。
• 副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)• プレドニゾロン
• ヒドロコルチゾン等
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。 機序不明。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
BUN 1〜5%未満
クレアチニンの上昇 等 1〜5%未満
しびれ感 1%未満
そう痒感 1%未満
ヘモグロビン減少 1%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 1%未満
便秘 1%未満
光線過敏症 頻度不明
全身倦怠感 1%未満
冷感 1%未満
口内炎 1%未満
口唇炎 1%未満
口角炎 等 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
嘔気 1〜5%未満
好酸球増多 1〜5%未満
心悸亢進 1%未満
意識障害 頻度不明
浮腫 1%未満
消化不良 1%未満
熱感 1%未満
発熱 等 1%未満
発疹 1〜5%未満
発赤 1%未満
白血球減少 1〜5%未満
眠気 1%未満
胸痛 頻度不明
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満感 1%未満
血小板減少 1〜5%未満
赤血球減少 1%未満
頭痛 1%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細菌のDNAの高次構造を変換するDNA gyraseに作用し、DNA複製を阻害することにより、殺菌的に作用する21)。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1ナリジクス酸やピペミド酸では抗菌力を示さなかったブドウ球菌属及びレンサ球菌属等のグラム陽性菌にも強い抗菌力を示した(in vitro)22),23)。

  2. 18.2.2大腸菌、緑膿菌、セラチア属、赤痢菌及びサルモネラ属等のグラム陰性菌に対しては、ナリジクス酸及びピペミド酸に比べ、一段と強い抗菌力を示した(in vitro)22),23),24)。

  3. 18.2.3ナリジクス酸耐性グラム陰性菌、ゲンタマイシン耐性緑膿菌、アンピシリン耐性黄色ブドウ球菌及びβ-ラクタマーゼ産生淋菌に対しても強い抗菌力を示した(in vitro)13),22),25)。

  4. 18.2.4マウス感染防御実験においてナリジクス酸及びピペミド酸よりも優れた治療効果を示した22),26)。

18.3 耐性獲得

  1. 18.3.1継代培養による耐性獲得実験においてナリジクス酸及びピペミド酸に比べ耐性が獲得されにくい(in vitro)26)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回経口投与

健康成人にノルフロキサシン200mgを単回経口投与した時の、血中濃度及び薬物速度論的パラメータは次のとおりである5)。

図 血中濃度(健康成人)

投与量
(mg)
Tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
t1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
200 1.3 1.15 2.74 4.29
  1. 16.1.2生物学的同等性

〈ノルフロキサシン錠100mg「ツルハラ」〉

ノルフロキサシン錠100mg「ツルハラ」とバクシダール錠100mgをクロスオーバー法により、ノルフロキサシンとして 200mgを健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について 90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された6)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-12
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ノルフロキサシン錠100mg「ツルハラ」 3.78±0.15 0.88±0.04 1.2±0.1 3.7±0.3
バクシダール錠100mg 4.05±0.16 0.95±0.03 1.1±0.1 4.1±0.4

(Mean±S.E.、n=12)

〈ノルフロキサシン錠200mg「ツルハラ」〉

ノルフロキサシン錠200mg「ツルハラ」とバクシダール錠200mgをクロスオーバー法により、ノルフロキサシンとして 200mgを健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について 90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-12
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ノルフロキサシン錠200mg「ツルハラ」 3.72±0.10 0.87±0.04 1.1±0.1 3.8±0.2
バクシダール錠200mg 3.82±0.14 0.86±0.03 1.2±0.1 4.1±0.3

(Mean±S.E.、n=12)

血漿中濃度並びに AUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

成人患者にノルフロキサシン200mgを単回経口投与した時の、組織等における濃度は下表のとおりである。

症例数 投与後時間 濃度
喀痰8) 2 約4時間 0.77μg/mL
扁桃9) 6 2時間 1.87μg/g
上顎洞粘膜10) 4 2時間 0.72~2.03μg/g
耳漏10) 1 2時間 1.93μg/mL
胆嚢11) 9 1~4.5時間 1.39μg/g
胆汁11) 6 1~4.5時間 10.4μg/mL
前立腺液12) 6 1時間 0.16μg/mL
尿道分泌物13) 5 1時間 0.51μg/mL

16.4 代謝

健康成人にノルフロキサシン200mgを単回経口投与した結果、尿中排泄物の約80%は未変化体であり、その他に5種の代謝物が認められた14)。

16.5 排泄

健康成人にノルフロキサシン200mgを単回経口投与した結果、尿中濃度は0~2時間尿に348μg/mLのピークを示し、8時間までの尿中回収率は42.6%であった5)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

クレアチニンクリアランスが29mL/分以下の高度腎機能障害患者にノルフロキサシン200mgを単回経口投与した結果、尿中排泄量が著明に減少した15)。